著者
大町 俊司 谷川 力
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.31-33, 2003
参考文献数
5

電気ポット内へのゴキブリの侵入とそこから熱湯とともに排出される可能性について調べたところ,沸騰させたポットからお湯と共にチャバネゴキブリが排出された.さらに,継続してポットの電源を入れたままにしたが,毎回チャバネゴキブリが排出された.電気ポットはチャバネゴキブリにとって快適な潜伏場所であり,それが原因でお湯を注ぐ毎に排出される可能性が高いことが明らかとなった
著者
田中 和之 常仁 春成 谷川 力 池中 良徳 石塚 真由美
出版者
日本環境毒性学会
雑誌
環境毒性学会誌 (ISSN:13440667)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.61-70, 2009-12-30 (Released:2014-04-11)
参考文献数
35

Warfarin is commonly used worldwide as a rodenticide. Warfarin inhibits blood coagulation, and continuous intake of warfarin causes potentially fatal hemorrhages. However, warfarin-resistant roof rats(Rattus rattus)are found in Japan, especially in the Tokyo area. Recently, warfarin-resistant brown rats(Rattus norvegicus)were discovered in rural areas of Japan. Warfarin-resistant house mice have not been reported, but it is highly possible that resistant mice will be also found in our country. Warfarin-resistant rats, which have acquired resistance to anticoagulant rodenticides, are called &lquot;super rats&rquot;. Rodenticide-resistant roof rats, brown rats, and house mice have been also reported in the United States and European countries, e.g., Britain, France, Denmark, and Germany. In addition, warfarin-resistant rodents may be widespread in other countries that have not been investigated yet. The warfarin target molecule is vitamin K epoxide reductase(VKOR).Warfarin inhibits the function of VKOR, which recycles vitamin K to activate blood coagulant factors, and causes hemorrhage. Substitutions in the VKORC1 gene were reported in warfarin-resistant rodents. Moreover, the metabolism of warfarin is accelerated in warfarin-resistant rats due to the elevation of cytochrome P450-dependent xenobiotic metabolizing activities. The combination of a VKOR mutation and P450 acceleration causes warfarin resistance in wild rodents, which is an evolutionary adaptation to the pesticide-polluted environment. After the appearance of warfarin-resistant rodents, a second-generation rodenticide was developed and replaced warfarin in Europe and America. In Japan, difethialone is the only the second-generation rodenticide that can be used in public buildings. In Japan, a critical zoonosis infection has not yet spread on a large scale through wild rodents. However, it is necessary to consider how to prevent serious infestation by house rodents in the industrial, administrative, and academic sectors before such infestation occurs.
著者
木村 悟朗 富岡 康浩 矢口 昇 谷川 力
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
都市有害生物管理 (ISSN:21861498)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.127-131, 2011-12-20
参考文献数
15
被引用文献数
1

東京都豊島区内の異なる2つのアパートの1室において,トコジラミCimex lectulariusの物理的防除と化学的防除を行った.前者の防除法としてスチームクリーナーを使用し,後者として殺虫剤を使用した.スチームクリーナーを使用した1室では,試験期間中に捕獲したトコジラミの総個体数は,幼虫227個体,成虫52個体,合計279個体であった.また,処理6日後の日平均捕獲数は減少したが,その後は急激に増加し,処理14日後には処理前と同程度の捕獲数に達した.一方,殺虫剤を使用した1室では,試験間中に捕獲したトコジラミの総個体数は,幼虫7個体,成虫5個体,合計12個体と少なかった.また,試験期間中の日平均捕獲数は減少し続けた.処理後の増加パターンの違いは,トコジラミに対する残効性の違いが主な原因であると推察される.
著者
谷川 力 大町 俊司 足立 行男
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー学会誌 (ISSN:09167382)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.89-93, 2004-09-15
参考文献数
11
被引用文献数
3

