著者
安平 浩義 小野 航大 平山 和樹 指田 春輝 池田 裕哉 飯島 拓人 吉岡 宙 佐原 宏典 飯塚 俊明 石井 宏宗 岡島 礼奈
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
航空宇宙技術 (ISSN:18840477)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.62-70, 2023 (Released:2023-09-20)
参考文献数
21

This paper introduces Microsatellite-Friendly Multi-Purpose Propulsion (MFMP-PROP) we proposed as a promising propulsion system using low-toxic propellant for microsatellite, clarifies the development policy and positioning of MFMP-PROP among a variety of propulsion system for microsatellites, and reports the current status of its systemization with the corresponding test results. In addition, the high scalability of MFMP-PROP also makes it suitable for a wide range of missions with microsatellites of 2U to 50kg class. Though the performance of MFMP-PROP is not up to the designed value at present because of too large propellant supply in a prototype of MFMP-1U, this will be solved by optimization of the piping or adding flow adjustment elements. We will continue to further systemize MFMP-PROP and conduct environmental tests to achieve an early space demonstration and utilization.
著者
松下 幸誠 和嶋 浩一 吉田 結子 野田 哲朗 尾上 正治 石井 宏
出版者
日本口腔顔面痛学会
雑誌
日本口腔顔面痛学会雑誌 (ISSN:1883308X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.13-25, 2015-12-25 (Released:2016-05-27)
参考文献数
19

目的:この論文では疼痛構造化問診票とTMD+OFP診査表(脳神経検査含む)を用いた1人の歯痛を訴える患者の診断過程が述べられている.歯科医療に携わる者にとって歯痛診断は挑戦の連続である.また,その一方で歯痛診断は歯科医にしかできない.よって,他科との共同治療の面からも患者の現症や病歴などの情報としての診断は,その疾患の病態,治療法の知識と理解をも伴った正確なものでなくてはならない.しかしながら,臨床経験の浅い歯科医にとって,あるいは臨床経験豊かな歯科医にとっても複雑な症例を前にしたとき,それは困難な課題として専門家としての決断が揺らぐことも珍しくない.今回著者らは仮説演繹的な臨床診断推論手法と情報収集には疼痛構造化問診票,診査にはTMD+OFP診査表を用いて推論を行いその有効性を試験した.研究の選択:1名の下顎左側臼歯部の歯痛を訴える患者の診断を第1ステップ「包括的病歴採取」,第2ステップ「鑑別診断の列挙」,第3ステップ「鑑別の確認作業」,第4ステップ「鑑別診断の見直し作業」,第5ステップ「最終診断」の5つのステップで行った.また,第1ステップにおいては疼痛構造化問診票を,第3ステップではTMD+OFP診査表を用いた.結果:本症例は確定診断に至り,それによる治療法の選択で完治した.結論:疼痛構造化問診票とTMD+OFP診査表を用いた臨床診断推論により本症例の歯痛診断への有効性を確認した.
著者
高谷 甲波 大谷 道輝 野澤 茜 眞部 遥香 山村 喜一 大野 嘉子 赤羽 喜文 石井 宏幸
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.1371-1375, 2015-12-01 (Released:2015-12-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

White petrolatum is frequently used as an oleaginous base, but has a drawback of poor usability. In this trial, white petrolatum was prepared at a lower melting point to improve its usability. Characteristic pharmaceutical values such as melting point, yield, and consistency were compared between a conventional product and ophthalmic white petrolatum. Usability was compared by administering a survey questionnaire and evaluating the comparable moisturizing effect by conductivity in humans. The melting point and yield value of the improved product were significantly lower compared with other white petrolatum products. In the survey, the improved product was rated excellent in five criteria. On a scale of 1 to 5, the average values for the five criteria for the improved product were 4.7, while the conventional product and ophthalmic white petrolatum were rated 3.0 and 3.5, respectively. No difference in moisturizing effect was observed among all petrolatums after application, from day 1 to day 14. In conclusion, the improved white petrolatum demonstrated better usability, and the moisturizing effect was equivalent to conventional product, suggesting that the use of this improved product may lead to improved adherence.
著者
日野出 勇次 石井 宏二 大隅 理惠 渡口 貴美子 永田 雅博 藤田 香織 諏訪園 秀吾
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.44-53, 2020-01-25 (Released:2020-01-22)
参考文献数
3

