著者
栗 彩子 森 美紗希 宮内 莉華 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.29, 2017

【目的】カレーはインドで生まれ、明治時代に日本に入ってきたと言われている。今日では日本の国民食とまで言われるようになり、各地域の名産品やその土地で取れる食材を使ったいろいろなカレーが食べられている。さらに近年、健康志向の高まりにより、カレーの栄養価値が見直され、その第3次機能に強い関心が寄せられている。しかしながら、カレーの利用方法といえば「カレーライス」というように、そのバリエーションには限りがあり、カレーに含まれるスパイスの種類や栄養価値もあまり知られていないのが現状である。<br />そこで演者らは、カレーの基礎特性を明らかにし、健康効果・効能につて考え、さらに地場産の食材を用いた、簡単においしくできる新たなカレーレシピの考案を試みることとした。<br /><br />【方法】文献調査から、カレーの基礎特性を明らかにし、どのような健康効果・効能をもたらすのかを検討した。 <br />新規料理については、市販カレー粉、神奈川県産のキャベツ、しらす、大豆、雑穀を用いて新たなカレー料理を考案し、調理した。また、栄養計算を行った。<br /><br />【結果】<br />(1)カレーの基礎特性<br />文献調査より、カレーには30種類以上の様々なパイスが存在することがわかった。中でも代表的なものとして、コリアンダー、クミン、フェヌグリーク、ターメリック、オレガノ、ペッパー、フェネル、ジンジャー、オニオン、カルダモンなど10種類のスパイスがカレーに用いられている。また、これらのスパイスについてさらに調査した結果、漢方薬として使われていたものが多く、肝臓・胃腸の働きを良くする、せき止め、疲労回復、殺菌作用、下痢止め、風邪・肥満・二日酔い・冷え性・肩凝り予防など様々な健康効果があることがわかった。<br />(2)新規カレーレシピの紹介<br />神奈川県産の食材を用いてカレー春雨、 カレー鍋、カレー雑穀リゾット、大豆カレーの4つのレシピを考案し調理した。
著者
谷口(山田) 亜樹子 山口 真由
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.19, pp.51-59, 2012-03-31

This study focused on female students to examine the trend of brown-bag lunch and surveyed the students' awareness of the factors considered while preparing lunch. This survey was conducted in 2009, and the participants were 72 freshman-year female university students. The survey results confirmed that the students brought a brown-bag lunch more than 70% of the time. Their reasons for bringing their own lunch were that it was "economical and thus one saves money" (60%) and that it was "good for one's health as it had well-balanced nutrition" (13%). In contrast, those who did not bring any lunch said that they did not wish to "prepare it and wash the lunchbox" (45%) and "there's no build" (27%). Fifty-three percent of the students prepared their own lunch, whereas forty-seven percent of the students would ask a family member to prepare it for them. Many students also prepared lunch for their respective families. The factors considered by the participants while preparing lunch included nutrition (38%), sanitation (29%), and the financial aspect (25%). While several students considered both nutritional balance and economic savings as important factors, many others focused only on the hygiene factor. Participants mentioned that they would also prefer a lunch box "that could keep food warm," "that was air tight," "that could hold soup without it leaking," "that was easy to clean," and "that did not hold steam pressure."
著者
谷口(山田) 亜樹子 重田 公子 高野 克己
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.133, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】現在、塩麹が一般の消費者に大変興味を持たれ、流行している。塩麹とは、麹と食塩、水を混ぜて発酵、熟成させた日本の伝統的な調味料である。また、昔からの発酵食品である醤油や味噌の製造工程では、麹に食塩を添加した塩麹が利用されている。今まで耐塩性微生物の研究は広く行われてきたが、耐塩性酵素についての研究はあまり行われていない。本研究では、清酒麹、醤油麹の各麹のプロテアーゼに着目し、食塩に対する酵素の影響について検討した。【方法】 試料は清酒麹および醤油麹の2種の麹を用いた。酵素の抽出方法は麹に緩衝液(MclIvane緩衝液、Sorennsen緩衝液)を加え、ホモジナイズ後、撹拌、抽出し、遠心分離した上澄液を抽出液とした。プロテアーゼ活性の測定はKunitz法およびTNBS法を用いた。【結果】麹のプロテアーゼを測定したところ、清酒麹はpH6付近で活性が高く約2,300units/1g、醤油麹はpH3付近で活性が高く、約5,000units/1gであった。清酒麹プロテアーゼは1%食塩濃度下では活性が1/10に低下したのに対し、醤油麹プロテアーゼは1%食塩濃度下では活性が1/3、また5%食塩濃度下では1/6と活性の低下が清酒麹に比べ、ゆるやかであった。酵素抽出液を食塩添加下で一ヶ月保存し、プロテアーゼ活性を調べた結果、清酒麹は食塩無添加の条件では活性が1/5に低下し、1%食塩濃度下では1/6とさらに活性が低下していた。醤油麹も同様にプロテアーゼ活性を測定したところ、食塩無添加では活性は1/6に低下していたが、1%食塩濃度下では活性は1/3と食塩を添加した方が活性の低下がみられなかった。また、醤油麹のプロテアーゼは5%,10%食塩濃度下においても活性の低下は1%食塩濃度下とあまり差がなく、耐塩性であり、高塩濃度下においても活性の低下がみられなかった。
著者
佐藤 祐子 桑原 礼子 重田 公子 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.45, 2011

