著者
橋本 知幸 數間 亨 武藤 敦彦 皆川 恵子 永廣 香菜 當山 啓介 足立 雅也 池田 文明 駒形 修 冨田 隆史 森川 茂 澤邉 京子
出版者
The Japan Society of Medical Entomology and Zoology
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.7-12, 2015-03-25 (Released:2015-09-25)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

A field evaluation of the acaricidal effect on ticks was conducted in Chiba Prefecture in 2014. Eleven formulations of organophosphates and pyrethroids, including emulsifiable concentrate (EC), flowable (FL), dust and CO2 gas formulation, were evaluated simultaneously. These formulations were respectively applied to zones 2 m wide by 17–60 m long with dosages between 0.05–0.25 g AI/m2, which are the recommended dosages for cockroach control in buildings. The numbers of ticks collected by the dragging method with flannels were compared between pre- and post-treatment. The genus Haemaphysalis and Amblyomma were captured during the test period. All the formulations drastically suppressed the tick density on day 1. High reduction rates of more than 90% were observed until day 4 in all formulations, and persistence for at least for 31 days was recognized in fenitrothion EC, FL and fenthion dust. Phenothrin CO2 gas formulation that flows in the air with little residue in the soil or on foliage also yielded a long suppression effect at a dosage of 0.05 g AI/m2. Tick infestation from outside the test plot seemed to be feeble after the treatment. These results suggested that all the formulations achieved superior suppression effect on the ticks.
著者
津田 良夫 佐々木 絵美 佐藤 雪太 片野 理恵 駒形 修 伊澤 晴彦 葛西 真治 村田 浩一
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.119-124, 2009
被引用文献数
7

2006年6月〜10月に渡り鳥の飛来地である東京湾沿岸の谷津干潟と東京港野鳥公園で,ドライアイストラップを用いて疾病媒介蚊の種類相および密度に関する調査を行った.これら2調査地で以下の6種類の蚊が採集された:アカイエカ群,ヒトスジシマカ,イナトミシオカ,コガタアカイエカ,カラツイエカ,トラフカクイカ.東日本で初めてイナトミシオカの生息が確認された.アカイエカ群とヒトスジシマカの密度が高く,東京湾沿岸における重要なウエストナイルウイルスの潜在的媒介蚊であると考えられた.
著者
谷川 力 沢辺 京子 山内 雅充 石原 新市 富岡 康浩 木村 悟朗 田中 和之 鈴木 悟 駒形 修 津田 良夫
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.31-33, 2015
被引用文献数
5

国内で感染したと推定されるデング熱患者が千葉市で2014年9月8日に確認された.翌日,患者宅周辺を対象としてヒトスジシマカの成虫防除を実施した.防除対策の対象範囲は,航空写真を利用して住宅地周囲の植栽や蚊成虫の潜伏場所を検討し,患者の家を中心とする半径100メートルの円内および近隣の公園とした.殺虫剤の散布前に6カ所で8分間の人を囮にしたスイーピング法によってヒトスジシマカ成虫の密度を調べたところ平均2.8頭であった.密に茂った藪や生け垣など大きな成虫潜伏場所に対する殺虫剤散布には動力噴霧機を使用し,7%エトフェンプロックス水性乳剤を50倍希釈し,500 ml/m<sup>2</sup>で散布した.狭い空間や物陰,小さい植栽への散布にはハンドスプレイヤーを利用し,フェノトリンを50倍希釈し,50 ml/m<sup>2</sup>で散布した.さらに,公園周辺の排水溝にはフェノトリン含有の液化炭酸ガス製剤を1 g/m<sup>2</sup>で散布した.その結果,散布直後にはヒトスジシマカの密度は平均1.2頭に減少していた.
著者
駒形 修 本山 直樹
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.83-94, 2004

市販されている木酢液, 竹酢液および木炭生産現場より採取した自家製粗木酢液について, 主要成分の分析と植物病原菌に対する抗菌活性の検定を行った. 含有成分とそれらの濃度は, 市販品では製品によって大きな違いが見られた. また自家製粗木酢液の品質は採取温度によって異なり, 特に煙の採取温度が高いものについては大きな違いが見られた. 供試した木酢液からは, 酢酸の他に, メタノールやホルムアルデヒド, およびフェノール類等の毒性物質も検出された. 木酢液一般としての安全性の評価は, 資材によって品質に差があるために困難であると判断された. 培地上の灰色かび病については室内試験で抗菌活性を示すものも見られたが, いずれの資材についても実際の植物体上では, 灰色かび病, べと病, うどんこ病に対する防除活性はほとんど認められなかった.