【目的】看護師と検査技師双方の業務の効率化と医療安全面からFileMaker Proを用いた採血業務支援システムを構築した。システム活用による,日常業務中に起こる採血に関する問い合わせと採血管の間違いや医療安全上重要である採り直しの減少への取り組みの効果について検討した。【方法】検体採取容器をバーコード・リスト・検査項目のいずれからも検索できる新たな検索システムを設計した。その他の情報は,検索された表示画面にラベル関連・注意喚起・輸血関連と分類して表示し,さらに知りたい情報のボタンを押すと詳細な情報が閲覧できるように構築した。医師が採血オーダーを入れる前後とラベル発行のタイミングに応じて,看護師がシステムにて採血管に関する情報を検索することに対応できる。さらに看護師が検索したこれらの情報は,内容・日付・時間帯・部署についてログの収集を可能としたことでシステムの改善のフィードバックへ繋がる構造とした。【成績】このように得られた現場での情報を解析し,現場の意見に沿った改善を行った。システム運用後は,問い合わせ数,採血間違いや採り直しが大幅に減少した。【結論】新たなシステム構築により,看護師と検査技師双方の精神的負担の軽減による業務効率化が実現でき,再採血といった患者負担も減少した。他部門の問題点を共通の問題点として理解し取り組んだことは,お互いの信頼関係を強化できた取り組み内容と思われる。
著者
杉浦 真治 山崎 一夫 石井 宏幸
出版者
THE LEPIDOPTEROLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.12-14, 2002-01-10 (Released:2017-08-10)
参考文献数
10
被引用文献数
3

ゴマフシロキバガScythropiodes leucostola(Meyrick)(チョウ目ヒゲナガキバガ科)の幼虫が,ナラメリンゴタマバチBiorhiza nawai(Ashmead)(ハチ目タマバチ科)によってコナラの芽に形成された虫えいに穿孔し摂食しているのが観察された.これまで,虫えいを摂食するチョウ目では10科が知られているが,我々の知る限りヒゲナガキバガ科では初めての記録である.ゴマフシロキバガは様々な樹種の葉を食べることが知られており,これまで報告された多くのえい食者と同様,機会的えい食者であると考えられた.また,摂食された虫えいから,ナラメリンゴタマバチの成虫が多数羽化してきたことから,ゴマフシロキバガの幼虫による摂食が虫えい形成者に与える影響は少ないものと考えられた.
著者
石井 宏典 イシイ ヒロノリ ISHII Hironori
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.21, pp.108-121, 2010-09

2009年衆議院総選挙では「脱官僚・政治主導」の旗印の下、歴史的政権交代が行われた。これまでわが国においては、官僚機構が最大のシンクタンク機構として時の政権の政治行政における知恵袋として機能してきた。しかし近年新たな民間非営利のシンクタンク、また政党シンクタンクの創設など日本のシンクタンク文化が大きく変化しつつある。シンクタンクの定義は各国の事情に即したものであり一概に確定しきれないが、本稿ではその歴史と動向を紹介し、萌芽期にある日本のシンクタンクの現状と今後の可能性を公共哲学の理念からシンクタンク論へと結びつけ、これまで調査委託研究が主であった調査型から提案型・提言型による「新しい日本型シンクタンク」の導入可能性について言及する。その実現への大きな三段階の柱を〈公共〉〈政策理念〉〈実践〉として、日本型シンクタンクの独自性を明らかにしたい。
著者
岡田 洋一 石井 宏祐 松本 宏明 岡田 明日香 オカダ ヨウイチ イシイ コウスケ マツモト ヒロアキ オカダ アスカ Okada Yoichi Ishii Kosuke Matsumoto Hiroaki Okada Asuka
出版者
鹿児島国際大学福祉社会学部
雑誌
福祉社会学部論集 = Quarterly journal of welfare society (ISSN:13466321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.41-51, 2017-10

