著者
鈴木 篤
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1-13, 2021 (Released:2021-10-19)
参考文献数
16

近年、非対面型授業の可能性に注目が集まっているが、どの程度まで従来の対面型学校教育に代替可能なのかについて研究の蓄積は十分でない。実際には、非対面型授業は従来の学級が有していた機能を何らかの形で確保しない限り、対面型学校教育には代替しえないだろう。生徒の社会化には学級制度が大きな役割を果たしており、たとえ短期的には非対面型授業が「うまくいっている」ように見えても、実際には参加者自身の過去の(対面型の)学級を通した被教育経験によって支えられている可能性も存在するためである。
著者
鈴木 篤
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.258-270, 2022 (Released:2022-09-10)
参考文献数
31

教育学では理論と実践という対立図式が長年用いられてきた。だが、ルーマンの議論を踏まえるならば、科学システムと教育システムとは異なる機能システムに属し、さらにそれぞれが独自の歴史を積み重ねてきていることから、前者が生み出した理論を後者が応用するという単純な関係を想定することは困難だとわかる。科学システムはあらゆる活動を、真/非真の二値コードに照らして判断するのに対し、教育システムはすべてを、より良い/より劣るというコードに基づいて判断するためである。
著者
鈴木 篤
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1-13, 2021

<p> 近年、非対面型授業の可能性に注目が集まっているが、どの程度まで従来の対面型学校教育に代替可能なのかについて研究の蓄積は十分でない。実際には、非対面型授業は従来の学級が有していた機能を何らかの形で確保しない限り、対面型学校教育には代替しえないだろう。生徒の社会化には学級制度が大きな役割を果たしており、たとえ短期的には非対面型授業が「うまくいっている」ように見えても、実際には参加者自身の過去の(対面型の)学級を通した被教育経験によって支えられている可能性も存在するためである。</p>
著者
鈴木 篤 飯田 展久
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1878, pp.76-79, 2017-02-13

阪急阪神百貨店を中軸にして、主に関西で事業展開する、エイチ・ツー・オーリテイリング。昨秋以降、そごう・西武からの3店舗取得や関西スーパーへの出資を相次ぎ発表した。脱・百貨店依存を掲げ、業界再編の台風の目になりつつある。
著者
鈴木 篤郎 小林 潔子 梅垣 油里
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.28-34, 1993

刺激頻度40Hzの聴性定常反応 (auditory steady-state response, 以下, SSR) における睡眠の影響を知ろうとして, 聴力正常成人9名を被検者とし, 500Hz, 55dBnHLの短音を用い, 刺激間隔125msでABR-MLRを, 間隔25msでSSR (以下実測SSR) を記録した。 さらにABR-MLR波形から25ms間隔の重ね合わせによって合成SSRを作成し, 主としてその振幅について検討した。 睡眠時/覚醒時の平均振幅の比はABR (V波) 0.648, Pa0.578, Pb0.338, 合成SSR0.604, 実測SSR0.398で, 睡眠時SSRの振幅は覚醒時の平均約40%に縮小した。 実測SSR/合成SSRの平均振幅の比は, 覚醒時0.845, 睡眠時0.557で, この振幅比については覚醒時と睡眠時の間に有意差が認められた。 この結果から, SSRがABR-MLRの直線的重ね合わせ反応であるとの解釈は, 覚醒時においては可能であるが, 睡眠時においては考え難いと結論した。
著者
鈴木 篤
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.86, no.2, pp.262-274, 2019

<p> 社会システムの存続のためにはコミュニケーションの継続が不可欠であり、その際に重要となるのが関係調整メカニズムとしての道徳である。「尊重/軽視」という道徳のコードは排除をもたらす可能性も持つが、排除された者同士の間での再包摂を生み出すものでもある。また、異なるプログラムを有する集団も、相手集団の行為の傾向性に関する知識を蓄積させることで、お互いの予期、すなわち双方向的な理解(「尊重」)を生み出すことも可能になる。</p>
著者
金井 浩 城戸 健一 鈴木 篤 金井 淳
出版者
一般社団法人 日本統計学会
雑誌
日本統計学会誌 (ISSN:03895602)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.255-276, 1990 (Released:2009-01-22)
参考文献数
40

