著者
高橋 原 鈴木 岩弓 木村 敏明 堀江 宗正 相澤 出 谷山 洋三 小川 有閑
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

東日本大震災の被災地において、大量死に直面し悲嘆を抱える人々は様々な形で死者の霊の表象と向き合っており、それが「心霊体験」として表現されたときに、宗教者は地域文化や各宗派の伝統を参照しながら臨機応変に対応していることが明らかになった。本研究ではその対応の特徴として、 (1)受容と傾聴、(2)儀礼の提供、(3) 倫理的教育、(4)自己解決(自然治癒)の了解、という諸点を指摘したが、これは、さまざまな支援者が存在する中で、宗教者が担い得る「心のケア」の特質を考える時に貴重な示唆を与えるものである。
著者
鈴木 岩弓
雑誌
山陰地域研究 (ISSN:0911615X)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.伝統文化13[13]-伝統文化32[32], 1986-03
著者
山田 慎也 金 セッピョル 朽木 量 土居 浩 谷川 章雄 村上 興匡 瓜生 大輔 鈴木 岩弓 小谷 みどり 森 謙二
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

現代の葬儀の変遷については、整理を進めている国立歴史民俗博物館蔵の表現文化社旧蔵の葬儀写真を順調にデジタル化を進め、約35000のポジフィルムをデジタル化をおこなった。昨年度、さらに追加の資料が発見寄贈されたので、デジタル化を進めるための情報整理を行っている。また近親者のいない人の生前契約制度等の調査は、それを実施している横須賀市の具体的な調査を行った。一定の所得水準以下の人だけを対象としていたが、それ以上の人々も希望があり、死としては対応を迫られていることがわかった。また相模原市や千葉市などでも行政による対応がなされ、千葉市の場合は民間業者との連携が行われていることがわかった。また京都や大阪での葬送儀礼や墓の変容については、その歴史的展開の相違から東京という政治的中心とは異なる対応をとってきていることが調査によって判明した。そこでその研究成果について、民間の文化団体と協力して「上方で考える葬儀と墓~近現代を中心に」というテーマで、大阪天王寺区の應典院を会場にでシンポジウムを開催した。当日は人々の関心も高く、約150名ほどが集まり会場は立ち見が出るほど盛況であった。また3月には、葬儀の近代化によって湯灌などの葬儀技術や情報が東アジアに影響をおよぼし、生者と死者の共同性に影響を与えていることを踏まえ、東南アジアの多民族国家における葬儀と日本の影響を把握するため、マレーシアの葬祭業者や墓園業者などの調査を行い、またマレーシア死生学協会と共催で国際研究集会「葬送文化の変容に関する国際比較―日本とマレーシアを中心に―」を開催し、両国のおける死の概念や葬儀産業の役割、専門家教育などについて検討を行った。