本研究は、アルコール臨床におけるサポートグループに関するスタッフの経験を、半構造化面接法によるインタビュー調査を通して明らかにすることを目的としている。アルコール依存症患者を主たる対象としたサポートグループに、スタッフとして参加経験のある看護師1名が調査対象者であった。現象学的分析の結果、調査対象者のサポートグループにまつわる経験が叙述された。参加メンバー、スタッフ、ファシリテーターが分け隔てなく参加する場にサポートグループがなっており、メンバーにとってはもちろんスタッフにとっても貴重な場と感じられていた。スタッフとして感情が揺さぶられるときも、サポートグループという場を守るために感情をコントロールすることができていた。回復を続けるアルコール依存症患者に出会うことのできるサポートグループは、スタッフにとって回復の希望につながる場となっていることが示唆された。The purpose of this study is to examine the lived experiences of staff involved in a support group for alcoholism care using semi-structured interviews.One nurse who had served as a staff member of an alcoholism support group was recruited as the sole participant in this study. Interview data were analyzed using a phenomenological approach. The participant's experiences of the support group were described and considered as follows.This particular support group was organized such that members, staff, and facilitators participated without distinction. For the participant, it was a place where they could interact with patients from the same line of sight.In fact, the participant felt that the support group helped promote one's growth, enabling one to interact with others on the same level. Staff often experienced unstable emotions, and the participant felt that such emotions should be controlled in order to protect the integrity of the support group.For the participant, the support group was a place where they could encounter people with alcoholism who showed continual recovery, which was inspiring. The support group seemed a place to recover hope.
著者
石井 宏典
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.64-75, 2011-09

政治学の経験的手法と規範的手法を架橋する熟議民主主義の試みは政治学の再生を掲げる重要な分野であるとともに、民主主義の形を新たに捉えなおす好機となっている。加えて、民主社会の問題解決を提案する学問である政策科学・公共政策学においても民主主義ともにキーワードとなっている「熟議」は、政策形成の仕組みを捉える点で重要な論点であり、ともに形は違えどもどちらも根源的な学問の存在意義の重要性において接近している。熟議民主主義の思想史的総括を終えて実証的・実態的側面への研究が求められる現在、熟議そのものをどう解釈するかには蓄積された実践例の分析が必要不可欠となる。本稿ではその分析に政策科学分野における一領域である「政策類型論」を用いて、政策の分類・類型化を試みたい。その意図するところは、熟議民主主義思想と実際の熟議事例の対応関係を表すとともに、政策類型により漠然として一括りにされている熟議の質、事実-価値関係と熟議民主主義に親和的な政策分類を捉えることにある。この結果は、政治学においては熟議研究の新しい切り口に、政策科学においては古典とされた政策類型論の理論的拡張と政策形成と熟議の一体化を確認することとなる。この政策類型区分には公共的観点、いわゆる公共哲学の理念を加味しており、「熟議-政策-公共」をつなぐ民主主義の形を構築するその為の一試論としたい。
著者
石井 宏明 樋端 恵美子 村山 秀喜 小林 則善 小林 龍彦 床尾 万寿雄
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.185-190, 2021

<p>HbA1cの測定方法は,高速液体クロマトグラフィ(HPLC)法のほか,免疫法,酵素法など複数存在する.本邦では従来多くの施設でHPLC法が用いられてきたが,近年酵素法や免疫法による測定が増えている.今回,免疫法でHbA1c偽高値を示した異常ヘモグロビンHbCの1症例を経験した.HPLC法では異常低値を示し,酵素法では基準値内,グリコアルブミンは基準値内であった.遺伝子解析で,<i>β</i>グロビン鎖のミスセンス変異によるHbCと診断した.HbCはアフリカに多い異常ヘモグロビン症で,日本人の報告としては非常に稀であるが,国際化に伴って日本でも症例数が増えることが予想される.HbA1cと血糖値に乖離を疑った際には,複数の方法によるHbA1cの測定,グリコアルブミンによる評価等を含めた慎重な対応が必要である.</p>
著者
渋井 二三男 高橋 三雄 柿岡 明 石井 宏
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.49-56, 1995-07-31 (Released:2017-05-31)
参考文献数
5

企業における情報処理教育(本調査では,「OA・情報関連教育」の語を使用)の現状を把握し,企業における情報処理教育の在り方を調査研究することにより,今後の施策形成の一助とすることを目的に実施した.分析の結果,(1)OA・情報関連教育は,73.4%の企業で実施されているが,その目的・内容は,伝統的な「OA教育」の範疇に従うものであり,情報の高度利用を念頭に置いたものとはいえない.(2)取締役・部長クラスに対する教育を実施している企業は少数であるが,今後は,かなりの企業が重視する意向を示している.(3)OA・情報関連教育を実施中の企業では,教育の効果に疑問を呈する意見が強く,非実施企業では実施すべき教育内容が不明確であることを問題視する意見が強い.(4)14項目の知識・能力分野によって(注)「情報リテラシー教育」観を質問した結果,(I)理系-文系軸(II)SE-プログラマー軸,(III)実務家-理論家軸の3つの因子で58.8%まで説明できることが分かった.
著者
石井 宏明 神田 学 森脇 亮 奥園 孝二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
水工学論文集 (ISSN:09167374)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.233-238, 1999
被引用文献数
2

