著者
有吉 美恵 錦谷 まりこ
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.50-60, 2021-07-31 (Released:2021-07-31)
参考文献数
28

This study focuses on how the imbalance between efforts and rewards relates to active participation in the social and labor markets of senior citizens who retire from the front line of corporate organizations, and it aims to clarify how others’ words are related to their intention to continue in social activities. We asked 104 senior and pre-senior individuals who participated in social activities to describe the words they were happy with and asked about effort-reward imbalance and their intention to leave. Text mining and analysis using KH Coder revealed that there was a difference in characteristic words between when receiving rewards and when no rewards were received. When receiving rewards, words that evaluated work and behavior were seen as characteristic words. On the other hand, when there was no reward, words that focused on the existence of individuals were also seen as characteristic words. This suggests the importance of paying attention to and recognizing the senior generation’s attitudes and actions rather than merely providing monetary rewards.
著者
竹内 武昭 中尾 睦宏 野村 恭子 錦谷 まりこ 矢野 栄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.103-110, 2007-02-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21
被引用文献数
4

ストレス自覚度や社会生活指標が,筋骨格系症状に及ぼす影響を評価するため,日本の国民統計データの解析を都道府県単位で行った.国民生活基礎調査,人口動態統計,厚生労働省衛生業務報告に基づき,1995年と2001年におけるストレス自覚度と19の社会生活指標の計20変数を抽出し,腰痛,関節痛,肩こりの有訴率との関連を調べた.因子分析の結果,19の社会生活指標は,「都市化」「加齢と生活の規則性」「個人化」の3因子に分類されたが,ストレス自覚度は,「都市化」因子に属する社会生活指標8変数と有意な相関があった.重回帰分析により,そうした「都市化」因子の影響を調整しても,ストレス自覚度は,腰痛(1995年と2001年)・関節痛(2001年のみ)・肩こり(1995年と2001年)と有意な関連が認められた.ストレス自覚度は,「都市化」因子と密接なつながりがあったが,その交絡要因の影響を調整しても,筋骨格系症状の有訴率に関連していることが示唆された.
著者
井上 まり子 錦谷 まりこ 鶴ヶ野 しのぶ 矢野 栄二
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.117-139, 2011 (Released:2011-08-04)
参考文献数
110
被引用文献数
14 18

非正規雇用者の健康に関する文献調査:井上まり子ほか.帝京大学大学院公衆衛生学研究科―目的:非正規雇用者の健康に関する原著論文を収集して整理し,その内容を概観することを目的とした. 方法:非正規雇用に関連するキーワードをもとに,米国国立医学図書館のMEDLINEと医学中央雑誌刊行会の医中誌webで検索して文献を入手した.各文献を研究方法,調査データの種類,標本規模,調査国,結果となる健康指標,非正規雇用の定義,主な研究結果について整理して分析した. 結果:条件に該当したのは英語論文68編であった.これらの論文を結果指標である労働災害,身体的健康,精神的健康,代替的健康指標の4種類に分け,研究デザイン(コホート研究,症例対照研究,横断研究)別に概観した.非正規雇用者の健康状態が正規雇用者と比べて悪かったのは,一部の労働災害による傷病と身体的健康における死亡率であった.精神的健康ではGeneral Health Questionnaire等の指標を用いた研究で,概して非正規雇用で健康状態が不良であると結論づけた研究が多くみられた.そのほかの代替的健康指標として,医療へのアクセスについても非正規雇用で限りがあるという傾向や,非正規雇用者では正規雇用者と比べて病気による休職や欠勤が少ないという傾向が認められた. 考察:非正規雇用者で正規雇用者より健康状態が悪い場合が,複数の研究から示された.不安定な雇用契約や,しばしば変化する職場環境下で働かざるをえない非正規雇用者の負の側面が,健康に影響を及ぼす可能性がある.一方,正規雇用者の健康度が悪いと結論づける研究もあり,雇用形態が多様化する社会においては雇用形態を問わず健康度が悪化する可能性がある. (産衛誌2011; 53: 117-139)