著者
楊 曉光 飯田 恭敬 宇野 伸宏
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.597, pp.113-126, 1998-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

線形計画法を用いた都市高速道路の流入制御モデル (LP制御モデル) は, 理論的に明快であり, かつモデルの操作性, 実用性の点でも優れているが, 基本的には交通状態の定常性を仮定できる場面への適用に限定されている. 本研究では, 流入交通需要と本線上の交通状態の時間変化を考慮可能な流入制御モデルを構築するため, LP制御モデルを基礎として, その動学化を図る. 渋滞予防の制約条件としてリンク容量制約に加えてリンク走行速度制約を導入し, 交通状態が非定常な場合あるいは本線上に軽微な渋滞が存在している場面にも適用可能な制御モデルとする. 提案した動的制御モデルを用いた数値計算を通して, モデルの挙動を確認するとともに, 動的流入制御手法の役割を明確にする.
著者
柳澤 健 新田 收 笠井 久隆 猫田 泰敏 飯田 恭子 菊池 恵美子 長田 久雄 福士 政広 齋藤 秀敏 福田 賢一
出版者
日本保健科学学会
雑誌
東京保健科学学会誌 (ISSN:13443844)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.276-281, 2000-03-25 (Released:2017-10-27)

東京都立保健科学大学生の国家試験合否予測などを目的として、東京都立医療技術短期大学生の入学・在学時成績と医療系国家試験合否との関係を(1)入学選抜方法と国家試験合否, (2)入学選抜方法(一般入試・推薦入試)と退学・除籍者数, (3)一般人試成績と国家試験合否, (4)学内成績と国家試験合否, (5)一般入試成績と学内成績, および, (6)国家試験の得点予測の6項目に分けて統計学的に分析した。対象は同短期大学に入学した1,132名で, 入学選抜方法, 一般入試成績, 学内成績, および国家試験の合否を指標に調査した。その結果, (1)入学選抜方法の相違による国家試験合格率に有意差はなかった。(2)一般人学に比べ推薦入学で退学・除籍者が多い傾向がみられた。(3)一般入試の成績は国家試験合格群と不合格群の間で有意差がなかった。(4)多くの学内主要科目の成績において国家試験合格群は不合格群に比べ高得点であった。(5)一般入試成績と学内成績との間に相関はなかった。(6)4学科のうち2学科で国家試験の得点予測式を試作した。
著者
田中 貢 井上 亮 飯田 恭敬 三星 昭宏 佐野 洋人 末績 和正 柳原 崇男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.715-724, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

本研究では, 歩行者ITSのバリアフリーシステム構築を目的としている. この社会実験は大阪梅田地下街を対象として行なわれた. そこで, 健常者, 身体障害者 (肢体不自由者, 視覚障害者, 聴覚障害者) の歩行者ITSにおけるニーズや必要な要件を把握した. そして, バリアフリーの視点から歩行者ITSの考察を行なった.
著者
飯田 恭
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

19 世紀前半のプロイセン農業改革の過程において、農民の領主に対する建築用木材の請求権の償却が重要な争点の一つになっていた、ということが本研究の第一の発見である。この発見を出発点としつつ、本研究は、領主の農民に対する建築用木材下付の史的展開を、17-19 世紀のより長期の歴史的展開の中で論じた。これは従来農業史的文脈のなかで論じられてきたグーツヘルシャフトの歴史を森林史的文脈において論ずる新しい試みである。また以上のプロイセン史に関する実証的知見をもとに、日本とプロイセンの近代林政史の類似性を強調する研究への若干の反論を行った。
著者
小堀 爲雄 宮島 昌克 高山 純一 辻本 哲郎 北浦 勝 飯田 恭敬
出版者
金沢大学
雑誌
自然災害特別研究
巻号頁・発行日
1986

1.初積雪日から数日間の平均気温,積雪量の変動から,ひと冬の積雪量を推定する方法を開発した。すなわち、過去の記録において、初積雪日から25日間の平均気温,積雪量のフーリエスペクトルの形状の変化に注目することにより、ひと冬の累積積雪量が3000cm以上である大雪と、1000cm以下の小雪,その中間の平年という3つのパターンに分類することができた。今後は、初積雪日以前のデータも利用するなどして、さらに短期間でひと冬の積雪量を予測できるように改善する必要がある。2.不完全剛結節点を木造家屋の仕口部に適用して屋根雪荷重作用時の木造家屋のたわみ解析を実施した。その結果、軒先部の巻き出れなどが軒先部に及ぼす影響を定量的に評価することができた。また、このことが最適屋根雪下ろし時期を決定する際に非常に重要なポイントであることもわかった。3.家庭からの排熱の利用という観点から、台所の換気扇から排出される温風を利用して、軒先部の屋根雪を融かす装置を作成し、実験を行った。しかし、今冬は暖冬で積雪量が非常に少なかったので、その効果を十分に検討するまでには至らなかった。しかし、2.で得られた成果を考慮すると、この装置は屋根雪下ろしの軽減に大きく貢献するものと期待される。4.生活道路の除排雪を効率的に行うための一手段として、住民参加による生活道路の除排雪順位決定システムを提案し、実際の道路網への適用を試みた。その結果、本システムを用いることにより、行政側と住民,あるいは住民同士の除排雪順位に対する合意形成が得られることが明らかになった。しかし、本システムにより、得られる順位が必ずしも物理的に最適な除排雪順位と一致しているとはいえないので、今後は、システムの最適化も考慮した方法に改善する必要がある。5.以上の成果を踏まえて、路上積雪と屋根雪の合理的除排雪システムについて考察し、今後さらに究明すべき課題を提示した。