経済指標の時系列信号は,公定歩合の引下げ,戦争の勃発など経済的衝撃による影響を大きく受ける.従って,経済的インパクトに対応するマルチパルス系列が,経済市場という伝達系を駆動し,その応答を観測しているというモデルが構築できる.この時系列モデルに基づく分析を行なう場合,一つの時間窓内に複数の衝撃パルスが存在する場合がある.しかし,従来のBox-Jenkinsモデル等の時系列分析法では,伝達系を駆動する信号は定常白色雑音か単一インパルスに限られるため,マルチパルスによって駆動された伝達系の応答から,各パルスの振幅及び伝達系の特性を決定することができない.本論文では,マルチパルスで駆動された伝達系の応答に,更に雑音が付加された観測信号から,全極型伝達系の特性と駆動パルス系列の振幅を決定する方法を提案する.最後に東京市場の円/ドル為替レートに対して,本分析法を適用した結果を述べる.
著者
渡邉 研人 阿部 祥子 後藤 隼人 石丸 裕美 加藤 彩夏 鈴木 篤 薄井 宙男 惠木 康壮 高澤 賢次
出版者
一般社団法人日本医療機器学会
雑誌
医療機器学 (ISSN:18824978)
巻号頁・発行日
vol.88, no.6, pp.589-596, 2018 (Released:2019-01-25)
参考文献数
8

Background: Remote monitoring of Cardiac implantable electronic devices (CIEDs) improves patient safety. However, operating such remote monitoring systems (RMS) has increased workload of medical staffs. Biotronik EHR DataSync® software supports medical staffs by integrating CIEDs information and data using international standards. The software has a potential to enhance clinical usefulness, reduce errors and lighten the workload. The aim of this study was to develop the automatic electronic medical record (EMR) system for CIEDs and to assess its effectiveness.Methods: We self-built the EMR system that automatically stores varied numericals and data from the RMS and its programmer. We examined accuracy of the automatic EMR system and reduction of the workload.Results: A total of 3,011 data was successfully collected and integrated, and the success rates of data collection were 99.8%. Moreover, the automatic EMR reduced 3 hours and 55 minutes per year of the workload for dealing CIEDs.Conclusion: The self-built automatic EMR system could integrate CIEDs data successfully. This could help to reduce the workload of medical staffs..
著者
鈴木 篤
出版者
大分大学教育学部
雑誌
大分大学教育学部研究紀要 = The research bulletin of the Faculty of Education, Oita University (ISSN:24240680)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.233-243, 2018-02

本稿ではJ.ハーバーマスのコミュニケーション的行為の構想に基づく道徳授業方法に備わる限界と可能性の検討を行った。彼の理論に基づくならば,討議(Diskurs)において目指される合意が可能となるためには,前提としていくつかの条件が満たされている必要がある。しかし,これらの条件が満たされるというのはあくまでも先取りとしての想定においてに過ぎない。N.ルーマンはハーバーマスの構想を批判し,討議においては参加者間の力が対等たりえないこと,それゆえ彼らがコミュニケーション的合理性にはたどり着き得ないことを主張する。ルーマンに基づくならば(ハーバーマスの主張とは異なり),討議においては論理的優越性を備えた討議参加者こそが勝利を収めるのである。ルーマンの批判により,我々はコミュニケーション的行為の構想に基づく道徳授業方法の修正の道を見出すことが可能となるが,この修正によってこそ同授業方法はその可能性を再獲得することが可能となるのである。
著者
伊藤 孝紀 豊福 拓歩 鈴木 篤也 吉田 夏稀 西田 智裕
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.86, no.790, pp.2632-2642, 2021-12-01 (Released:2021-12-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

