著者
野田 裕子 田中 道治
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.37-43, 1993-11-30 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

本研究の目的は、統合保育場面での介入者による場面設定、健常幼児をtutor精神遅滞幼児をtuteeとして関わらせる意図的介入が両者の相互作用にどのような影響を与えるか。又、その結果からどのような働きかけが望ましいかを検討するものである。被験児は、統合保育を行っている保育所に在籍する精神遅滞幼児と健常幼児のペア8組であり、前自由場面、設定場面、介入場面、後自由場面の4場面で実験を行った。以下の結果が得られた。(1)場面を設定し、意図的介入を行うと相互作用の総数は増加する。(2)相互作用の長さは場面設定、意図的介入によっても変化はみられない。(3)意図的介入により、両者の関係が対等に近づいた。(4)場面設定、意図的介入によって相互作用の内容は否定的なものから肯定的なものへ変化した。結果より、健常幼児をtutor精神遅滞幼児をtuteeとして関わらせる意図的介入は効果的であると示唆された。
著者
下山 進 野田 裕子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.243-250, 1992-06-05
被引用文献数
21 8

本研究では, 古代染織遺物の染色に使用された染料を非破壊的に同定することを目的として, 植物や動物から得られた染料で染色した染織物に直接励起光を照射し, 三次元蛍光スペクトルを測定して, その蛍光強度の等高線図を比較検討した.この結果, 等高線図上に年輪状の輪で描かれた蛍光スペクトルビークの位置で染織物に染着している染料固有の蛍光特性が励起波長と蛍光波長によって特定できることを確認し, 染織物を破壊することなく染着している染料をそれぞれ識別できることが明らかとなった.
著者
野田 裕紀子 (村本 裕紀子)
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

インフルエンザウイルスの最大の特徴は、ウイルスゲノムが8本のRNA分節にわかれていることである。しかし「8本にわかれたゲノムRNAをどのようなメカニズムでウイルス粒子内に取り込むのか?」というゲノムパッケージング機構の謎はほとんど明らかにされていなかった。これまで、インフルエンザウイルス粒子にゲノムRNAが取り込まれる際に、8種類の遺伝子分節間にパッケージングシグナルを介したなんらかの相互作用が存在することが示唆された。つまり、パッケージングシグナルが遺伝子分節間の相性の良し悪しに関与していると予想される。そこで本研究では、遺伝子分節間の相性の良し悪しを指標として、どの遺伝子分節同士が強く相互作用しているのかを明らかにすることを目的としている。ヒトインフルエンザウイルス由来もしくは鳥インフルエンザウイルス由来のパッケージングシグナルをRNA分節の両末端に持ち、その内側には実験室株の全翻訳領域を持った変異分節をそれぞれ作製し、変異分節1分節と実験室株遺伝子7分節からウイルスレスキューを試みたところ、NP遺伝子またはM遺伝子に変異を入れると、それがヒトウイルス由来の遺伝子であっても、鳥ウイルス由来の遺伝子であってもウイルスがレスキューできないことがわかった。NP遺伝子やM遺伝子はインフルエンザウイルス蛋白質のうち、もっとも発現量が多い蛋白質である。また、パッケージングシグナルはウイルス遺伝子のプロモーター領域・ターミネーター領域にまたがる領域である。したがって、パッケージングシグナルの変異(重複)により、蛋白質発現が影響された結果、ウイルスレスキューされないと考察できた。つまり、本研究において、パッケージングシグナルを重複させると、遺伝子によってはウイルス遺伝子として機能できないことが明らかになった。
著者
下山 進 野田 裕子 勝原 伸也
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.93-100, 1998-02-05
被引用文献数
7 7

日本古来の浮世絵は, 最も広く世界に行き渡った絵画形式であり, 西洋文化に対する芸術的衝撃, 特に多くの印象派の画家たちに与えた影響は"ジャポニズム"と言われる文化現象として知られている. 1823年ごろに刷られた葛飾北斎の浮世絵"四日市"の赤色の着色料(R1〜R3)と黄色の着色料(Y1〜Y3), そして1821年ごろに刷られた五渡亭国貞の浮世絵"木母寺暮雪"の青色の着色料(B1〜B3)について, それらの非破壊分析を光ファイバーを用いる三次元スペクトル法によって実施した. 色刷り標準試料のそれぞれと三次元蛍光スペクトルの等高線図を比較した結果, 赤色の着色料はベニバナの花弁から得られた染料"サフラワー", 黄色の着色料はウコンの根から得られた染料"ターメリック", そして青色の染料は藍の葉から得られた染料"インジゴチン"であることが明らかとなった.
著者
野田 裕子 田中 道治
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.37-43, 1993-11-30
被引用文献数
5

本研究の目的は、統合保育場面での介入者による場面設定、健常幼児をtutor精神遅滞幼児をtuteeとして関わらせる意図的介入が両者の相互作用にどのような影響を与えるか。又、その結果からどのような働きかけが望ましいかを検討するものである。被験児は、統合保育を行っている保育所に在籍する精神遅滞幼児と健常幼児のペア8組であり、前自由場面、設定場面、介入場面、後自由場面の4場面で実験を行った。以下の結果が得られた。(1)場面を設定し、意図的介入を行うと相互作用の総数は増加する。(2)相互作用の長さは場面設定、意図的介入によっても変化はみられない。(3)意図的介入により、両者の関係が対等に近づいた。(4)場面設定、意図的介入によって相互作用の内容は否定的なものから肯定的なものへ変化した。結果より、健常幼児をtutor精神遅滞幼児をtuteeとして関わらせる意図的介入は効果的であると示唆された。