<B>【目的】</B>柿は日本人に古くから親しまれている果物である。昔から渋柿は「干柿」や「樽柿」に、地域によっては「あんぽ柿」や「枯露柿」にして食べられている。現在、摘果した柿や規格外で販売できない未利用柿を大量に廃棄している現状がある。我々は今回、それらの未利用柿を広く有効利用できないかと考え、現代の若年層の柿に対する嗜好性や認知度を把握する目的で女子大学生を対象にアンケート調査を行った。<BR><B>【方法】</B>調査時期は2010年4月、20歳前後の女子大生132名を対象者に柿に関するアンケート調査を行った。調査内容は、柿の嗜好性や柿の「摘果」や品種の認知度、柿に対するイメージおよび柿の新規加工食品に関するアイディア等の項目である。<BR><B>【結果】</B>柿の嗜好に関しては「好き」と答えた学生が7割程度であった。しかし、他の果物に比べ嗜好意欲が低いことが伺える。甘柿と脱渋した柿では9割の学生が「甘柿」を好んでいた。「軟らかい」柿を好む学生および「硬い」柿を好む学生は双方ともに約5割であった。一方で柿の品種を答えることのできた学生は2割程度で、「摘果」に関して理解している学生は1割以下であった。<BR> 他の果物に比べて柿の嗜好意欲が低い理由には、食べやすさ、水分含量が低い、糖/酸比が低いなどの問題に起因していると考えられる。また、未利用柿の有効利用法としては、サラダ類、ケーキ、ジェラートが上位に挙げられていた。また、「かきフライ」などユーモアに富んだネーミングのものも挙げられていた。大量廃棄される未利用柿の中には渋柿もあるため、柿の加工食品の開発には簡単に脱渋ができ、加工調理しやすいものが適していると考える。
著者
谷口 (山田) 亜樹子 栗 彩子 佐藤 祐子 風見 真千子 野口 治子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.3, pp.133-139, 2019

