著者
高田 久美代 妹尾 正登 東久保 靖 高辻 英之 高山 晴義 小川 博美
出版者
公益社団法人日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.598-606, 2004-07-15
被引用文献数
5 5

マガキ, ホタテガイおよびムラサキイガイにおける麻痺性貝毒の蓄積と減毒過程の差異を明らかにするため, 原因プランクトン<i>Alexandrium tamarense</i> の消長とこれら貝類の毒力と毒組成の推移を調べた。毒力の推移は貝種によって大きく異なり, マガキは<i>A. tamarense</i> が消滅すると1~2週間後に毒力が不検出となり, ホタテガイやムラサキイガイに比べて毒の低下が早く, 蓄積する毒力も最も低かった。毒組成の推移も貝種によって異なった。貝種による毒化と減毒の差異には毒組成の違いが関与していると考えられた。
著者
高田 久美代 妹尾 正登 東久保 靖 高辻 英之 高山 晴義 小川 博美
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.598-606, 2004 (Released:2005-06-03)
参考文献数
25
被引用文献数
5 5

マガキ, ホタテガイおよびムラサキイガイにおける麻痺性貝毒の蓄積と減毒過程の差異を明らかにするため, 原因プランクトンAlexandrium tamarense の消長とこれら貝類の毒力と毒組成の推移を調べた。毒力の推移は貝種によって大きく異なり, マガキはA. tamarense が消滅すると1~2週間後に毒力が不検出となり, ホタテガイやムラサキイガイに比べて毒の低下が早く, 蓄積する毒力も最も低かった。毒組成の推移も貝種によって異なった。貝種による毒化と減毒の差異には毒組成の違いが関与していると考えられた。
著者
辻 英之 益田 和彦 杉本 洋輔
出版者
長崎大学
雑誌
長崎醫學會雜誌 : Nagasaki Igakkai zasshi (ISSN:03693228)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.157-161, 2011-09-25

症例は58歳女性、50歳時にVogt-小柳-原田病(原田病)を発症し、最近はステロイド点眼のみを続けていた。2010年7月より4.5kgの体重減少あり。8月に入り、咽頭痛、口渇、全身倦怠悪化するため8月2日近医受診、随時血糖433mg/dl、HbA1c 9.8%(以下HbA1cは国際標準値で表記)あり、投薬加療開始されるも、ケトーシス悪化傾向にあり、当院紹介され8月6日入院となった。入院時採血、検尿で、抗GAD抗体 1214.3U/ml、血中CPR空腹時 1.0ng/ml、食後2hr 1.2ng/ml、尿中CPR 15.6マイクロg/日、CPR 5min 0.5ng/mlであること、約1年前の空腹時血糖84mg/dl、HbA1c 5.6%であることなどから急性発症自己免疫性1型糖尿病と考え、インスリン強化療法を導入、加療を開始した。入院時の眼底検査では典型的な夕焼け眼底を認めるものの、糖尿病性変化はなかった。患者の同意を得、測定したHLAでは、A*1101 A*2402 B*3501 B*5401 C*0102 C*0303 DRB1*0405 DQB1*0401 DPB1*0501でVogt-小柳-原田病、1型糖尿病に疾患感受性のあるHLA DRB1*0405が陽性であった。
著者
高田 久美代 高辻 英之 妹尾 正登 KUMIYO TAKATA HIDEYUKI TAKATSUJI MASATO SENO 広島県立総合技術研究所保健環境センター 広島県立総合技術研究所水産海洋技術センター 広島県立総合技術研究所保健環境センター Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Fisheries and Marine Technology Center Hiroshima Prefectural Technology Research Institute Health and Environment Center
出版者
The Japanese Society of Fisheries Science
雑誌
日本水産学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.78-80, 2008-01-15
参考文献数
15
被引用文献数
5

麻痺性貝毒により毒化した養殖マガキの無毒化を目的として,貝毒原因プランクトンAlexandrium tamarenseによって毒化したマガキ(26~30MU/g)を,ろ過して貝毒原因プランクトンを除去した海水を流下させた水槽で垂下蓄養し,毒の減少過程を調べた。供試したマガキの毒力は,5日後には規制値(4MU/g)以下となり,毒化したマガキを,ろ過海水中で数日間飼育することで,毒力が規制値以下となって生鮮貝としての出荷が可能となることが示された。
著者
呉 碩津 松山 幸彦 山本 民次 中嶋 昌紀 高辻 英之 藤沢 邦康
出版者
日本海洋学会
雑誌
沿岸海洋研究 (ISSN:13422758)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.85-95, 2005-08-26
被引用文献数
5

過去30年間の瀬戸内海における主要赤潮構成種を概観すると,珪藻類やラフィド藻から有害・有毒な渦鞭毛藻へと遷移してきている.1980年から行政の指導の下で取り組まれてきた沿岸域へのリン負荷削減の結果,瀬戸内海などの閉鎖性海域では溶存態無機リン(DIP)濃度が低下し,溶存態無機窒素(DIN)との比(DIN:DIP比)が顕著に上昇してきている.同時に植物プランクトンが利用するリン源として溶存態有機リン(DOP)の重要性が増し,これを利用可能な渦鞭毛藻が増殖するようになってきたと考えられる.本論文では,そのような一連の現象について,既存の知見と新しいデータを交えながら考察した.