Field observation was performed on two islands located in Tokyo Bay to investigate the atmospheric environment over Tokyo Bay by using Radio Sonde, Dopper Sodar and airplane in summer 1998.<BR>The following results were obtained; 1) The atmospheric boundary layer (ABL) over Tokyo Bay was composed of multiple layers.Especially, it was composed of three layers on August 10. 2) These multiple layers were formed by the effect of various kinds of return flows from the land. The upper boundary layer about 1250-2000m over Tokyo Bay was hotter and drier than the one over the land. 3) The airplane observation suggests that the air pollutant might be more concentrated over Tokyo Bay rather than over the land due to the difference of the boundary layer structure.
著者
石井 宏紀 相山 康道
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp."1A1-J08(1)"-"1A1-J08(4)", 2013-05-22

In this study, our purpose is to give human dexterousness to robot system and we take up Jenga game as concrete work target. This paper describes new approach for dexterous manipulation of Jenga blocks. At first, we suggest wrench motion approach which human use and wrench motion model. Then, we confirm effectiveness of wrench motion, removing Jenga blocks actually. Finally, we implement wrench motion to remove Jenga blocks system. We make robot remove Jenga blocks, and compare its result with other study.
著者
畠山 栄子 横内 靖典 田中 博明 石井 宏
出版者
城西大学
雑誌
城西大学研究年報. 自然科学編 (ISSN:09149775)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.63-79, 1991-03

今回は, 一般・集中・毎週グループの三つのグループに対し, 一般グループについては, 特別な条件は与えず, 毎週1回の体育実技を受講させ, 集中グループには5日間の集中授業のみで, その中で毎日3分間の踏台昇降運動をトレーニングとして条件を与え, その他は一般グループと同様に体育実技の授業を午前9 : 30〜午後4 : 30まで, 途中昼休みとして40分間の休憩を取っての毎日厳しい集中授業を実施。そして毎週グループは一般グループと同様, 週1回の体育実技を行うと共に毎授業時に準備運動として, 3分間の踏台昇降運動を実施した。そしてこの3グループ間の一年間の体育実技の効果を最初の測定(4月の体力測定の中の踏台昇降テスト)と最後の測定(12月の体力測定の中の踏台昇降テスト)との比較によってみたものである。ただし, 集中グループについては, 踏台昇降テストは集中授業の初日と集中授業の最終日に実施している。その結果, 何の条件も与えていないグループの最初の測定の結果と最後の測定の結果の値は, 平常脈・1回目の脈拍・2回目の脈拍・3回目の脈拍・身体効率指数, それぞれに多少良い傾向を示しているが, その差はあまり大きなものではない。つまり4月の体力(持久性に限り)からわずかながらの向上をみるに留まった。集中のグループについては短期間のトレーニングを与えることにより, 最初の測定の結果では, 一般グループを全ての平均値が大きく下まわっていたにもかかわらず, 最後には, 一般グループに追いつき, 更にはわずかながらではあるが追い越している。このことから一時的にでも継続してトレーニングをすれば, それなりの効果を上げることができる。これは当然のことであるが, そのトレーニングの内容が, わずか3分間の踏台昇降(男子40cm・女子35cmの高さの台使用)運動だけでトレーニング効果を得ているという事に興味をひくのである。最後に毎週グループについては, 当然の結果を得ているという事が証明され, やはり週に一度だった3分間の踏台昇降運動で, これ程大きな成果を上げることができたという事は, 大きな意義を持つものである。そして今回トレーニングを積んでいる者といない者とは, 脈拍ののび率の結果からもわかるように, ある刺激に対する反応の仕方がトレーニングを積んでいない者は, 大きく反応し, トレーニングを積んでいる者は反応が少ない。つまり負荷に対する許容量が大きいという事が証明された。これからも, 常日頃の運動不足により運動許容量が小さくなってきている人達は小さな刺激に対しても, 大きく反応してしまい, 各自の体力の低下が, 日常生活にも影響してくるようになる事は必然であろう。体力はちょっとした心がけで維持増進する事ができるのである。次回は, 特に毎週グループの学生の追跡調査をし, 現在の体力がどのように変化していくかを調査したいと考える。
著者
石井 宏典
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.23, pp.64-75, 2011-09

