著者
畠中 智史 菊池 康紀 平尾 雅彦
出版者
日本LCA学会
巻号頁・発行日
pp.195, 2009 (Released:2010-02-15)

環境影響低減のため企業や行政により、レジ袋の使用量削減に向けた活動が盛んに行われているが、レジ袋をごみ捨ての袋として再利用している場合もあり、レジ袋を減らすことが必ずしも最適な行動であるとは言えない。本研究ではレジ袋の使用方法など、消費者によって異なるライフスタイルを、シナリオの形で記述してパラメタを定義することでモデル化し、環境影響の評価とそれぞれのライフスタイルに応じた行動改善案の作成を行った。
著者
菊池 康紀 大澤 一岳 兼松 祐一郎
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.94-105, 2020 (Released:2020-04-25)
参考文献数
30

植物資源は化石資源の大幅削減を行うために不可欠な資源になりうるものとして期待できるものであり、 賦存量の多い木質系資源のバイオマス利用は国内外で重要となりうる。各種変換技術が研究・実証段階から実用化へ開発が進められている中、適切なライフサイクル思考による評価が不可欠である。本稿では、バイオマス利用に関して必要となるライフサイクル思考の要件を議論するために、計量書誌分析によりデータ駆動型の研究開発動向のレビューと、俯瞰報告書やロードマップといった既往の文献に基づくエキスパートジャッジ型のレビューを実施し、関連するキーワードを整理する。さらに、ライフサイクル思考に基づく木質系資源のバイオマス利用に関し、調査範囲の設定や、評価の観点、地理的なバウンダリと地域システム設計に関して考察する。
著者
菊池 康紀 平尾 雅彦 大久保 貴史 佐々木 章亘
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.91, 2010 (Released:2011-02-14)

ポリメタクリル酸メチル(PMMA)はガラスのように高い耐衝撃性と透明性を有しており、熱可塑形成、着色が容易であり、液晶の導光板や看板、建物や乗物の窓材などに利用されている。本研究では、工場内加工ロスや家電・自動車に含まれるPMMAを回収しリサイクルするシステムが導入されたときに、実際にPMMAに関わる物質の流れがどのように変化するか、解析する。特に、PMMAのグレードに合わせてリサイクルの実行可能性を考慮する。
著者
菊池 康紀 平尾 雅彦 成田 賢治 杉山 英路 Oliveira Sueli Chapman Sonia Marzullo Rita M. Arakaki Mariana M. Novaes Leonora M.
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会研究発表会講演要旨集 第6回日本LCA学会研究発表会(会場:東北大学)
巻号頁・発行日
pp.103, 2010 (Released:2011-02-14)

Biomass-derived chemical has been regarded as an alternative material toward sustainability due to the substitution of renewable raw material for fossil resources. An industrialized plant producing biomass-derived polyethylene (bio-PE) from sugarcane ethanol has been constructed in Brazil. In this study, we aim at revealing the environmental performance of the polyethylene production from bio-ethanol using life cycle assessment. In the boundary of bio-PE, it is produced in Brazil, shipped to Japan, and used by consumers as containers and packaging, and then applied Japanese existing recycling system. The results demonstrate that bio-PE has less greenhouse gas (GHG) emission in its life cycle than that in the life cycle of fossil-derived PE.
著者
大内田 弘太朗 服部 太一朗 寺島 義文 大久保 達也 菊池 康紀
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.113-122, 2018-03-20 (Released:2018-03-20)
参考文献数
44
被引用文献数
2 7

九州南端以南の南西諸島地域は,互いに電力系統が寸断されたマイクログリッドを形成しているが,その立地条件から,火力発電を行うコストや資源セキュリティの面で不利な立場に置かれている.一方,これらの島の多くに存在する製糖工場は,余剰に電力や熱を供給できる動力プラントを有しており,電力系統と連系させることで発電コストの低減やセキュリティの向上を達成できる可能性があるものの,製糖期間の短さや余剰バガスの絶対量の不足などが原因で,現状は売電を行っていない.サトウキビの品種を繊維分と反収の高い高バイオマス量品種に変更することで,製糖期間を伸ばしつつ,余剰バガスも増やせる可能があるが,これまで製糖のみを目的として設計されてきた動力プラントの再設計が必要となる.本研究では,品種と動力プラントの変更を通して,離島の電力系統と連系したバガス発電の導入効果を分析した.まず,品種や動力プラントのオプションに応じて,製糖工場のマス・エネルギーバランスを推算可能なシミュレータを開発した.現行のまま余剰電力を売電するCase A,高バイオマス量品種への品種変更と背圧式から抽気復水式への蒸気タービンの変更を同時に行い,製糖期の余剰電力を売電するCase B1,および同条件で製糖期に余剰バガスを蓄え,非製糖期にも売電するCase B2の3ケースを設定し,開発したシミュレータを用いて,原料糖,糖蜜,バガス発生量,工場のエネルギーバランス,売電ポテンシャル,および最大火力発電代替可能割合を比較した.対象とした全ての島において,Case B1, B2の場合,現状よりも原料糖生産量,売電期間,売電ポテンシャルを同時に拡大でき,南大東島では島内火力発電を最大で9.48%代替できる可能性が示された.余剰熱の有効利用や,バガスと島内の他のバイオマスの混焼,製糖工場の省エネルギー化などにより,バガス発電の導入効果は更に高まり得る.
著者
森口 祐一 工藤 祐揮 松八重 一代 福島 康裕 醍醐 市朗 中島 謙一 栗島 英明 菊池 康紀 中谷 隼 田原 聖隆 井原 智彦 兼松 祐一郎
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究課題では,国内産業および輸入原料を含む国産製品のサプライチェーンを対象として,それが産み出す社会価値と,地域レベルおよび地球レベルで発生する環境・資源ストレスの統合的ホットスポット分析の枠組みを確立することを目的とした。輸入資源の国際サプライチェーン分析,地域における再生可能エネルギー供給システム,産業廃棄物の地域間分析,サプライチェーンの地震リスクといった数多くの事例分析を実施し,それぞれ潜在的なストレス・リスク要因のホットスポットを特定した。さらに,分析方法のアルゴリズムおよび原単位のデータベースをソフトウェアに実装することで,ホットスポット分析の枠組みの汎用化を目指した。