著者
中塚 智之 芳賀 博英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.66, pp.31-36, 2014-05-29

本稿では,GPUによる並列計算のフレームワークであるNVIDIA CUDAに基づくGPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)による処理をより平易に記述可能なRuby用のライブラリであるrbcudaの設計と開発について述べる.実装にはコンパイラ開発環境であるLLVMを用い,RubyのソースコードをLLVMに変換し,そこからGPUのアセンブリ言語に相当するNVIDIA PTXを生成する.rbcudaの利用によって,native Rubyに対して5000倍の高速化,native CUDAプログラムに対して約半分のコード量で同様のプログラムが書けたことを確認した.
著者
仁木 賢治 新谷 公朗 糠野 亜紀 金田 重郎 芳賀 博英
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.601-614, 2009-02-15

保育所では,子どもの発達状況を記録する「発達記録」の作成・保存が,厚生労働省の指導によって義務付けられている.発達記録については,作成・保存するための発達記録システムが数社から市販されている.しかし,既存の発達記録システムでは,子ども1人ひとりの発達傾向を表示するグラフ機能は持っているが,クラス全体の保育傾向を示す機能は持っていない.そこで,本論文では,保育者の保育傾向をグラフによって読み取ることのできる,発達記録システムを提案する.具体的には,ヴィゴツキーの発達の最近接領域理論を観察項目スコアの付与方法に適用する.これによって,発達記録を作成する際の項目間のスコア付与基準のバラツキを排除する.次に,発達記録データを主成分分析し,その第1主成分を保育者にフィードバックする.プロトタイプシステムを用いて評価データを取得し,その第1主成分を保育者に提示するとともに,グラウンデッド・セオリ・アプローチで分析した.その結果,第1主成分には保育者の視点が反映されることを確認できた.
著者
齋藤 崇雅 粟田 大樹 増原 孝昭 芳賀 博英
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.397-398, 2016-03-10

プログラムスライシングはプログラムの依存関係を解析する技術であり,ソフトウェアテスト,デバッグ,プログラム理解,コード最適化など,広範囲に応用されている技術である.また,LLVMは任意のプログラム言語に対応可能なコンパイル基盤であり,LLVM IRは特定のプログラミング言語とCPUアーキテクチャに依存しない中間表現である.本研究では,より多くのプログラミング言語に対応したプログラムスライスを求めるツールを実現するため,LLVM IRを対象としたプログラムスライシングツールを実装した.
著者
今城 和宏 上坂 和也 柴田 征宏 芳賀 博英 金田 重郎
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.4, pp.1-8, 2009-05-08
被引用文献数
1 3

幼児は集団生活を通して社会性を身につけるため,保育者や友達との交友関係が成長に大きく影響を及ぼしていると考えられる.そのため,保育者がそれぞれの幼児に応じた保育を行うには,幼児一人ひとりの交友関係を把握しておかなければならない.しかし,1クラスに何十人もいる幼児一人ひとりの交友関係を日々観察するには,知識・技術だけでなく,豊富な経験が必要であり,経験の浅い保育者には困難である.そこで,著者らは保育者への支援として,幼児に活動量を記録する歩数計を装着し,そこから得られる活動量のクラスタリング結果から,幼児の交友関係を分析する手法を提案してきた.しかし,従来手法では,加速度情報のみであったため,位置情報を無視して分析していた.そのため,子ども同士が離れた場所で遊んでいても,同じ遊びをしていた場合に交友があると誤認識していた.そこで本稿では,RFID及び加速度センサを用いて,子どもの位置及び活動量を測定し,それらを基に子どもの交友関係を分析した.そして,幼稚園で実験をした結果,従来手法と比較して,精度向上が得られ有効性を検証できた.Children learn to fit into society through living in a group, and their sociability is greatly influenced by their friendship relations. Although preschool teachers need to observe them to assist in the growth of children's social progress and support the development of each child's personality, only experienced teachers can watch over children while providing high quality guidance. Therefore, the authors have been proposing the method that analyzes the children's friendship relation from accelerometer sensors. But, previous method has no location information because we use only accelerometer sensors. So if two groups do the same play in different locations, members of these groups have a friendship relation. In this paper, we get area information by active-RFID. So we propose an extraction method of children's friendship relation by acceleration data and located information. The result of experimentation by a kindergarten, we could inspect the validity of our method.
著者
新谷 公朗 清水 宏章 金田 重郎 芳賀 博英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.53, pp.17-24, 2005-05-27
被引用文献数
1