政治学の経験的手法と規範的手法を架橋する熟議民主主義の試みは政治学の再生を掲げる重要な分野であるとともに、民主主義の形を新たに捉えなおす好機となっている。加えて、民主社会の問題解決を提案する学問である政策科学・公共政策学においても民主主義ともにキーワードとなっている「熟議」は、政策形成の仕組みを捉える点で重要な論点であり、ともに形は違えどもどちらも根源的な学問の存在意義の重要性において接近している。熟議民主主義の思想史的総括を終えて実証的・実態的側面への研究が求められる現在、熟議そのものをどう解釈するかには蓄積された実践例の分析が必要不可欠となる。本稿ではその分析に政策科学分野における一領域である「政策類型論」を用いて、政策の分類・類型化を試みたい。その意図するところは、熟議民主主義思想と実際の熟議事例の対応関係を表すとともに、政策類型により漠然として一括りにされている熟議の質、事実-価値関係と熟議民主主義に親和的な政策分類を捉えることにある。この結果は、政治学においては熟議研究の新しい切り口に、政策科学においては古典とされた政策類型論の理論的拡張と政策形成と熟議の一体化を確認することとなる。この政策類型区分には公共的観点、いわゆる公共哲学の理念を加味しており、「熟議-政策-公共」をつなぐ民主主義の形を構築するその為の一試論としたい。
著者
石井 宏寿
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.137-149, 2002-04-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
47
被引用文献数
1

代表的なエンジニアリング・プラスチックであるポリカーボネート (PC) は衝撃強度, 耐熱性などに優れた透明材料として広く利用されている有用な材料であり, 主にビスフェノールA (bis-A) とホスゲンとの重縮合により工業的に生産されている. さらなる生産コストの低減とホスゲン使用による潜在的危険性の回避を目的として, Pd触媒存在下一酸化炭素を用いる酸化的カルボニル化反応に基づくビスフェノールAからのポリカーボネート一段合成法の開発を行った. 最初にフェノールから炭酸ジフェニルへの酸化的カルボニル化反応をモデル反応として, 新たにPd錯体触媒系をデザインした結果, 従来の触媒系で大量に必要であったアンモニウムハライドが不要になるPd-Sn錯体触媒系を見いだした. また, アンモニウムハライドは必要ではあるが極めて高活性な触媒としてPd複核錯体, Pd-ジイミン錯体, Pd-ビピリジル錯体触媒系を見いだし, さらにPd錯体触媒系の固定化についても検討した. これらのPd錯体触媒系を目的のビスフェノールAからのポリカーボネート一段合成法に適用したところ, 6, 6'位に置換基を有する2, 2'-ビピリジルを配位子とするPd錯体を用いることにより, 従来の触媒系を用いた場合を大きく上回る数平均分子量5600, 重量平均分子量12900のポリカーボネートを, 高収率で得ることが可能となった.
著者
鳥越 雅隆 前島 圭佑 清永 恭弘 今田 千晴 尾崎 貴士 原中 美環 石井 宏治 柴田 洋孝
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.310-316, 2014-12-30 (Released:2015-02-28)
参考文献数
16

症例は59歳女性.2012年に全身性強皮症と診断された.翌年4月,血栓性微小血管障害症に強皮症腎クリーゼを併発し,更に急性心不全も伴っていた.ACE阻害薬の内服や血液透析,血漿交換などで加療され,また重症心筋障害にはステロイドパルスが奏功した.直後に肺胞出血を生じたが,厳格な呼吸循環管理と上記治療の継続で病状は安定した.重篤かつ多彩な病態に対し集学的治療で救命し得た全身性強皮症の一例を報告する.
著者
石井 宏宗 川口 あすみ
出版者
日本経営実務研究学会
雑誌
経営実務研究 (ISSN:18805345)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.16, pp.1-18, 2021-12-31 (Released:2022-08-30)

The purpose of this study is to measure performance from the strategic segment and the customer segment using a new framework that incorporates marketing and contribution margin method in ABM-Growth-Matrix. Through this study, we succeeded in visualizing issues that could not be seen in ABM-Growth-Matrix so far. For example, in the verification of the customer segment, it is pointed out that a large amount of sales department salary is allocated to customer B, which has a low priority, instead of priority customer A, which put pressure on the net profit of customer B. In this way, ABM-Growth-Matrix makes it possible to provide such management information to management. As Kotler & Keller (2015) argues, management will be able to modify or rethink strategic from this management information. From this point of view, the new performance measurement technique in ABM-Growth-Matrix presented in this study could make it possible to provide management issues to managers and middle-managers.