著者
加賀屋 勇気 大倉 和貴 皆方 伸 土田 泰大 阿部 芳久 塩谷 隆信
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.55-61, 2020-08-31 (Released:2020-09-02)
参考文献数
23

心不全患者では,労作時の呼吸困難・倦怠感による運動耐容能低下が問題点となることがある.こうした労作に伴う症状は心機能が低下した結果と捉えられがちだが,吸気筋の筋力低下が影響している可能性がある.実際に,心不全患者の吸気筋力は同世代の健常者と比較して低値を示し,吸気筋力は心不全患者の予後規定因子でもある.さらに吸気筋力が低下した患者に対する吸気筋トレーニング(IMT)では運動耐容能,呼吸困難感,QOLの改善が期待できる.一方で,心不全は,他の疾患よりもトレーニングによる心負荷に考慮が必要である.30-40%PImaxの強度ではバイタルに大きな変動はないが,期外収縮の頻度が若干増加する場合もあるため,症例によってはモニタリング下での実施が望ましい.心不全患者に対するIMT研究が進むとともに,IMTが心不全治療の一選択肢として認識されていくことが期待される.
著者
徳田 誠 湯川 淳一 井村 岳男 阿部 芳久 Keith M. Harris
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.185-188, 2009-11-25 (Released:2009-12-16)
参考文献数
26
被引用文献数
5 8

In June 2005, an unidentified species of Dasineura (Diptera: Cecidomyiidae) that induced leaf-fold galls on cultivated roses was found in a greenhouse in Heguri, Nara Prefecture, Japan. Similar Dasineura species have been known to occur in Japan on two wild roses, Rosa multifolia and R. rugosa. In Europe, rose leaf midge, Dasineura rosae, induces leaf-fold galls on both cultivated and wild roses. In order to confirm the phylogenetic relationship among Rosa-associated Dasineura species, we analyzed a partial region of the mitochondrial DNA cytochrome oxidase subunit I (676 bp) gene. The nucleotide sequence of the Dasineura species collected from cultivated roses in Nara was identical to that of gall midges that induced leaf-fold galls on wild R. multiflora in Nara and Kyoto Prefectures, Japan. However, D. rosae and Dasineura sp., which are associated with R. rugosa, were phylogenetically distinct from them. This indicates that the Dasineura sp. associated with wild R. multiflora has invaded the greenhouse in Nara Prefecture and infested the cultivated roses.
著者
阿部 芳久
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.49-55, 1989-09-30
被引用文献数
1

本事例では、自閉児を対象にして、生活場面で機会利用型指導法を適用し、書字による要求言語を形成した。その後、指導成果の般化の状態から、要求言語形成、及び般化を促進するための先行要件について検討した。その結果、次のことが指摘された。要求実現のために大人を意図的に利用することが学習されていない自閉児に対しては、般化促進技術について論議する以前に、まず、要求充足者との依存関係を成立させることが必要であり、その後に、要求実現のための、充足者への働きかけの手段を豊富にしてやることが不可欠である。さらに、反応般化を促進させるためには、要求言語行動の一部となる語をできるだけ多く、あらかじめ形成しておくことが重要である。