著者
増田 知子 角田 篤泰 中村 誠 佐野 智也 小川 泰弘
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は「昭和天皇実録」を用い、情報の抽出・加工を行うことで、天皇を頂点とする権威的秩序と明治期から戦後まで続いた寡頭政の変遷を分析することを目的とする。(a)宮内庁から入手したデータからテキストデータを作成し、拝謁者等の氏名・肩書の抽出を行った。結果、44322種類の肩書と人名のセットを抽出できた。出現回数の多い肩書を見ると、親王、内大臣、宮内大臣が上位に来ることがわかった。また、1941-44年について、人物ごとに月ごとの拝謁回数をグラフ化したところ、歴史的事件との相関関係が見いだせる可能性が高いとわかった。(b)(a)に関連し、『法律新聞』のデータ整備を行い検索データベースを完成させた。
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 松原 茂樹 角田 篤泰 BENNETT F・GEROGE Jr. 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

本研究は,計算機による法制執務支援システムの開発を目的とし,特に,膨大な数の法令文書の構造化により,法令改正に伴う法令統合作業の自動化,高度化,迅速化が可能であることを明らかにする.本年度は,法令自動統合システムの実現と検証に関して,次の研究を行った.1.法令文書用DTDの拡充前年度に引き続き,わが国の法令文書の構造化のための文書型定義(DTD)を拡充した.特に,表,改正規定など,法令文書中に出現する複雑な構造を定式化する手法を明らかにした.2.法令文書自動タグ付けツールの拡充前年度までに開発した法令文書自動タグ付けツールを拡充したDTDに対応させるとともに,スクリプト化により使い勝手を向上させた.3.法令自動統合システムの実現と検証法令自動統合システムのプロトタイプを開発した.また,同システムの動作検証のために,法律17本(改め節965,改正箇所4,355)の新規制定時バージョンから一部改正法令に従って自動統合を繰り返し,現行バージョンと比較する実験を実施したところ,原データの誤植に伴うエラー,文字列の置換において,置換箇所の前後の文脈に注意して実行しなければならない場合を除き,良好な結果を得た.4.構造化法令データの蓄積主要法令101本の日本語原文および英訳,および,昭和22〜23年に新規制定された法律約300本について,構造化法令データを作成,蓄積した.なお,前者の構造化には,上述のタグ付けツールを用いた.
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 角田 篤泰 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究の目的は,法令文作成支援と法令英訳支援のために,法令のターミノロジーおよび翻訳メモリの構築と利用のための手法と環境を確立することである.研究の結果,戦後のすべての日本語法律からなるコーパス(法律10,067本),戦後占領期における文対応付き日英対訳法律コーパス(法律1,624本,日英対訳156,562文)),法令翻訳メモリ(法令259本,日英対訳147,119文)を構築した.また,チャンキングや文書出現頻度を用いて法令用語を抽出する手法,対訳文からの対訳語彙意味カテゴリ自動抽出手法,法令用語とその語義文や法令用語間の関係を抽出する手法などを開発した.
著者
角田 篤泰 松浦 好治 外山 勝彦 小川 泰弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

e-Legislation(電子立法)の方法論の研究とこれに基づく支援システムの提供を行った。その結果として、条例・規則(=例規)のデータベース・システムを開発・提供し、全国の約半数の自治体で利用されるようになった。これによって自治体の立法作業に役立つことができた。このデータベースは我が国で初めての大規模な例規データベースであり、実際にその統計情報なども発表して、例規を定量分析できる学問的基盤を与えることにもなった。このシステムにはスーパーコンピュータを利用した例規分類機能や立法作業の支援機能も装備されている。さらに、この研究過程で法政策の形式的記述方法や定義条項の執筆方法論も提案した。
著者
外山 勝彦 小川 泰弘 大野 誠寛 中村 誠 角田 篤泰 松浦 好治
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,日本法の動きに関する情報を即時に,分かりやすく国際発信するための支援環境の構築である.特に,統計的機械翻訳の利用とターミノロジーの構築により,法令の要約である「法令のあらまし」の翻訳・理解・発信を支援する手法とその有効性を示す.本研究の結果,「法令のあらまし」に対する日英統計的機械翻訳手法と文書構造化手法,複単語表現対訳辞書の構築手法とそれを用いた統計的機械翻訳手法の開発,法令改正に伴う法令ターミノロジーの経時変化の抽出・可視化手法などを開発した.また,「英文官報」からの対訳法令用語2,750語の抽出や,現在有効な定義語6,890語からなる法令ターミノロジーの構築も行った.
著者
松浦 好治 鈴木 賢 宇田川 幸則 樋口 範雄 BENNETT F. G. Jr. 姜 東局 岡 克彦 外山 勝彦 小川 泰弘 角田 篤泰 増田 知子 中村 誠 佐野 智也 SHEE Huey-Ling HWANG Ren-Hung DING Xiang-shun LEE Heejeoung
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、日中韓台・漢字文化圏の法情報について、深い相互理解と比較法研究の推進を目的とし、次の成果を得た。法情報共有の環 境整備として、各国研究者と共同で、中韓台法令とその英訳の対訳約14万文、英文官報の画像と日英対訳約16万文を集積するとともに、4法域法令用語標準対訳辞書の項目候補約13,000語の検討を推進した。また、日本法令の機械翻訳や文書構造化の手法を開発した。一方、分かりやすい法情報の提供事例として韓国とEUを調査するとともに、特定分野の理解を促進する法情報パッケージLawPackの例を構築した。また、地方自治体例規約98万本を蓄積・横断検索するシステムeLenを開発した。