著者
石田 久之 天野 和彦
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
筑波技術大学テクノレポート (ISSN:24354856)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.6-10, 2009-12

欧米の字体については、Russell-Minda, E. 他(2007) [1] により、 Times New Roman のような“ひげ飾り(上下端の細い飾り)”のある文字(セリフ文字)よりも、Arial(アリアル/エアリアル)、Verdana(ベルダナ)などのひげ飾りのない文字(サンセリフ文字)が、視覚障害者には読みやすいと報告されている。これをふまえ、日本語の書体について、視覚障害学生の読みやすい文字を、以下のように解説した。第1 に、使用する文字の大きさと無関係に、明朝系の文字を好む学生は多くはない。第2 に、14ポイントのような比較的小さな文字を使う学生は、MS ゴシックやHG 丸ゴシックなど、あまり太くないゴシック系の文字を好む。しかし、使用する文字が大きくなるにつれ、ゴシック系でも太い字体、MG ゴシックやHGS 創英角ゴシックへと読みやすい書体が移っていく。
著者
初澤 敏生 天野 和彦
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2020年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.216, 2020 (Released:2020-03-30)

1.コミュニティFMとは コミュニティFMは1992年に市区町村単位の地域を対象として制度化された半径10〜20km程度の範囲を受信エリアとする地域限定のラジオ放送局である。地域に密着した放送局であることから、地域の災害対応などで大きな役割を果たすことが期待されている。しかしその活動の実態に関しては十分に把握されていない。本研究では福島県須賀川市のコミュニティFMであるULTRA FMを事例に、令和元年台風19号への対応を検討する。 2.ULTRA FMの概要 ULTRA FMはまちづくり会社「こぷろ須賀川」が運営するコミュニティFMである。「こぷろ須賀川」は須賀川市、須賀川商工会議所、地元企業等の出資によって2017年に設立された第三セクターで、中心市街地の活性化に取り組んでいる。ULTRA FMは2019年1月11日の開局であるが、2018年11月12日に須賀川市との間で「災害時における放送要請及び緊急放送等に関する協定」を結んでいる。設立当初から災害対応が期待されていたと言える。 運営に当たる職員は営業を含めて5名であるが、パーソナリティは30名を超える。年間運営経費は人件費を除き約1500万円、このうち約800万円が須賀川市からの補助金である。放送時間は24時間であるが、独自番組(生放送)は月〜金曜日は6時間、土・日曜日は2時間で、残りの時間は東京FM系のMusic Birdから番組を購入して放送している。 3.ULTRA FM設立の背景 ULTRA FMの設立に当たっては、何人かのキーパーソンがいた。その一人が「こぷろ須賀川」副社長のA氏である。A氏は東日本大震災の際に須賀川市の災害FMの運営に当たったが、これは短期間で閉局を余儀なくされた。A氏はその後もラジオを用いたまちづくりを追及し、ULTRA FMの開局につなげた。 局長を務めるB氏は地元の地域紙である「マメタイムス」の記者を長く務め、地域の事情に精通している。 ディレクターを務めるC氏は東京FM系の制作会社に勤めていたが、ふくしまFMの設立にともなって移籍、その後独立して活動していたが、2010年に郡山市のコミュニティFM設立に携わり、その後郡山市に避難していた富岡町のコミュニティFMを運営し、ULTRA FMの設立にともなって現職に就いた。 このように、ULTRA FMではキーパーソンがいずれも東日本大震災を報道・放送の場で経験し、その後の災害FMの運営などに関わっていた。災害対応に強い思いを持つ人々がこの放送局の核となっている。それが令和元年台風19号への対応に活かされた。 4.令和元年台風19号への対応 ULTRA FMは通常は夜間は無人で放送を行っているが、台風19号は夜に来ることがわかっていたので、10月12日から13日にかけてはA・B・C3氏と急を聞いて駆け付けた市内のパーソナリティの方、計4名で24時間体制で放送を行った。 放送にあたって課題になったのは情報収集である。前述のとおりULTRA FMは市と災害協定を結んでいた。市としては風雨が強い際には防災無線が聞こえない恐れがあるため、ラジオ放送でそれを代替したいと考えていた。そのため、災害時には市が情報を提供することになっていたが、十分な情報が伝えられなかった。そのため、A氏とB氏が市内を取材して、C氏とパーソナリティの方が放送を担当した。A・B両氏は市内の状況を熟知していたため、どこが被災しやすいかを知っており、そこを取材した。取材内容は電話を通して放送された。 5.今回の対応の課題 ULTRA FMの今回の対応で最も大きな課題は情報収集である。従業員数5人のFM局の取材能力は限られる。そのために市と災害協定を結んで情報提供を受けることになっていたが、市からの情報提供は滞りがちになり、独自の情報収集を強いられた。発災時、市には様々な情報が集まる。それを市民と共有することが必要である。 また、放送に関する課題もある。ULTRA FMは通常の番組の途中に臨時ニュースを流す形をとったが、このような放送では、より多くの情報を求める人々は他の手段を求めることになろう。従業員数から見ればやむを得ないことではあるが、災害時の番組編成を再検討する必要がある。行政等と連携した日常的な準備を期待したい。
著者
天野 和彦 金堀 利洋 中村 文信
出版者
筑波技術大学学術・社会貢献推進委員会
雑誌
国立大学法人筑波技術大学テクノレポート (ISSN:18818587)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.151-160, 2008