The authors discussed the effect of bait formulation containing coumatetralyl of 0.025% and 0.0375% on warfarin-resistant and susceptible roof rats, Rattus rattus, and wild roof rats caught in Shinjuku Ward, Tokyo, Japan. When 0.025% and 0.0375% toxic baits of coumatetralyl were given respectively to the warfarin-resistant roof rat, there was a significant difference (P<0.05) in mortality and bait intake between the two test groups. With an increase in coumatetralyl concentration, the effect was substantial even to the warfarin-resistant group. It was evident that coumatetralyl exceed efficacy than warfarin at the same concentration. When 0.025% and 0.0375% toxic baits of coumatetralyl were given to the warfarin-susceptible group, there was no significant difference in mortality and bait intake. It was not essential to increase the coumatetralyl concentration in case of the warfarin-susceptible roof rat and coumatetralyl was effective at the low concentration. When 0.025% toxic bait of coumatetralyl was given to the wild rats caught in Shinjuku Ward, Tokyo, the results were similar to that of the 0.025% test group of warfarin-resistant rat in lethal feeding period and bait intake. It was proved that those rats exhibited high resistance to warfarin.
著者
木村 悟朗 春成 常仁 谷川 力
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.73-76, 2010-12-30
参考文献数
14

実験昆虫飼育室内に発生したケナガコナダニTyrophagus putrescentiaeを防除するために高温による駆除を行った.ケナガコナダニは47.4±1.6℃で1時間または40.3±1.7℃で24時間の室温に暴露することにより,全ての個体が死亡した.これらの結果は,高温処理によって現場に発生するケナガコナダニを防除可能であることを示唆している.特に,恒温恒湿室は温度管理が容易であり,そこに発生する本種のもっとも簡便な防除方法であると考えられる.駆除作業前に室内で観察されたケナガコナダニの分布は,本種が誘虫灯に誘引される可能性も示している.
著者
井上 智 谷川 力 川口 潤二 飯田 孝 森田 千春
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.461-463, 1992-06-15
被引用文献数
3

関東地区6か所において家ネズミの捕獲を行ないリステリアの分離を行った. 捕獲ネズミ245匹のうち池袋の110匹と横浜の9匹がクマネズミ(Rattus rattus)であり, 他の126匹はドブネズミ(Rattus norvegicus)であった. リステリア属は鹿島と池袋の各捕獲総ネズミから77.8%と24.5%という高い値で分離されたが, 千葉, 船橋, 横浜, 沼津では0.0-7.3%という低い値であった. このうち, リステリアモノサイトゲネス(Listeria monocutogenes)は, 池袋で1O.9%という高い値で分離されたが, その他の場所では殆ど分離されず, 鹿島と沼津でそれぞれ1匹のネズミから分離されたのみであった. 家ネズミからのリステリア分離は, 地区によって非常に異なる値を示し, 特に都心のビルに生息するネズミのみからL.monocytogenesが高い値で分離されたことは大変興味深い成績であった. 今後, この分離率の違いについて, ネズミの生息環境や捕獲ネズミの種差に関して検討が必要と考えられた.
著者
谷川 力
出版者
日本衛生動物学会地方支部
雑誌
日本衛生動物学会地方支部大会要旨抄録集 第54回 日本衛生動物学会東日本支部大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
pp.s1, 2003 (Released:2003-07-01)

