著者
栃木 謙一 野村 朋宏 長谷川 達也 森下 充史
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.801-806, 2013 (Released:2014-10-01)
参考文献数
4

各務原大橋は,一級河川木曽川を渡る橋長594mのPC10径間連続フィンバック橋であり,移動架設桁を用いた張出し架設工法により橋梁上部工の施工が行われた。本工事においては,高粘性のコンクリート(設計基準強度50N/mm2早強ポルトランドセメントを使用)を長距離圧送する必要があり,圧送時に流動性の低下が生じた場合,充填性に大きな影響を与えることが懸念された。また,単位セメント量が多くなるため,温度応力による有害なひび割れの発生が懸念された。本稿では,これらの課題に対する検討と対策およびコンクリートの施工状況について報告する。
著者
永井 晋 野口 実 鈴木 哲雄 高梨 真行 角田 朋彦 野村 朋弘 橋本 素子 実松 幸男 佐々木 清匡 北爪 寛之
出版者
神奈川県立金沢文庫
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

中世に下総国下河辺庄という広域荘園が形成された地域にについて、各分野の研究者や自治体の文化財担当者と意見交換を行い、現地での確認調査・聞き取り調査を行った結果、鎌倉時代に地頭として下河辺庄を治めた金沢氏が河辺・新方・野方と三地域に分割した経営形態が地域の実情に即した適切な統治の形態であったことを確認することができた。すなわち、下河辺庄は荒川・利根川・大井川(太日川)の三本の河川が集まる水上交通の要衝という物資輸送の利便性を持つが、それは同時に、肥沃な土壌が継続的な供給される生産性の高い水田地帯という経済的優位性と水害に弱い洪水常習地帯という豊凶の落差の激しい中下流部の低地帯(新方・河辺)と、鎌倉街道中道の通る猿島台地・下総台地上の耕地帯に大きく分かれていることが明らかになった。金沢氏は、一律の基準で支配できない広域荘園に対し、本家が直轄する所領と一族や被官を郷村の地頭代(給主)に補任して治める所領に細分化し、それらを公文所が統合することで全体の管理を行っていた。本科研では、下河辺庄の成立過程を探るために、摂津源氏の東国進出と秀郷流藤原氏下河辺氏の成立に始まり、江戸時代に語られていた下河辺庄の記憶で調査年代を終えることにした。成立期の下河辺庄は秀郷流の本家小山氏との関係を重視したので野方の大野郷に拠点があったと推定される。下河辺庄の地頭が下河辺氏から金沢氏に交代すると、金沢氏は鎌倉の館に置かれた公文所が直轄して管理する体制をつくったので、下河辺庄は鎌倉の都市経済に組み込まれた。この時期に、下河辺庄赤岩郷は鎌倉に物資を輸送する集積地として発展を始めたと考えられる。南北朝時代になると、下河辺庄赤岩郷は金沢家の菩提寺称名寺の所領として残されたので、称名寺が任命した代官や現地側の担当者と称名寺がやりとりする書状や書類が多く残されるようになった。また、称名寺のリスク管理の中で年貢代銭納が行われ、上赤岩には年貢として納入するために保管されていた出土銭が発掘されている。享徳の乱によって古河公方が成立すると、下河辺庄は古河公方側の勢力圏の最前線となり、簗田氏や戸張氏といった公方側の武家が庄域を管理し、扇谷上杉側の岩槻大田氏と境界を接するようになる。この時期に、称名寺と赤岩郷の関係が確認されなくなる。江戸時代になると、下河辺庄新方は武蔵国に編入され、新方領とよばれるようになる。この地域は『新編武蔵国風土記稿』や『武蔵国郡村誌』といった詳細な地誌が残るので、地域で語られていた下河辺庄の記憶を知ることができる。本科研は、歴史学を中心とした地域総合研究として、荘園史の枠組みを超えた地域研究を行おうとしている。調査の編目は、後述する報告書掲載論文から明らかになるし、調査の詳細は報告書の本文をご覧いただきたい。
著者
光島 徹 永谷 京平 有馬 信之 横田 敏弘 南原 好和 井熊 仁 津田 純郎 大橋 茂樹 横内 敬二 阿部 陽介 野村 朋子 抱井 昌夫 吉田 美代子 浅野 幸宏 小久保 武
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 1989

4種類の免疫学的便潜血テストを,全大腸内視鏡所見を至適基準として評価した。一泊人間ドック受診者1,800名を対象として検討した結果,発見大腸癌6例に対する感度及び特異度はそれぞれ,イムディアヘムSPO.33,0.98,0Cヘモディア0.17,O.98,モノヘムO.33,0.99,チェックメイトヘモO.50,0.97であった。
著者
近藤 成一 海老澤 衷 稲葉 伸道 本多 博之 柳原 敏昭 高橋 敏子 遠藤 基郎 渡邉 正男 神野 潔 野村 朋弘 金子 拓 西田 友広 遠藤 珠紀 山田 太造 岡本 隆明
出版者
放送大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

