著者
野中 郁次郎
出版者
公益財団法人 日本学術協力財団
雑誌
学術の動向 (ISSN:13423363)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.60-69, 2007-05-01 (Released:2012-02-15)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
野中 郁次郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.547-552, 2006-05-15
参考文献数
6
被引用文献数
5

伝統的な認識論においては,知識とは「正当化された真なる信念(justified true belief)」と定義される.知識創造理論では,「個人の信念を真実に向かって正当化するダイナミックで人間的/社会的なプロセス(a dynamic human/ social process of justifying personal belief towards the truth)」と知識を定義する2).つまり,信念(思い)を真実に向かって正当化していく人間的でダイナミックなプロセスそのものが知識であると定義するのである.個人の抱いた思い(主観)は,他者や環境との間で行われる社会的ダイナミクスの中で正当化(客観化)され,「真」とされていく.知識とは他者との相互作用を通じて,未来に向かって何が真・善・美であるかを問い続けるプロセスであり,そうした信念(主観)と正当化(客観)の相互作用にこそ知識の本質がある.そして,知識創造企業の戦略は,その存在をかけた「未来創造」なのである.本稿の目的は,既存の戦略論との対比を通じて,知識経営(Knowledge-based Management)の戦略論を展開することである.
著者
野中 郁次郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.4-13, 2002-09-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
35

本稿は,知識創造理論を企業の知識ベース理論へ展開する構想である.その第一歩として,知識創造の多層プロセスの動態化を意図して,弁証法の方法論を取り込むことを試みる.
著者
野中 郁次郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.547-552, 2006-05-15

伝統的な認識論においては,知識とは「正当化された真なる信念(justified true belief)」と定義される.知識創造理論では,「個人の信念を真実に向かって正当化するダイナミックで人間的/社会的なプロセス(a dynamic human/ social process of justifying personal belief towards the truth)」と知識を定義する2).つまり,信念(思い)を真実に向かって正当化していく人間的でダイナミックなプロセスそのものが知識であると定義するのである.個人の抱いた思い(主観)は,他者や環境との間で行われる社会的ダイナミクスの中で正当化(客観化)され,「真」とされていく.知識とは他者との相互作用を通じて,未来に向かって何が真・善・美であるかを問い続けるプロセスであり,そうした信念(主観)と正当化(客観)の相互作用にこそ知識の本質がある.そして,知識創造企業の戦略は,その存在をかけた「未来創造」なのである.本稿の目的は,既存の戦略論との対比を通じて,知識経営(Knowledge-based Management)の戦略論を展開することである.
著者
野中 郁次郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.76-85, 1996 (Released:2022-07-22)

企業組織は,これまでのように情報を処理する構造としてではなく,知識を創り出すプロセスとして概念化されなければならない.組織的知識創造の基本モデルを提示し,暗黙知と形式知のスパイラルを促進する要件について,新たにそのメカニズムを明らかにする.また,今後は一組織の枠をこえて展開されていくであろう知識創造理論の今後を展望し,なぜこの理論が日本から発信されなければならなかったかについても考察する.
著者
楠木 建 野中 郁次郎 永田 晃也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.92-108, 1995 (Released:2022-07-22)
被引用文献数
11

組織の保有する知識は(1)知識ベース,(2)知識フレーム,(3)知識ダイナミクスという3つのレイヤーの重なりとして把握できる.それぞれの知識のレイヤーは相互に異なる組織能力を提供しており,したがって組織能力は重層的な性格をもっているというのがわれわれの概念的フレームワークの基本的なアイデアである.この論文では上場している日本のすべての製造業企業を調査対象とした大規模サーベイに基づいて日本企業の製品開発における組織能力についての仮説を導出し,われわれの概念的フレームワークのもつ意義とインプリケーションを考察する.
著者
野中 郁次郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.79-90, 1987 (Released:2022-07-14)

戦略論に対する合理的アプローチとプロセス・アプローチの両者を総合する分析視角として,生成するプロセスそのものとしての戦略という概念が提唱される.戦略を,情報の絶えざる創造から創発するプロセスと捉えた上で,情報概念を再検討し,形式情報と意味情報の特性が明らかにされる.さらに組織と集団,個人の各レベルに固有の情報創造の方法論について考察し,レベルを超えた動的協力現象を促進する要因を分析する.これらの議論を通じて最後に,直観を戦略に取り込む方法を考察する.
著者
野中 郁次郎 紺野 登 川村 尚也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.2-20, 1990 (Released:2022-07-15)

組織にとって有意義な知識は,成員が能動的に関与した暗黙知と形式知の相互作用によって固有に獲得される.組織的「知の創造」は,知の共有化から概念化に至る集団の対話プロセスである.その実証分析とモデル化の手法としては発語行為やメタファーなどの言語行為に着目した創造的対話の内容分析が有効である.今後の組織研究はこれに基づく新たなかつ普遍的な組織的知の創造の方法論の探求に焦点を当てる必要がある.
著者
野中郁次郎編
出版者
ナカニシヤ出版
巻号頁・発行日
2012
著者
野中 郁次郎 パトリック ラインメラ 柴田 友厚
出版者
日本情報経営学会
雑誌
オフィス・オートメーション (ISSN:0389570X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.3-13, 1998-04-10
被引用文献数
4

The role of regional areas for innovation has recently began to be reassessed. From the perspective of knowledge, areas are conceptualized as BA(place)of rich embedded knowledge. Beyond infrastnuctural moduls such as networks or clusters the concept of BA offers the opportunity to differentiate platforms supportive to specific processes of knowledge conversion in an area. In addition, the poly-agent theory emphasizes the subjects involved in regional knowledge creation. Finally the conceptual framework of regional knowledge creation is tentatively tested against data on Silicon Valley, Route 128 and Ohta-ku.