<p> 鎌倉産, 仙台産, 佐渡産の産地の異なるアカモクの一般成分を測定し, 成分の比較を行った. 鎌倉産アカモクは灰分が最も多く, 仙台産はタンパク質が多く, 佐渡産は炭水化物, 食物繊維が多かった.</p><p> 各産地のアカモクのミネラル量を測定した結果, 鎌倉産はカルシウム, 鉄が多く, 仙台産はナトリウム, カリウム, マグネシウム, 鉄, 銅が多く, 佐渡産は亜鉛が多かった. アカモクのポリフェノール量は仙台産が最も多く102.3 mg/100 g含まれており, 鎌倉産, 佐渡産は各々95.2 mg/100 g, 76.3 mg/100 gであった. アカモクは他の海藻よりポリフェノール量が多く, 抗酸化作用などの機能性が期待できた.</p><p> アカモクを用いて食品を製造し, 栄養計算を行った. 鎌倉産アカモクを食品に使用することで, 食品のカルシウム, 鉄のミネラルの栄養価が高くなり, ミネラルが豊富な食品となった. また, アカモクを添加することで, 食物繊維の多い食品となった.</p>
著者
谷口(山田) 亜樹子 鈴木 昌治 小泉 武夫
出版者
日本食品保蔵科学会
雑誌
日本食品保蔵科学会誌 = Food preservation science (ISSN:13441213)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.127-134, 2002-05-31
参考文献数
21

稲麹粒から分離した<I>A. oryzae</I> groupの多酸性麹菌N-1株と清酒用麹菌<I>A. oryzae</I> RIB-176株からNTG処理により変異株を取得し, プロトプラスト融合によりアミラーゼ生産性が強く, クエン酸生産能の高い有用な融合株Fを造成することができた。F株と<I>A. oryzae</I> RIB-176株を用いて製麹した麹を用いて小仕込試験を行った結果, <I>A. oryzae</I> RIB-176株に比べF株で製造したもろみの方がクエン酸量は約2倍高く, 製品の清酒の酸度も2倍高い値を示した。
著者
栗 彩子 森 美紗希 宮内 莉華 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成29年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.132, 2017 (Released:2017-08-31)

【目的】カレーはインドで生まれ、明治時代に日本に入ってきたと言われている。今日では日本の国民食とまで言われるようになり、各地域の名産品やその土地で取れる食材を使ったいろいろなカレーが食べられている。さらに近年、健康志向の高まりにより、カレーの栄養価値が見直され、その第3次機能に強い関心が寄せられている。しかしながら、カレーの利用方法といえば「カレーライス」というように、そのバリエーションには限りがあり、カレーに含まれるスパイスの種類や栄養価値もあまり知られていないのが現状である。そこで演者らは、カレーの基礎特性を明らかにし、健康効果・効能につて考え、さらに地場産の食材を用いた、簡単においしくできる新たなカレーレシピの考案を試みることとした。【方法】文献調査から、カレーの基礎特性を明らかにし、どのような健康効果・効能をもたらすのかを検討した。 新規料理については、市販カレー粉、神奈川県産のキャベツ、しらす、大豆、雑穀を用いて新たなカレー料理を考案し、調理した。また、栄養計算を行った。【結果】(1)カレーの基礎特性文献調査より、カレーには30種類以上の様々なパイスが存在することがわかった。中でも代表的なものとして、コリアンダー、クミン、フェヌグリーク、ターメリック、オレガノ、ペッパー、フェネル、ジンジャー、オニオン、カルダモンなど10種類のスパイスがカレーに用いられている。また、これらのスパイスについてさらに調査した結果、漢方薬として使われていたものが多く、肝臓・胃腸の働きを良くする、せき止め、疲労回復、殺菌作用、下痢止め、風邪・肥満・二日酔い・冷え性・肩凝り予防など様々な健康効果があることがわかった。(2)新規カレーレシピの紹介神奈川県産の食材を用いてカレー春雨、 カレー鍋、カレー雑穀リゾット、大豆カレーの4つのレシピを考案し調理した。
著者
ヒューズ 美代 谷口(山田) 亜樹子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.23, pp.157, 2011

