著者
細井 淳 高松 光生 久保田 基成 牛山 智彦 新井 利直 酒井 長雄 吉田 清志 矢ケ崎 和弘
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.9-11, 2018 (Released:2018-06-04)
参考文献数
3

「美山錦」に換わりうる品種として,酒造好適米品種「山恵錦:さんけいにしき」を育成した.この品種は,「美山錦」よりも耐倒伏性に優れ,多収である.耐冷性といもち病抵抗性に優れる.心白発現率が高く,とう精時の砕米率が低い.麹製造適性に優れ,製麹時のアミノ酸生成量が少ない.清酒の官能評価では,バランスが良く味巾があり,なめらかさがある.
著者
深井 洋一 酒井 長雄 齊藤 康一
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.341-350, 2010 (Released:2014-08-22)
参考文献数
21
被引用文献数
1

平成20年に長野県農事試験場で栽培したコシヒカリを用いて,稲の収穫時期別に成熟期前から成熟期後までの6段階について,食味,外観および炊飯品質,官能評価を行った。帯緑5%は,帯緑色籾0%と比して,粒厚分布において2.0mm以上の割合が高い。外観品質は,整粒が有意に高く,胴割粒割合が有意に低い。糊化特性値はブレークダウンが有意に高く,最終粘度およびセットバックが有意に低いことがそれぞれ示された。官能評価は,帯緑5%および帯緑0%の双方ともに他の収穫時期と比して食味が有意に優れた。得られた結果について,主成分分析を行ったところ6試料は3つに大別され,帯緑5%と帯緑0%は第一および第二主成分の正に布置された。因子分析では,官能評価の「硬さ」に関連する負の因子構成,官能評価の「総合」および「味」に関連する正の因子構成がそれぞれ推定された。これらの結果から,帯緑5%の状態で稲を収穫することで,帯緑0%と比して,粒厚分布,外観品質および糊化特性が良質であることが示された。