幼稚園・保育所の幼児教育では、保育者(幼稚園教諭、保育士)と保護者が子どもの発達段階について十分にコミュニケーションする必要がある。この際に有力な手段になるのが動画である。しかし、市販されているWebカメラによる動画配信は、不適切な画像を配信する恐れ等があり、必ずしも、保育者の評価は高くない。本稿では、保育者が複数のカメラを用いて、必要とおもったシーンのみを複数のアングルから撮影し、保育者によって編集された動画をBBS形式で保護者と共有するシステムを提案する。BBSシステムは、時間的に推移する動画像の関連したところにコメントを書くことができる点が従来のBBSとは異なっている。プロトタイプによるヒアリングを行なった結果、保護者、保育者双方から積極的評価を得た。しかし、カメラの画角の問題、複数のカメラからの画像選択の移動について課題も明らかになった。今後は、標準・広角のカメラの混在、RFIDによる子どもの位置・方向検出手法を併用を目指しながら、現場における実験を継続したい。This article proposes a framework for community support in infant education. The framework adopts the concept of "Discussion-Embedded Video(DEV),"which is video data within which some comments and discussion are virtually "embedded."By watching the video and embedded comments,participants, including parents of children,school teachers,medical staff,psycho-specialists and other specialists,can more effectively conduct discussions about children. Moving images of the children are recorded by multiple cameras,and by editing the multiple video streaming data,personalized motion pictures of one child are created. Participants can then watch this edited video and discuss it. This article describes the system`s basic concept,schematic illustration of implementation,and an example of its use.
著者
新谷 公朗 清水 宏章 金田 重郎 芳賀 博英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. IS,[情報システムと社会環境] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.92, pp.17-24, 2005-05-27
参考文献数
10
被引用文献数
1

幼稚園・保育所の幼児教育では, 保育者(幼稚園教諭, 保育士)と保護者が子どもの発達段階について十分にコミュニケーションする必要がある.この際に有力な手段になるのが動画である.しかし, 市販されているWebカメラによる動画配信は, 不適切な画像を配信する恐れ等があり, 必ずしも, 保育者の評価は高くない.本稿では, 保育者が複数のカメラを用いて, 必要とおもったシーンのみを複数のアングルから撮影し, 保育者によって編集された動画をBBS形式で保護者と共有するシステムを提案する.BBSシステムは, 時間的に推移する動画像の関連したところにコメントを書くことができる点が従来のBBSとは異なっている.プロトタイプによるヒアリングを行なった結果, 保護者, 保育者双方から積極的評価を得た.しかし, カメラの画角の問題, 複数のカメラからの画像選択の稼動について課題も明らかになった.今後は, 標準・広角のカメラの混在, RFIDによる子どもの位置・方向検出手法を併用を目指しながら, 現場における実験を継続したい.
著者
谷川 紗恵子 野田 徹 金田 重郎 芳賀 博英
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.23, 2009

本論文では,人間が規則正しく食事をしているかを検出する手法を提案する. 顎の上下運動をドップラーセンサで検出し, Wavelet変換と自己相関関数を用いて咀嚼を検出する.具体的には,Wavelet変換により,身体や箸の動きなど,顎の上下運動以外から生じる信号を除去した後,センサから出る二波の出力の位相のずれによって,顎のセンサへの接近,離反の判別を行い,自己相関関数を用いて周期性を検出する.
著者
芳賀 博英
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.1501-1502, 1989-10-16

知識情報処理技術の発展にともない,AI技術をプログラム開発に利用したいという要求が次第に強くなってきた.現在我々は知的プログラミング環境の研究開発を進めている.本報告では,意味ネットワークを基礎としたプログラム情報管理方式に基づいて開発したプログラミングエキスパートシステムのプロトタイプシステムについて報告し,その利用例を示す.