【<B>目的<B>】豆類は昔から好まれ食されている身近な植物性食品で、ミネラル、食物繊維が豊富で機能性があることから、食品素材として注目されている。そこで、本研究では豆類に関する知識および嗜好性に関してアンケート調査を行い、女子大生の豆類に対する意識調査を行った。<BR>【<B>方法<B>】アンケート調査は、20歳前後の女子大生(132名)を対象に実施した。調査項目は豆類に対する嗜好、摂取頻度、認知度、よく食べる豆料理、豆類を使った食品開発に関するアイディア等である。<BR>【<B>結果<B>】アンケート調査の結果、83%が豆を好きと答え、64%が週1回以上食べていると答えた。よく食べる豆の種類は、「大豆」が91%と最も多く、2位「小豆」21%、3位「落花生」10%と続いた。豆の認知度については「大豆」、「小豆」の認知度がそれぞれ90%、72%と高く、以下「えんどう」39%、「枝豆」37%、「そらまめ」36%と続いた。よく食べる豆料理については、1位「煮豆」、2位「納豆料理」、3位「豆腐料理」と和風料理が多く占めた。これに対し、食べてみたい豆料理は、1位「ケーキ」、2位「スープ」及び「アイス・ジェラート」、4位「ハンバーグ」と洋風料理が多く占め、「よく食べる豆料理=和食」、「食べてみたい豆料理=洋食」と相反した結果となった。最後に、豆類を使った新規食品の開発について記述してもらったところ、「アイス」「ケーキ」「プリン」など菓子類の回答が68%と最も多く、「ハンバーグ」10%、「パスタ」「ラーメン」など麺類が9%と続いた。以上の結果より、今後は従来の和風中心の豆料理だけでなく、ヘルシー志向の高い消費者のニーズに合った洋風料理・菓子への応用・発展を検討する必要があると考えられた。
著者
和田 佳苗 佐藤 祐子 松井 友美 谷口(山田) 亜樹子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.72, 2014 (Released:2014-07-10)

目的 塩辛は魚介類の肉や内臓などに調味料を加え熟成させることで、自己消化作用により独特の旨味をもつ食品である。本研究では塩辛の中でも馴染みのあるイカの塩辛について、製造工程で加える副材料が内臓の消化酵素であるアミラーゼ、プロテアーゼ活性に及ぼす影響を検討した。方法 生食用スルメイカから取り出した肝臓に2倍量の生理食塩水を加えて3分間ホモジナイズした後、遠心分離(10000rpm,20分間)して得られた上澄みを試料液とした。この試料液についてpH、タンパク質量(Protein Assay Papid Kit,和光純薬)、α-アミラーゼおよびβ-アミラーゼ(α-,β-Amylase Assay Kit,Megazyme) 、プロテアーゼ活性(ヘモグロビン基質)を測定し、比活性を求めた。さらに試料液に塩辛製造に用いられる調味料(食塩・みりん・醤油・酒)を添加し同様に測定を行った。結果 スルメイカの肝臓から抽出した試料液中のpHは6.5、タンパク質量は約130mg/mLであった。またα-アミラーゼおよびβ-アミラーゼの比活性はそれぞれ約4.7×103units/mg、5.6×103units/mg、プロテアーゼの比活性は約3.6×10units/mgであった。プロテアーゼの比活性は調味料無添加を100としたとき、食塩、みりん、醤油添加で各々87、酒添加で92であった。α-アミラーゼおよびβ-アミラーゼについても同様に測定を行い比較検討した。
著者
谷口(山田) 亜樹子 ヒューズ 美代
出版者
鎌倉女子大学
雑誌
鎌倉女子大学紀要 (ISSN:09199780)
巻号頁・発行日
no.20, pp.41-48, 2013-03-31

"女子大生132名を対象に、 2011年 4月に豆類の摂取に対する意識のアンケート調査を実施した。 アンケート内容は、 豆類の種類、 摂取頻度、 よく食べる豆料理や食品開発についてである。 調査対象者の83%が豆を好み、 46%がよく食べると回答し、 64%が週 1回以上摂取しており、 一人あたり平均4.2種類の豆類を認知していた。 よく食べる豆料理は和風料理が多く、 食べてみたい豆料理は洋風料理であった。 豆類の食品開発は、 従来の和風料理だけでなく、 外国料理、 菓子類についても取り入れ、 美味しさと栄養面の両方を求める消費者のニーズにあった新しい豆類の食品開発が必要であると考えた。 (2012年 9月28日受稿)"