著者
毛利 真弓 藤岡 淳子
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.29-46, 2018-08-27 (Released:2018-09-19)
参考文献数
50

アメリカ合衆国における,薬物乱用者のための刑務所内TCは,刑務所再入率を下げることがいくつかの研究で示されている。本研究は,対象者を薬物乱用者に限らずに実施した日本のA刑務所内TCが,再入率低下効果を示しているかどうかを検証する。対象者は,2009年2月から2015年3月までにA刑務所を出所した2,665名である。TC受講群148名とTC非受講群2,517名とに分け,統計的補正である傾向スコアによるマッチングを行って交絡因子の調整を行った上で,再入所の有無への効果を検討した。結果として,TC受講群の方が非受講群に比べて再入所率は有意に低く(p=0.020),再入所に至るまでの期間も長かった(p=0.009)。多様な受刑者の再入所を低下させる治療共同体アプローチの意義が示された。
著者
小野田 正利 小林 正幸 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 山下 晃一 近藤 博之 平沢 安政 藤岡 淳子 志水 宏吉 井村 修 木村 涼子 中村 高康 野田 正人 岩永 定 山下 晃一 田中 規久雄 古川 治
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

学校の教職員と保護者の間に、いま時として鋭い対立関係が生じてしまい、教育活動に大きな影響が出ていることが、わが国の学校問題の一つに急浮上してきた。本研究では、質的調査と量的調査を組み合わせ、同時に教育学の観点からだけでなく、心理学、精神医学、福祉学、法律学などの多様な分野の専門研究者を交えて、これらの問題の原因究明とともに、良好な関係性の構築の方向性を明らかにした。