著者
飯澤 恒 坂部 俊樹 酒井 正彦 草刈 圭一朗 西田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.129, pp.25-30, 2005-06-17
被引用文献数
3

プログラミング言語Malbolgeは, 意図的に言語仕様を難解に設計し, その言語上でのプログラムの作成や解読を困難にすることを目的とした, 難読(難解)プログラミング言語である.本研究では, ソフトウェア保護技術であるプログラムの難読化に応用することを目的として, Malbolge上で高度な機能を実現するためのプログラミングの指針を示す.
著者
西田 直樹
出版者
作新学院大学
雑誌
作新学院大学人間文化学部紀要 (ISSN:13480626)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.67-81, 2004-03-30

『往生要集』は985年の成立から現代に至るまで多くの日本人に読まれ、彼らの他界観に影響を与えた。しかし、同じ詞章の『往生要集』であっても、読み手が抱くイメージは時代によって大きく異なっている。特に「修羅道」のイメージは時代による変移が激しい。本研究では、19世紀中期に活躍した八田華堂金彦という絵師に注目した。彼は『和字絵入 往生要集』(天保14年本)と『平かな絵入 往生要集』(嘉永再刻本)の挿絵を描いているが、二本の「修羅道」挿絵を比較すると、それらを一見しただけではとても同じ絵師の手による挿絵とは思えないほど異なっている。なぜ同一の絵師が、わずか5年から10年の間に、これほど異なる修羅道の挿絵を描いたのか。また、八田華堂金彦が『往生要集』の詞章からイメージした「修羅道」とは如何なるものであったのか。『往生要集』の解釈史研究という視点から考察した。
著者
長坂 哲 酒井 正彦 坂部 俊樹 草刈 圭一朗 西田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.227, pp.55-60, 2010-10-07
被引用文献数
2

Malbolgeは最も難解なプログラミング言語として知られている.本研究では,飯澤らが提案したプログラミング手法に基づいて,Malbolgeが弱チューリング完全性を持つこと示す.そのために,チューリング完全性を持つ正規形のNプログラムをMalbolgeコードに変換できることを示す.ここで,本稿で示す性質が弱チューリング完全性であるのは,Malbolgeが固定されたメモリ空間およびレジスタ長の仮想機械により意味が定められているためである.
著者
坂梨 元軌 河邉 翔平 酒井 正彦 西田 直樹 橋本 健二
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2017-SE-196, no.24, pp.1-6, 2017-07-12

難読プログラミング言語 Malbolge は,その解析困難性により知的財産権の保護などに役立つと考えられているが,命令が特殊であるためプログラムの作成は非常に困難である.そのため,Malbolge プログラムを生成するための中間言語として制御付き疑似命令列が提案されているが,C などの通常の言語と比較すると依然としてプログラミングが困難である.本稿では,整数型と真偽型を扱え,while 文などの基本的な制御構造と再帰関数を定義できる C 言語のサブセットのプログラムから Malbolge コードへのコンパイラの実現法を述べる.コンパイラの実現のために,まず,既存の制御付き疑似命令列に配列構文と関数構文を追加し,それにあわせて既存の制御付き疑似命令列から Malbolge への変換系を拡張する.さらに C 言語のサプセットから制御付き疑似命令列へ変換する方法を提案する.
著者
西田 直樹
出版者
作新学院大学
雑誌
作新学院大学人間文化学部紀要 (ISSN:13480626)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.63-84, 2005-03-23

天保14年(1843年)に刊行された『和字絵入 往生要集』は、所謂「後期仮名書き絵入り往生要集」に属する本である。本研究において取り上げる第12図「大焦熱地獄」は元版本(寛文11年本〔1671〕)の挿絵とは大きく異なる場面を描いている。この第12図の分析を通して、江戸時代後期(天保年間)に生きた絵師八田華堂金彦の『往生要集』「大焦熱地獄」の解釈を歴史的視点から探った。
著者
植田 隼平 野村 泰伸 清野 健 藤田 壌 西田 直樹 藤尾 宜範 林 洋行 田口 晶彦 川瀬 善一郎 真田 知世 金井 博幸
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.S126, 2018

<p>近年,国内の企業において従業員の健康を経営資源ととらえ,社員の健康維持や改善のための取組や投資を積極的に行う「健康経営」の重要性が認識されるようになった.少子高齢化の日本では,人手不足,後継者不足,年金制度維持のための定年引上げなどの影響により,労働人口の高齢化が急速に進むことが予想されるため,企業の維持・成長のための経営戦略として健康経営を実践する必要がある.我々は,労働者,特に生産現場労働者の健康管理への応用を目指し,ウェアラブル生体センサを用いた体調評価指標を開発した.我々のアプローチでは,ウェアラブル生体センサとして衣料型デバイスを用い,労働中の加速度と心拍数を同時に計測する.これまで,心拍変動を用いた自律神経機能の評価や,心拍数あるいは加速度センサを用いた運動強度の評価については多くの研究成果があるが,日常発生する体調不良を客観的に評価する方法については十分に確立していない.我々は,建設・運送会社約12社に協力いただき,2017年5月から9月の期間にて延べ約7000人の労働者の就業中の心拍数と加速度をモニタリングするとともに,就業前後の主観的体調に関するアンケートを実施した.これらのデータ分析に基づき,加速度と心拍数情報を組み合わせた新たな指標を構成し,この指標が労働者の主観的体調と相関することが見いだされた.講演では,生産現場における生体指標の有用性について議論する.</p>
著者
長坂 哲 酒井 正彦 坂部 俊樹 草刈 圭一朗 西田 直樹 NAGASAKA Satoshi SAKAI Masahiko SAKABE Toshiki KUSAKARI Keiichirou NISHIDA Naoki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.227, pp.55-60, 2010-10