筑波技術大学保健科学部としては第1回、筑波技術短期大学視覚部時代からは通算で6回目のアメリカ研修を平成19年3月7日から同15日までの日程で行った。 研修期間の前半は大学間交流協定締結校のひとつであるニューヨーク州立大学バッファロー校(UB)を訪れた。訪問した学内の障害補償支援センターやニューヨーク州西部生活自立支援センターでは、高等教育機関やニューヨーク州・アメリカ国内における障害者支援や社会自立について理解を深めた。語学研修センターでは実際の授業に参加する機会を得た。 期間の後半は場所をニューヨーク市に移して、参加学生自らの立案により、東洋医学に関するプログラムを提供しているパシフィック・カレッジ・オブ・オリエンタル・メディスン(PCOM)を主たる研修先として訪問した。そこでは、アメリカ国内での東洋医学の現状と今後の展望などについて理解を深めた。
著者
近藤 史生 天野 和彦 田中 亜紀子 向野 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.196, pp.9-12, 2002-07-06
被引用文献数
2

ヒトの動きは多関節多軸を連動させることにより、手先の微細な動きやスポーツ動作のようなダイナミックな動きを可能としている。スポーツ選手のパフォーマンスの低下が生じる際には、この多関節の連動のうち、いずれかの部位に原因があると考えられる。本報告では、卓球競技歴7年以上のスポーツ選手を対象にして多関節の連動異常を調べる理学検査法である経絡テストにおける負荷動作のうち肩関節屈曲動作を鍼刺激前後において三次元計測した。
著者
天野 和彦 神田 亮 下田 達也 向野 義人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.644, pp.37-40, 2005-01-22

ヒトの動きは筋と骨格と多関節を連動させることにより、手先の微細な動きやスポーツ動作のようなダイナミックな動きが可能となる。しかし、ヒトの身体は動きに異常があると本来の運動能力を発揮できないことが起こる。そこで、本研究ではヒトの筋と骨格と多関節を連動させた負荷動作を体系化し、身体の動きに支障のある系統と関係する東洋医学の治療点の選択を目的とした負荷動作の指導をするweb用三次元CGの開発をした。その結果、三次元CGによる負荷動作の人体モデルと、身体の動きの異常を修復するツボの選択を指示する写真画像とを関連付けるwebを介したバイオメカニックス的な治療指導の見通しを得た。