著者
野田 哲朗
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Special_issue, pp.129-134, 2016 (Released:2016-04-14)
参考文献数
31
被引用文献数
2

The general health conditions of schizophrenic patients have not been investigated to date, though their high mortality is considered to be mainly caused by smoking. This study examined relationships between smoking and mental disorders, as well as importance of providing support for people with mental disorders to help them stop smoking.
著者
松下 幸誠 和嶋 浩一 吉田 結子 野田 哲朗 尾上 正治 石井 宏
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.13-25, 2015-12-25 (Released:2016-05-27)
参考文献数
19

目的:この論文では疼痛構造化問診票とTMD+OFP診査表(脳神経検査含む)を用いた1人の歯痛を訴える患者の診断過程が述べられている.歯科医療に携わる者にとって歯痛診断は挑戦の連続である.また,その一方で歯痛診断は歯科医にしかできない.よって,他科との共同治療の面からも患者の現症や病歴などの情報としての診断は,その疾患の病態,治療法の知識と理解をも伴った正確なものでなくてはならない.しかしながら,臨床経験の浅い歯科医にとって,あるいは臨床経験豊かな歯科医にとっても複雑な症例を前にしたとき,それは困難な課題として専門家としての決断が揺らぐことも珍しくない.今回著者らは仮説演繹的な臨床診断推論手法と情報収集には疼痛構造化問診票,診査にはTMD+OFP診査表を用いて推論を行いその有効性を試験した.研究の選択:1名の下顎左側臼歯部の歯痛を訴える患者の診断を第1ステップ「包括的病歴採取」,第2ステップ「鑑別診断の列挙」,第3ステップ「鑑別の確認作業」,第4ステップ「鑑別診断の見直し作業」,第5ステップ「最終診断」の5つのステップで行った.また,第1ステップにおいては疼痛構造化問診票を,第3ステップではTMD+OFP診査表を用いた.結果:本症例は確定診断に至り,それによる治療法の選択で完治した.結論:疼痛構造化問診票とTMD+OFP診査表を用いた臨床診断推論により本症例の歯痛診断への有効性を確認した.
著者
田井中 秀嗣 織田 肇 中村 清一 田淵 武夫 野田 哲朗 三戸 秀樹
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.241-249, 1998-11-20
参考文献数
22

阪神淡路大震災における勤労者のストレス-家屋被害別にみた1年半後のストレス症状-:田井中秀嗣ほか.大阪府立公衆衛生研究所労働衛生部-阪神淡路大震災被災地域に職場のあった勤労者を対象に, 震災1年半後に, 被災実態とストレス関連症状の有無を尋ねる質問紙調査を実施した.製造業, 病院, 地方公務員, 交通・港湾関連の勤労者3, 015名から回収(回収率40%)した質問票を分析した結果, ストレス関連諸症状の訴えは家屋被害が大きい群ほど高く, また, それら諸症状の訴えは時間経過に伴い減少するが, 家屋被害の大きい群では1年半後にも高い訴えを示す.心的外傷後ストレス障害(PTSD: Post Traumatic Stress Disorder)様の症状を示す者の比率を男性勤労者についてみると「家屋被害なし, あるいは軽微であった群」では, 震災直後21.8%, 3ケ月後12.9%, 1年半後3.7%であり, 直後にはかなりみられるが, 1年半後は少ない, 他方「家屋被害が大きく元の家に住むことができなかった群」では, 直後48.0%, 3ケ月後34.2%, 1年半後12.6%であり, 直後も多く, かつ, 1年半後もかなり多い.持病の再発・悪化を訴える者の比率は震災直後頃よりも3ケ月後頃に高く, 1年半後でもほとんど減少せずそのまま残る.職業上の問題としては, 失業不安, 震災後の繁忙と過労, 無理な出勤, 通勤の不便, 危険を感じながらの作業, 収入減, 勤務地の変更・出向が訴えられた.
著者
市下 望 野田 哲朗
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.87-99, 2022-03-30 (Released:2022-03-30)
参考文献数
54
被引用文献数
5

本研究は,感謝の対象を人への感謝である対人的感謝によるものと,こと・ものへの感謝である非対人的感謝によるものに統制した上で,感謝の筆記と読み上げが,反すう,楽観性,悲観性,ストレス反応に及ぼす効果について検討したものである。小学5・6年生183名を対象とし,87名を対人的感謝群,96名を非対人的感謝群に割り付けた。研究協力者は,3週間にわたり,感謝対象と内容を記載し,読み上げる活動を行った。時期はpre,post,follow-upの3水準で変化を比較した。その結果,対人的感謝群においては,感謝と楽観性の有意な上昇が見られた。非対人的感謝群においては,感謝の有意な上昇とストレス反応の有意な低下が見られた。以上の結果を踏まえ,今後の課題について考察を行った。