著者
西 英二 田代 幸寛 酒井 謙二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.559-565, 2017-07-20 (Released:2018-07-20)
参考文献数
21

現在の犯罪捜査において,ヒトDNA型鑑定は多くの事件に活用され,犯人の特定や犯罪事実の証明に欠かせないものとなっている.しかし,いまだに解決できないさまざまな問題があり,昨今のあらゆる種類の犯罪に対応できていない.しかしながら,人体に存在する微生物叢を網羅的に解析するヒトマイクロバイオーム解析の発展に伴い,微生物を法科学分野にも利用する動きが見られるようになった.このヒトDNA型鑑定とは異なるアプローチによって,現在の法科学分野のさまざまな問題点を克服できる可能性がある.つまり,従来の一般の鑑定手法では有効な情報を得ることができなかった資料について,そこに存在する細菌叢を利用して個人の異同識別が可能であることがわかってきた.
著者
西 英二 田代 幸寛 酒井 謙二
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.8, pp.559-565, 2017

<p>現在の犯罪捜査において,ヒトDNA型鑑定は多くの事件に活用され,犯人の特定や犯罪事実の証明に欠かせないものとなっている.しかし,いまだに解決できないさまざまな問題があり,昨今のあらゆる種類の犯罪に対応できていない.しかしながら,人体に存在する微生物叢を網羅的に解析するヒトマイクロバイオーム解析の発展に伴い,微生物を法科学分野にも利用する動きが見られるようになった.このヒトDNA型鑑定とは異なるアプローチによって,現在の法科学分野のさまざまな問題点を克服できる可能性がある.つまり,従来の一般の鑑定手法では有効な情報を得ることができなかった資料について,そこに存在する細菌叢を利用して個人の異同識別が可能であることがわかってきた.</p>
著者
酒井 謙 長谷川 昭
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.85, no.10, pp.1723-1727, 1996-10-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
6

拒絶反応は早期治療により回復可能な急性拒絶反応と,治療法が確立していない慢性拒絶反応とに大きく分けられるが,近年提唱された移植腎病理診断基準(Banff原案)は従来の病期別分類を超え病理診断を中心に拒絶反応を捉える試みで注目されている.さらに原案では重症度ごとに治療指針が設けられており腎生着率改善に寄与することが期待されている.この新しい病理分類に加え,ステロイドパルス療法を中心に治療の概要を述べる.
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.1-10, 2006-03

ナチ統治下でのハウプトマンとナチとの関係を資料に基づいて検証しながら、彼の最後の傑作『アトレウス家四部作』、とりわけ『デルフォイのイフィゲーニエ』における最後の主人公の自殺について考察した。京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2005) 第30巻
著者
兵頭 洋二 宍戸 清一郎 河村 毅 櫻林 啓 新津 靖雄 二瓶 大 青木 裕次郎 村松 真樹 酒井 謙 相川 厚
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.042-047, 2013-03-10 (Released:2014-10-03)
参考文献数
10

【Objective】The purpose of this study was to evaluate pharmacokinetic (Pk) profile of newly developed modified release tacrolimus (MR-TAC) in pediatric kidney transplant recipients.【Methods】According to our current immunosuppressive protocol, tacrolimus (TAC) was initially given and converted to MR-TAC in 13 pediatric patients who received kidney transplantation from April 2010 to April 2011. The switch dose ratio was 1:1, and the 24hour full Pk study was assessed before and after the conversion from TAC to MR-TAC.【Results】The mean total daily dose at baseline upon enrollment was 5.4±3.3 mg. There was no significant correlation between the oral dose and the trough concentration (C0) of TAC/MR-TAC. The consecutive Pk studies revealed no significant difference in the mean time to maximum concentration (Tmax) / maximum concentration (Cmax) and the area under the time-concentration curve (AUC0-24) of both reagents; the mean C0 of MR-TAC was 18% lower than those of TAC. A better correlation between AUC0-24 and C0 was observed in MR-TAC compared to that in TAC (r2=0.912, for MR-TAC; r2>0.555, for TAC). 【Conclusion】In the conversion from TAC to MR-TAC, AUC0-24 was equivalent despite the 18% reduction of C0, even in the pediatric kidney transplant recipients. The trough concentration might be an excellent predictor in the therapeutic drug monitoring of MR-TAC because of its better correlation of C0 and AUC0-24.
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.9-16, 2004-03

京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2003) 第28巻ブレヒトは、若い頃に最も影響を受けた人の1人として寄席芸人のファレンティーンを挙げている。ここでは、2人の関係について現在分かっている事実を確認しながら、まだ無名に近かったブレヒトを何とか一人前にしようと、ファレンティーンが行った『夜打つ太鼓』や『イングランドのエドワード2世の生涯』上演の際の適切な助言や支援等を指摘して、やはり彼こそブレヒトの本当の師、ブレヒトの言葉は決して大げさなものではないということを検証した。また、2人の合作となっているが、ファレンティーンの後見のもと、実質的にはブレヒトとエンゲルで制作した映画『床屋ミステリー譚』を紹介し、この作品がこれ以降のエンゲルとの共同制作の最初の試みであり、20代後半のブレヒト成功の端緒となった作品であるということを考察した。
著者
塩谷 捨明 野村 善幸 星野 貴行 酒井 謙二 片倉 啓雄 仁宮 一章
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、東南アジア各国の乳酸菌研究者及び菌株のデータベースを構築することによって、乳酸菌の実用化に向けた相互利用・共同研究を促進させることを目的としている。平成16年度には次年度に向けた予備的な調査を行った。そして平成17年度は「海外調査」ともに「データベース作成とデータ登録」を行った。本研究では、ベトナム、マレーシア、フィリピン、モンゴル、インドネシア、タイにおける大学及び研究機関を中心に訪問し、調査を進める一方、研究者への協力を依頼した。なかでもインドネシアで開催されたアジア乳酸菌学会では多数のアジア乳酸菌研究者の集まる中、本調査の趣旨説明と協力要請を行うことができた。また、日本生物工学会では、韓国、タイ、ベトナム、フィリピンより乳酸菌研究者を招聘しシンポジウムを開催し、乳酸菌研究の相互理解をさらに促進することができた。以上より、合計約30名の研究者情報、および、30株程度の乳酸菌株情報が得られた。一方、各国の乳酸菌研究者及び菌株データを集計・整理するためのデータベースの作成に当たっては、充実すべき調査項目等を議論した上、フォーマットを決定した。データベースについては、ホームページ上にてアクセス・入力可能なフォームを完成させデータ入力準備完了となった。東南アジアの乳酸菌研究者情報に加えて、国内の研究者ならびに乳酸菌株情報を登録した。現在、データベースには、350超の菌株情報とその所有者等の情報が登録されている。
著者
酒井 謙一
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
京都工芸繊維大学繊維学部学術報告 (ISSN:03685896)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-10, 2002-03

京都工芸繊維大学 繊維学部学術報告(2001) 第26巻『都会のジャングル』はブレヒトの作品の中では最も難解なものの1つである。ここでは、この劇に影響を与えた4つの作品を取り上げて、それらの影響をブレヒトがいかに自分なりに消化して、作品に作り上げていったかを検証した。これまで必ずしもまともに論じられてこなかった、キプリングの『ジャングル・ブック』の影響を、主人公に敵対する者たちの通称が動物の名前であるということを指摘して明確にし、また、劇中でときどき唐突にはさまれるランボーの詩句を当時のブレヒトの言語観と結びつけて解釈した。