Malbolgeは最も難解なプログラミング言語として知られている.本研究では,飯澤らが提案したプログラミング手法に基づいて,Malbolgeが弱チューリング完全性を持つこと示す.そのために,チューリング完全性を持つ正規形のNプログラムをMalbolgeコードに変換できることを示す.ここで,本稿で示す性質が弱チューリング完全性であるのは,Malbolgeが固定されたメモリ空間およびレジスタ長の仮想機械により意味が定められているためである. Malbolge is known as one of the most esoteric programming languages. In this paper, we prove that Malbolge is weakly Turing complete. The proof is based on the Malbolge programming method proposed by Iizawa, et al. We give a transformation from the normal form N-programs known to be Turing complete into Malbolge programs. Completeness that this paper shows is weak one due to the fact that the semantics of Malbolge is hard coded into a virtual machine of which memory space and register length are fixed.
著者
安藤 聡 酒井 正彦 坂部 俊樹 草刈 圭一朗 西田 直樹 ANDO Satoshi SAKAI Masahiko SAKABE Toshiki KUSAKARI Keiichirou NISHIDA Naoki
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.23, pp.43-48, 2012-05

Malbolgeは最も難解なプログラミング言語として知られている.高級アセンブリ言語の開発によりMalbolgeプログラムの作成が可能になっているものの,プログラム中で使用できる変数の値の最大値が固定されておりゲーデルコーディングが不可能であるため,配列機能がないのは記述力不足であった.本論文ではこの問題を解決するため,高級アセンブラに用いられている実現手法を整理し,これに配列機能のための命令である領域確保命令と間接参照命令を追加する方法を提案する. Malbolge is known to be one of the most esoteric programming languages. Although it is possible to write programs in Malbolge by the development of a high-level assembly language, lack of facility to manage individual data in a group of data like an array in language causes problem because Godel-coding is impossible in a program due to bounded values in variables. In this paper, in order to solve this problem, we show implementation issues used in the assembler in well-organized manner and propose a method for implementing a memory allocation instruction and an indirect reference instruction for array facility into the assembler.
著者
西田 直樹
出版者
作新学院大学 作新学院大学女子短期大学部
雑誌
作大論集 = Sakushin Gakuin University Bulletin (ISSN:21857415)
巻号頁・発行日
no.6, pp.81-93, 2016-03-15

2015年10月、作新学院大学において実施している「とちぎ学」の授業において、現宇都宮市(旧芳賀郡清原村)出身で太平洋戦争時に沖縄県警察部長を務め、沖縄県民の避難・保護に尽力した荒井退造(1900~1945)を「特別授業」の形で取り上げた。作新学院大学(高等教育機関)において行っている「とちぎ学」の取り組みと荒井退造についての人物学習及びその位置づけについて論じた。
著者
馬野 洋平 酒井 正彦 西田 直樹 坂部 俊樹 草刈 圭一郎 UMANO Yohei SAKAI Masahiko NISHIDA Naoki SAKABE Toshiki KUSAKARI Keiichirou
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.392, pp.73-78, 2007-12 (Released:2015-01-20)

近年,論理式の充足可能性判定ツール(SATソルバ)の高速化が進み,これを利用した数独パズルの解法が提案されている.本稿では,この解法を応用して試作した,対話的に数独パズルの問題を作成するツールについて報告する.このツールでは,「セルに埋めても矛盾を生じない数字の表示」・「削除しても問題が一意性を保つセルの表示」・「問題を手筋のみで解ける範囲の図示」の三つの主要機能を実装している.前者二つの機能は,SATソルバを利用した解法を応用して問題め矛盾・解の一意性を高速に検出することにより実現している. In recent years, several efficient SAT solvers, which decide satisfiability of boolean formulae, have been developed and used in solving Sudoku puzzles. In this paper, we present the interactive tool for designing Sudoku puzzles that we constructed experimentally by using a SAT solver. This tool contains three main functions: 'displaying numbers that can be filled in a cell without a contradiction', 'displaying cells without contributing the uniqueness', 'displaying a partial solution obtained by fundamental techniques.' The implementation of the former two functions relies on efficient checks of a contradiction or uniqueness of the given problem by using a SAT solver.
著者
高田 謙二 石田 耕一 中村 里之 草鹿 泰 岩本 剛志 野村 慶一 鮫島 幸一 西田 直樹 宮武 茂博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.169-175, 1995-02-20
被引用文献数
23 5

CCD固体撮像素子にとって, ダイナミックレンジの拡大は残された大きな課題である.これを解決するために, 我々はMOSFETのサブスレッショルド特性を利用した対数変換回路を各画素に内蔵した, 対数変換CCDラインセンサを開発した.画素数2240×3画素, 受光部面積12μm口, 対数変換部のFETのL/W=12/10μmで, 5桁を越える光量変化に対してその対数に比例した出力が得られることを確認した.対数変換CCDラインセンサは, (1)ダイナミックレンジが広いので, 高輝度・低輝度被写体を同時に取れる, (2)濃度に比例した出力が得られるので, ディジタル化しても階調豊かな画像を得ることができ, また, シェーディング補正が加減算でできる, という特長を持つ.これらの特長により, 対数変換CCDはディジタルコピヤカメラ型スキャナフィルムスキャナ等への応用が期待される.