未刊古文書釈文作成のための協調作業環境を構築することにより、未刊古文書の釈文を歴史学のコミュニティにおいて協同で行うことを提起し、史料編纂のあり方について新たな可能性を模索するとともに、歴史学のコミュニティの実体形成にも寄与する基礎とした。釈文作成のために外部から自由な書き込みを許す部分と、作成された成果を史料編纂所の管理のもとに公開する部分を構築し、前者から後者にデータを選択して移行するシステムを設けた。
著者
宮崎 清宏 山中 知紗 野村 朋江 政岡 由紀
出版者
高知県農業技術センター
雑誌
高知県農業技術センター研究報告 = Bulletin of the Kochi Agricultural Research Center (ISSN:09177701)
巻号頁・発行日
no.29, pp.35-38, 2020-03

1. 葉ニンニク,カイラン,シュンギク,夏秋ホウレンソウ,水耕ミツバの呼吸量は,貯蔵温度が高いほど多かった。また,収穫日の呼吸量が最も多く,翌日には大きく減少するが,2日以降は徐々に少なくなった。2. カイラン,シュンギクの収穫翌日までの呼吸量は,主茎が側枝より多かった。3. 葉ニンニクを垂直または水平置きで貯蔵した場合の呼吸量の違いは判然としなかった。
著者
栃木 謙一 野村 朋宏 長谷川 達也 森下 充史
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.801-806, 2013-10-01
参考文献数
4

各務原大橋は,一級河川木曽川を渡る橋長594mのPC10径間連続フィンバック橋であり,移動架設桁を用いた張出し架設工法により橋梁上部工の施工が行われた。本工事においては,高粘性のコンクリート(設計基準強度50N/mm<sup>2</sup>早強ポルトランドセメントを使用)を長距離圧送する必要があり,圧送時に流動性の低下が生じた場合,充填性に大きな影響を与えることが懸念された。また,単位セメント量が多くなるため,温度応力による有害なひび割れの発生が懸念された。本稿では,これらの課題に対する検討と対策およびコンクリートの施工状況について報告する。
著者
山田 太造 野村 朋弘 井上 聡
雑誌
じんもんこん2013論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.145-152, 2013-12-05

本論文では,日本南北朝期史料についてテキストを用いた分類および関連史料提示の手法について述べる.史料分類では潜在的トピックを用いる.潜在的トピックを検出するにあたりLDA(Latent Dirichlet Allocation)と呼ばれるトピックモデルを用いる.また,対象史料における潜在的トピックの状態,および史料間の関連について述べる.さらに,潜在的トピックを用いた関連史料提示手法について示す.
著者
野村 朋
出版者
大阪健康福祉短期大学
雑誌
創発 : 大阪健康福祉短期大学紀要 (ISSN:13481576)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.103-110, 2007-03-05

筆者はある保育園の「気になる子ども」の保育実践検討会に定期的に参加し、衝動性が高く、言語による自己調整に課題を持つD児の3歳11か月から6歳4か月の成長の過程を、3・4・5歳児クラスでの2年半の保育実践を通して振り返り、Dを含めた集団保育のあり方を検討した。本稿は検討会での議論をもとに筆者が分析を加えたものである。Dは、友だちとのかかわりを求めているものの、自分の思い通りにならないことがあるとカッとなって暴れてしまう、外界の変化に過敏で不安定になってしまう、といった課題を持っていた。3・4歳児クラスの保育実践において、環境の整理をし、視覚的手がかりを活用するなどの個別的配慮を行った。加えて保育者との安定した人間関係を築いた上で、少人数グループでの取り組みや, Dの得意なことを集団保育に取り入れ、仲間の中での肯定的な自己認識を育てていく中で、5歳児クラスの半ばには、衝動的な傾向は残しつつも自己コントロールしようとする姿が見られるようになった。さらに重要な視点は、保育者がていねいに他者認識を広げ、集団内におけるお互いの思いをつなげる働きかけを重視したクラスづくりをすすめたことである。Dの暴力的な行動の背後にある思いを汲み取れる仲間関係を育てていったことがDの発達的変化と集団内での自己肯定感を保障した。
著者
近藤 成一 海老澤 衷 稲葉 伸道 本多 博之 柳原 敏昭 遠藤 基郎 渡邉 正男 鴨川 達夫 金子 拓 西田 友広 遠藤 珠紀 山田 太造 神野 潔 野村 朋弘 岡本 隆明 アドルフソン ミカエル
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

1600年以前の日本の古文書に関する諸情報を共有し、文書名の付与や年代比定などの基礎作業を共同で行う「古文書バーチャルラボ」を構築した。「古文書バーチャルラボ」の運用により、史料編纂所歴史情報システム上の古文書に関するデータを修正・追加することを試行し、また古文書学上の研究成果については公開研究会において発表した。また『鎌倉遺文』未収録の文書数について検討した。以上の内容を報告書にまとめ、「東京大学史料編纂所研究成果報告2012-4」として刊行した。