著者
田所 秀和 長谷川 揚平 石山 政浩 松崎 秀則
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2016-OS-138, no.15, pp.1-7, 2016-08-01

スケーラビリティの向上を目的として Key Value Storage (KVS) を利用したストレージシステムが使われつつある.このようなストレージシステムでは,KVS を複数利用して Storage Pool を作成し,ユーザは Object や Block など用途に合わせた Storage Interface を通して Storage Pool 上の KVS を利用する.今般,SSD などの高速なストレージデバイスを活用して KVS を高速化する技術が進展しており,それと並行して Storage Interface の高速化も重要になりつつある.そこで本稿では,高速な KVS やネットワーク環境を十分に利用することができる高速な Block Interface を提案する.このシステムでは Linux(R) カーネルの Multi-Queue を利用しつつ,効率良く KVS と通信を行うことで,高い性能を達成している.memcached を用いた実験により,4KB ランダムリードで 1Miops を越える性能を確認した.
著者
関 直臣 ジャオ レイ 小島 悠 池淵 大輔 長谷川 揚平 大久保 直昭 武田 晴大 香嶋 俊裕 白井 利明 宇佐美 公良 砂田 徹也 金井 遵 並木 美太郎 近藤 正章 中村 宏 天野 英晴
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.93, no.6, pp.920-930, 2010-06-01

本論文はパワーゲーティング(PG)を使った演算器レベルでの動的スリープ制御による消費電力削減機構の実装及び評価を行う.MIPS R3000のALUからシフタ,乗算器,除算器を分離し,それぞれを動的にパワーゲーティングを行う.省電力化を施したR3000コアと16kByteのL1キャッシュ,TLBを合わせて,ASPLA 90nmで試作チップGeyser-0としてテープアウトした.Geyser-0の性能,電力と面積をポストレイアウト後のシミュレーションにより評価した.この結果,4種類のアプリケーションについてリーク電力は平均約47%減らすことができた.一方,スリープ制御の実装によって生じたエリアオーバヘッドは41%であった.
著者
天野 英晴 長谷川 揚平 中村 拓郎 西村 隆 TANBUNHENG Vasutan
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.247, pp.19-24, 2006-09-08
被引用文献数
7

動的リコンフィギャラブルプロセッサ用の簡単かつ効率の良いコンテキスト制御機構およびコンフィギュレーション手法を提案し、プロトタイプチップMuCCRA(Multi-Core Configurable Reconfigurable Array)-1への実装と評価について示す。まず、コンテキストカウンタをベースとしたコンテキスト間接分岐方式を用いたコンテキスト制御を提案する。この方法は、コンテキストの飛び先をPEアレイ上のデータが指定する方法で、状態遷移表が必要がなく、高速かつコストが小さい。また、I/O操作とコンフィギュレーションデータ操作をほぼ同様のダブルバッファを用いて制御するセミシンメトリックコンフィギュレーション方式を提案した。コンフィギュレーションデータをRoMultiC機構を用いてマルチキャストすることで、コンフィギュレーションデータ転送時間はほぼ隠蔽することができる。Rohm社0.18μmCMOSプロセスによる合成の結果、これらの制御機構の占める面積はPEアレイ全体の3%以下であることが明らかになった。