著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は,資料の電子化が迫られる大学図書館を対象に,格差の実態とその変動を明らかにすることである。本研究では,『日本の図書館―統計と名簿』に掲載されているデータをもとに,国公立大学の図書館資料費および図書館職員について,大学間・大学間格差を分析した。また,格差の具体的な状況を明らかにするため,国公立大学を対象とした聞き取り調査も実施した。本研究が明らかにした重要な知見は,電子ジャーナル費や雑誌費,正規採用の司書数で,大学階層間格差が拡大していることである。研究と教育の両面において,大規模大学ほど図書館資源が潤沢である一方,小規模大学が苦境に立たされている実態が浮き彫りになった。
著者
長谷川 哲也 内田 良
出版者
THE JAPAN SOCIETY OF EDUCATIONAL SOCIOLOGY
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.259-280, 2014

本研究の目的は,大学図書館の図書資料費に関して,大学間の格差の実態とその推移を明らかにすることである。資料の電子化という地殻変動のなかで,大学間の格差はどう変容してきたのか。図書館研究と高等教育研究はいずれもこの問題を等閑視してきただけに,格差の全体像を丁寧に検証することが求められる。 とくに高等教育の資源格差は,各大学の機能の相異として是認されうるため,本研究では4つの視点──大学間の不均等度,大学階層間の開き,時間軸上の変化(縦断的視点),大学本体との比較(横断的視点)──を用いて多角的に分析をおこなう。分析には『日本の図書館』の個票データを用いた。国立大学法人化以降(2004-2011年度)の図書費,雑誌費,電子ジャーナル費に関して,「大学間格差」(個別大学間の不均等度)を算出し,さらに「大学階層間格差」(群間の開き)を明らかにした。<BR> 主な知見は次のとおりである。第一に,電子ジャーナル費では大学間の不均等度は縮小しているものの,階層間格差はむしろ拡がっている。これまで電子ジャーナルの購読では階層間格差は小さくなると考えられてきただけに,重要な知見である。第二に,雑誌費では大学間の不均等度が高くなり,さらに階層間格差が拡大するという,深刻な事態が生じている。「電子化」の背後で進むこれら図書資料費の「格差化」にいかに向き合うかが,大学図書館の今後の課題である。
著者
谷川 恭雄 長谷川 哲也 黒川 善幸 森 博嗣
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

平成7年度は、RC構造物の外壁仕上げ材の剥離調査のためのサーモグラフィー法および内部探査のための電磁波レーダ法に関して、以下のような研究を実施した。1)剥離調査のためのサーモグラフィー法の適用限界に関する実験および解析:人工空隙を有するコンクリート試験体の両面の温湿度を自動制御して一連の実験を行った。また、3次元有限要素法解析プログラムを用いて、実験結果の検証を行うとともに、各種環境条件下における適用限界および最適計測条件を明らかにした。2)内部探査の電磁波レーダ法に関する研究:構造体中の内部欠陥や鉄筋位置を探査するためのモデル実験を行うとともに、ハギア・ソフィア大聖堂(トルコ・イスタンブル)の劣化度調査に本手法を適用した。その結果、本手法の有効性を明らかにするとともに、ハギア・ソフィア大聖堂の2階ギャラリー部において過去に報告されていなかった数本の補強材を新たに発見した。平成8年度は、RC構造物の外壁改修のための立体不織布・アンカーピン併用工法に関する研究に関して以下の2シリーズの研究を実施した。1)使用材料の選定実験:試験版体を作成し、版のせん断力試験、層間接着耐力試験、曲げ耐力試験などを行った。また、版とピンの接合耐力試験、アンカーピンの配置とワッシャー径の決定、負圧に対する検討などを行った結果、水平方向に負圧を受ける版体の最大耐力は、フィラーを含むモルタルの強度に依存すること、繊維を太く、亀甲状の網目部分の面積を大きくしたネットが有利であることなどが明らかとなった。2)改良繊維の検証試験:改良されたネットの性能を検証した結果、それらの改良効果を確認すると共に、下地層を設けることで、アンカーピンとの接合強度を向上させることができた。