著者
越智 啓太
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では、主に大学生カップルにおける、デートバイオレンス、デートハラスメントを対象にしてその予測と対処策についての研究を行った。まず、学生相談所などの機関の調査を行い、現在の大学生においてデートバイオレンス、デートハラスメントが大きな問題となっていることを明らかにした。つぎに、これらの行動を測定するための尺度を構成した。三番目にこれらの行動を引き起こす加害者の属性、性格、交際の特徴について明らかにし、これらのデータからデートバイオレンス・ハラスメントを予測するための式を構成した。最後にそれぞれのデートバイオレンス・ハラスメント行為における適切な対処方略を明らかにした。
著者
下島 裕美 佐藤 浩一 越智 啓太
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.74-83, 2012
被引用文献数
16

「ある一定の時点における個人の心理的過去および心理的未来についての見解の総体」を時間的展望という(Levin, 1951 猪股訳 1979)。本研究は,時間的展望の個人差を測定する尺度であるZimbardo Time Perspective Inventory(ZTPI)を日本語に翻訳し,原版と同様の5因子構造が得られるかどうか確認することを目的とした。大学生748名を対象に調査を行い,探索的因子分析の結果,未来・現在快楽・現在運命・過去肯定・過去否定の5因子計43項目が見出された。回転前の5因子で全分散を説明する割合は37%であった。確証的因子分析の結果,CFI=.681, GFI=.829, AGFI=.810, RMSEA=.057, AIC=3125.726であった。&alpha;係数は.65から.76,再検査信頼性(<i>n</i>=110)は.63から.78(<i>p</i><.05)の範囲であり,原版に劣らない信頼性が確認された。原版と日本版の項目を比較したところ,日本版の現在快楽は「刺激希求性」の意味合いが強いことと,未来とのつながりがあることが示唆された。妥当性を検討した上で日本版尺度を完成させ,現在進行中である国際比較研究への参加が期待される。
著者
村田 厚生 越智 啓太 森若 誠
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.190-197, 2011-10-15 (Released:2011-12-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

視線データからディスプレイ上の視線位置を表示する手法として, 適応的移動平均法を提案して,移動平均法(10点),注視点直接表示とパフォーマンスを比較し,さらにカーソルを非表示にした場合のパフォーマンスへの影響を明らかにした.コマンド名の表示領域から隣接する選択領域に直接視線が入ることで選択したと見なすI-QGSM(Improved-Quick Glance Selection Method)法をメニュー選択法として用い,メニュー選択作業を被験者に実施させた.作業完了時間,エラー率,作業しやすさ・眼の疲労度の主観評価の観点から,提案した適応的移動平均法が望ましいことが示された.カーソル表示と非表示条件での作業完了時間とエラー率には,ほとんど差がなかった.また,主観評価を通して,カーソルを表示する場合よりカーソルを表示しない場合の方が,操作性の評価が高くなり,眼への疲労度も低いことがわかった.
著者
越智 啓太
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
no.61, pp.175-181, 2010

In the present study, behavioral patterns of financial robberies who broke into banks and postoffices in Japan were analyzed. The analysis was based on the newspaper database resources. Theresults of the analysis showed that the typical type of robbery, in which the criminal threatened acounter staff with a knife, accounted for only 60 percent of all financial robberies, and that atypicaltypes of robberies had happened more frequently than expected. As the results of more detailedanalysis in MDS (Multi Dimensional Scaling), it was found that the criminal could escape most easilywhen the criminal struck and robbed a bank customer who appeared to use a night-deposit safe.Finally, the method of the crime prevention in financial institutions was discussed based on theresults above.