著者
船橋 高志 金川 明弘 太田 宏
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.209-216, 1993

チェーン・サンプリング検査方式とは, 同一生産条件のもとで連続生産されるロットの受け入れ検査において, 当該ロットの検査結果のみならず過去の検査結果の履歴をも考慮して, その合否を決定する方式である, そのため, 検査ロットからの検査情報のみで合否判定を行うその他の一般的な抜取検査と比べて, サンプルサイズは小さくすむ反面, "工程品質一定"の仮定のもとに検査が構築されていることから, 工程変化の早期発見という点においては余り期待できない.本論文では, チェーン・サンプリング検査方式が適応される従来の基本仮定を踏襲しつつも, 最新の検査情報に比重をおき, 工程変化を敏感に検出することを目的に, 対象ロットに対して二回抜取検査を実施する検査方式を提案する.あわせて, 工程変化に対する検出特性並びに検査における運用コストについて, 従来のチェーン・サンプリング検査方式との比較を行い, 提案検査方式の有効性を検証する.
著者
吉長 裕司 金川 明弘 川畑 洋昭
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.3252-3255, 2003-12-15

大学生を対象としたタッチタイピング教育において,打鍵能力に加えて学習者の初期熟達感(慣れの意識)を測定した.「少し慣れた」以上の初期熟達感に達した日と,練習目標とした自己流タイピングの入力時間を更新した日との関係に着目し,学習者を,(1)「慣れた日」が「更新した日」より早い群,(2)「慣れた日」と「更新した日」が同じ群,(3)「更新した日」が「慣れた日」より早い群の3群に分類した結果,3群間の自己流タイピングの入力時間に1%水準で有意差があることが確認された.この結果に基づき,各群の習熟特性を考察するとともに,学習者の自己流タイピングと初期熟達感を考慮に入れた練習目標の設定方法を提案した.
著者
小野 勉 宮崎 茂次 金川 明弘
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.218-226, 2005-08-15

人が移動するとき、人全体の移動の効率をあげるには、どのような対策を施せばよいかを考察する。まず、人と物の移動を、それぞれ体系的に整理し、その後、人が移動するときの移動補助手段を有効活用するための課題を述べる。移動補助手段の利用効率を上げるには、その需要をなるべく小さい誤差で予測し、それに合わせた効率的な供給が実現できればよい。本論文では、人流の移動補助手段の需要予測を説明する数理モデルを提案し、その精度について検証する。また、その数理モデルによる需要予測の説明変数には、日付、曜日、時刻のような時間的な要因、天候、風速、風向、気温、また湿度のような気象要因、住宅地や工業地や商業地や夜の飲食街のような地域要因、交通事故、交通規制、イベント(各種の祭、店舗の開閉店、入試、卒業式、入学式、学会など)のような突(単)発要因などが考えられる。数理モデルを作成するにあたり、これらの要因の有効性を実在するO市のタクシーの輸送履歴について検証することにする。
著者
大内 智 金川 明弘 太田 宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.1805-1807, 1993-12-25
被引用文献数
1

信頼性受入れ試験に関して,試験時間ならびにサンプルアイテムの個数といった観点から,効率の良い検査方式として,ロットの合否判定領域を多段に設けるマルチステージ方式が考えられている.しかしながらこの方式は,たとえアイテムの寿命分布に指数分布を仮定したとしても,ロット合格確率の表現が複雑で,目標とする検査方式を得ることは一般には困難である.本論文では,マルチステージ検査方式において,判定保留となったときに,故障した試験サンプルをすべて取り替える方式を採用することにより,合格確率を陽な形式で与えた.その結果,マルチステージ検査方式の容易な設計を可能とした.
著者
渡邊 浩和 小野 勉 松永 昭浩 金川 明弘 高橋 浩光
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.119-126, 2001-02-15
被引用文献数
1

複数巡回セールスマン問題(MTSP)とは, 複数のセールスマンが与えられた都市を巡回訪問するとき, ある評価関数値を最小にするような各人の巡回経路を求める組合わせ最適化問題である.この経路を求めるにあたって, 各セールスマンの担当経路の輻輳は最大限避ける一方で, 各セールスマンの担当経路長はなるべく均等化することが望ましい.本論文では, MTSPの一つの近似解法を提案する.提案の解法は, ファジィクラスタリングにより, 各人の担当経路の中心部分のみを決定しておき, 残された都市の各クラスターへの挿入を通して担当経路長の均等化を計るアルゴリズムである.MTSPの一種であるN-TSPに関して, Fredericksonらのツアー分割アルゴリズムとの解の比較を行い, 提案法の有効性を示す.
著者
原 裕一 金川 明弘 山内 仁 高橋 浩光
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.344, pp.11-16, 2006-11-06

GPにおける島モデルの研究は遺伝的アルゴリズム(GA)に比べてその報告数は少なく,また過去の研究よりその効果はGAより良好な結果ではないことが示されている.本報告ではGPの探索の性質に沿ってGP独自の島モデルとして異文化型島モデルを提案しその有効性をいくつかの問題に対して適用することで実験的に示す.