著者
赤石 哲也 菊池 昭夫 長谷川 隆文 竪山 真規 青木 正志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.6, pp.1464-1466, 2013-06-10 (Released:2014-06-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1 2

首下がり症候群は,頸部筋群の機能異常から頸が常に垂れ下がった状態を示す病態である.症例は87歳,男性,糖尿病に対してDPP-4阻害薬のvildagliptin導入後1カ月程で歩容の不安定化から杖歩行となり,約半年で頸が常時前屈位となった.血清CK値の軽度上昇に加え,頸部MRIで頸半棘筋および頸板状筋に一致してT2高信号域を認め,薬剤性の筋障害に伴う首下がり症候群を疑った.同薬を中止して3週間程で症状は改善し,杖なしで歩行可能となった.
著者
菊池 昭江
出版者
国際医療福祉大学学会
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 = Journal of the International University of Health and Welfare (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.22-35, 2013-10-31

【目的】CNSにおける自律性測定尺度を作成し,その構造的特徴を明らかにする.【方法】CNS認定者545名を対象に質問紙調査を実施した.【結果】回答者212名(38.9%),有効回答205名(96.7%).因子分析の結果,CNSの自律性は"倫理調整・ケア相談能力","他職種間調整・管理運営相談能力","看護研究の実践・活用能力"のCNS役割行動3因子,"ケアプランニング能力","クリティカルケア・総合判断能力","基礎的実践能力","自立的判断・実行能力"のCNS看護職自律性4因子構造を示した.CNS自律性測定尺度のCronbach's αは0.81〜0.94,各因子総得点と項目得点との相関係数は0.63〜0.83(p<0.001)と高い値が得られた.CNS自律性と自信や意欲,職場の人間関係との間でも関連性を認めた.なお,本研究では対象者数が少なく専門領域の経験年数も僅かに過ぎないことから,今後は認定者数の推移をみてCNSの自律性形成プロセスを検討していくことが課題である.【結論】CNSの自律性は,CNS役割行動3因子及びCNS看護職自律性4因子で構成され,尺度項目に関する一定の妥当性と信頼性が確認された.
著者
岩崎 鋼 菊池 昭夫
出版者
独立行政法人国立病院機構西多賀病院
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

抑肝散のハンチントン病(HD)における不随意運動などに対する効果を検証するため、two-way crssover studyを行った。Total UHDRS(p=0.067)及びMaximalChorea(p=0.055)及びMaximal Dystonia(p=0.073)について投与により有意な変化を示す傾向が認められた。本研究に於いて抑肝散はHD患者におけるUHDRS、とりわけChorea並びにDystoniaを改善する可能性が示唆された。
著者
田野 大人 金子 仁彦 菊池 昭夫 長谷川 隆文 武田 篤 青木 正志
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.308-311, 2013-04-01 (Released:2013-04-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2 1

症例は74歳男性である.61歳時に動作緩慢で発症,認知機能障害,垂直性核上性眼球運動障害,仮性球麻痺,パーキンソニズムをみとめ,精査の結果進行性核上性麻痺と診断した.ドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与による開顎ジストニアをみとめたが,ドパミン作動薬の漸減・中止により開顎ジストニアは軽快した.進行性核上性麻痺症例の中にはドパミン作動薬が有効な例もあるが,本例のようにドパミン作動薬の急激な増量ならびに過剰投与が各種ジストニアの原因となることがあり注意が必要である.
著者
田中 海一 幾野 敬太 葛西 洋平 福永 和哉 欅田 英之 江馬 一弘 菊池 昭彦 岸野 克巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.29-33, 2007-06-22

通信波長帯でのサブバンド間遷移(Intersubband transition:ISBT)は、LOフォノン放出により超高速で緩和するため、光スイッチング素子としての応用が;期待できる。GaN系ISBTは他のISBT試料と比べて特に高速で緩和することができるが、問題点として、サファイア基板との格子不整合によつて生じた貫通転位によるスイッチング効率の低下があげられる。高密度柱状結晶のGaNナノコラムでは、貫通転位を含まない優れた結晶性を有するため、試料の高品質化が望める。そこで我々はGaNナノコラムに多重量子ディスク(MQD)を挿入した試料において、通信波長帯でのISBTによる吸収を確認した。さらに、ポンプ・プローブ法を用いて、ISBT吸収飽和信号の超高速な緩和過程を観測し、性能指数を見積もった。