In recent years, further improvement in intellectual productivity has been demanded due to the progress of the knowledge society. Along with this, the way of working places has been reviewed, such as increasing the degree of freedom of working hours and places, improving productivity, and improving the working environment to facilitate communication. Meanwhile, it is said that activation of communication is indispensable for knowledge creation in the field of cognitive science, and it is important to focus on gestures and utterances in order to understand the characteristics of knowledge creation. In addition, the idea of “Activity Based Working (ABW)” has emerged as a work style that allows workers to choose the environment according to the diversified work content, increasing the opportunity to take various postures in various spaces. Base on above, the objective of this study is to clarify effects of postures focus on gestures and utterances. This study is comprised of Task selection experiment, Speaking tendency grasping experiment, utterances and gestures, text mining of utterance content. The results are as follows. Table 5 show results of Task selection experiment. Theme A. B. C. G was selected in this survey. Fig. 5 and Table 13 show results of Speaking tendency grasping experiment. Points of motivation was highest in standing. Points of ideas was highest in low sitting. Table 15 and Fig. 6 show results of utterances and gestures. This survey clarified that posture has little effect on speaking time and number of utterances, number of turn-taking, gesture time, and gesture occurrence frequency. Table 17 and Fig. 8 show results of text mining of utterance content. Number of networks was least in standing and most in low sitting.
著者
鈴木 篤 山分 規義 大坂 友希 島田 博史 浅野 充寿 村井 典史 鈴木 秀俊 清水 雅人 藤井 洋之 西崎 光弘 鈴木 誠 櫻田 春水 平岡 昌和
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.4, pp.S4_176-S4_183, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
12

症例は34歳, 男性. 生来健康であり, 突然死の家族歴なし. 4~5年前より心電図異常を指摘され, 2008年2月, 健診にて心室性期外収縮(PVC)およびST-T異常を指摘された. 同年3月下旬職員旅行の2日目, 朝食中にCPA(心室細動: VF)が発症し, AEDにより除細動され, 後遺症は認められなかった. 近医入院中の心電図にてcoved型ST上昇(type 1)を指摘され, Brugada症候群と診断されICD植え込み術を施行された. 2008年5月, 当科紹介受診. OGTT負荷により, IRI, および血糖値の上昇に伴い, coved型ST上昇が顕性化した. 12誘導Holter心電図記録では, 各食後においてV2誘導にてcoved型ST上昇が認められ, その程度は, 朝食後に特に強く認められた. 一方, PVCは1日中記録され, QRS波形は左脚ブロック型を呈していた. そこで後日, 朝, および昼禁食で同様に12誘導Holter心電図記録を行ったところ, 日中のPVCは著明に減少し, 朝食後, および昼食後に一致する時間帯の記録ではcoved型ST上昇は消失していた. PVCがVFのトリガーとなっている可能性を考え, カテーテルアブレーション治療を施行しPVCは軽減した.本例においてはST上昇, および心室性不整脈発生の増悪に食事が強く関与していた. 以上, Brugada症候群における致死的不整脈の自然発生機序を考慮するうえで, 夜間就寝中の発症ばかりでなく, 食事の影響も注目すべきと考えられた.
著者
漁淵 弘樹 軽部 紘典 鈴木 篤人 小森谷 哲哉 森田 登 上野 貴博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.57-60, 2009-02-27

電気摺動接触機構は,静止物体から移動物体(回転物体)への電流通電を行なう機構である.そこには機械的に接触する真実接触面が存在し,例えば,モーターの整流子とブラシ間に存在している.しかし,現在においても接触点の解明はされていないのが現状である.そこで本研究では,接触面の発熱および応力による変形に着目し静止状態における実験と解析を行なうことで接触現象解明のアプローチを目的とした.