- 著者
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阿部 利徳
- 出版者
- 日本育種学会
- 雑誌
- 育種学研究 (ISSN:13447629)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.1, pp.1-10, 2011 (Released:2011-03-11)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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ダダチャマメ系の10品種の特性を2007年および2009年の両年にわたり解析した.ダダチャマメ系品種は夏ダイズ型に属し,ほとんどの品種は胚軸の色が緑で白花であったが,2品種は胚軸の色が紫を帯び紫花であった.成熟期のダダチャマメ系品種の種皮は褐色であり,粒形は扁楕円体で種皮に皺があるが,皺の程度には品種間差異が認められた.エダマメの調査は開花35日後(100粒重は成熟期の55日後)に行ったが,2007年と比較し2009年は開花が5~6日遅れ,また,収量に関係する形質は2009年の方が良好であり,さらに顕著な品種間差異が認められた.開花までの日数と収量に関係する形質,すなわち全重,莢付き重,1株莢数および1株莢重などの形質と高い有意な正の相関があった.また,主茎節数と全重や1株莢数などの形質との間にも有意な相関が認められた.中生の代表的な品種である白山ダダチャの1株莢重は140~185 g程度であった.食味に関係する成分として,エダマメ中の遊離アミノ酸および糖を分析した結果,遊離アミノ酸として, γ-アミノ酪酸(GABA),α-アミノ酪酸(AABA)およびオルニチンを含めて23種の遊離アミノ酸が検出された.分析に用いたダダチャマメ系品種のエダマメにはいずれの年にも,全遊離アミノ酸が新鮮重100 g当たり800 mg以上含まれ,ダダチャマメ系以外の2品種より多かった.遊離アミノ酸に占めるグルタミン酸,アスパラギンおよびアラニンの3種のアミノ酸の割合は55%であった.またエダマメに含まれる糖には,スクロース,グルコース,フルクトースおよびイノシトールの4種が認められた.このうちスクロースは平均して全糖の85%を占めた.ダダチャマメ系品種は,両年ともに新鮮重100 g当たり約4~5 gを含有していたが,ダダチャマメ系品種以外のエダマメの2品種は,3 g前後であり明らかな品種間差異が認められた.また,全遊離アミノ酸および全糖含量の間には高い正の相関が認められた.