ネズミの問題はなくなることはなく、むしろ増加の傾向を示している。この背景には、増加しているネズミがクマネズミであること。ビルや住宅で使用できる有効な殺そ剤は一つもないこと。粘着トラップだけの駆除ではそれを避ける個体の存在で100%捕獲はできないこと。さらに、都市がネズミからの感染症の媒介等によって大きなダメージを受けない限り行政も動かないことなどがある。このような事情の中、今日のネズミ事情はどうなっているか、演者は第51回日本衛生動物学会(1999)でも同様の題で発表したが、その後も複数の事例を経験したのでここに報告する。住宅街のネズミ問題(1)家人によるネズミの駆除の難しさ(2)複雑なネズミの侵入口(3)賢いネズミの存在(4)ワルファリン抵抗性クマネズミの存在(5)屋外での活動域が場所により異なる(6)ドブネズミの存在(7)PCOでの対応(8)いかがわしい機器類都市ビルのネズミ問題(1)以前よりネズミは減っている?(2)W抵抗性クマネズミの増加(3)粘着トラップを避けるネズミ(4)ドブネズミとの共存以上のように住宅のネズミ問題と都市ビルのネズミ問題は若干異なる。最も大きな違いは一戸の住宅にネズミが定住するケースは少なく、ビルでは定住していることである。また生息数についても一戸当たりのネズミ数は少なく、ビルでは多い。これらの大きな差は食料や冬の温度差が住宅とビルでは大きく異なることが考えられる。また、住宅ではネズミの生息を深刻に考えているが、ビルではそれほどではないケースも多いと思われる。
著者
谷川 力
出版者
日本家屋害虫学会
雑誌
家屋害虫 (ISSN:0912974X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.125-127, 2009-12-28
著者
神戸 嘉一 武田 美加子 土屋 公幸 吉松 組子 鈴木 仁 鈴木 莊介 矢部 辰男 中田 勝士 前園 泰徳 阿部 愼太郎 石田 健 谷川 力 橋本 琢磨
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.289-299, 2013

クマネズミはthe <i>Rattus rattus</i> species complexとも称され,複数の種からなる種複合体である.日本には古くに移入した東アジア地域起源の<i>Rattus tanezumi</i>(2n=42)に加え,新規に移入したインド地域が起源の<i>R. rattus</i>(2n=38)の2系統が存在する.本研究ではこれらクマネズミ系統の日本列島における分布および移入の歴史を把握することを試みた.毛色関連遺伝子<i>Mc1r</i>(954 bp)をマーカーとし,奄美大島産を含む36個体の塩基配列データを新規に収集し,既存の配列データと合わせ,日本列島の17地点,さらに比較対象として用いたパキスタン産を含め,総計133個体のデータを基に系統学的解析を行った.その結果,小樽,小笠原諸島および東京の3地域で<i>R. rattus</i>型が認められ,これらの地点では<i>R. tanezumi</i>型とのヘテロ接合体も存在した.これらの結果から,既存系統への浸透交雑が一部の市街部,港湾部および離島で進行している実態が明示された.一方,琉球列島の自然林では,<i>R. rattus</i>型の<i>Mc1r</i>ハプロタイプは認められなかった.これは,新たな外来系統<i>R. rattus</i>の定着や浸透交雑を起こさない何らかの要因が存在する可能性を示唆する.琉球列島には独自の<i>Mc1r</i>配列の存在も認められ,他地域とは遺伝的に分化した集団として位置づけられる可能性も示唆された.<br>
著者
渡辺 洋介 谷川 力 神田 浩一 加藤 光吉
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
巻号頁・発行日
vol.60, pp.28, 2008

近年、コンピュータを利用した音響機器および分析ソフトが開発普及し、従来に比較してネズミ類の発生する超音波の分析がしやすい環境になってきた。そこで筆者らは以前データレコーダーで磁気テープに録音したねずみ類が発生する超音波コールをアナログデジタル変換した後、最近普及しているサウンド分析ソフト(アドビオ-ディション2.0)で分析した。今回は収録されたデータのうちからドブネズミとクマネズミの雄成獣が主として闘争時に発生する超音波コールの分析を試みた。同種ともそれぞれ雄3個体を同じケージに入れて供試した。その結果、発生周波数ではドブネズミは約23kHzで周波数が比較的平坦な変化であったが、クマネズミは26kHzでドブネズミに比較して周波数が高く、周波数変化も多かった。また、持続時間については、ドブネズミは約740ms、クマネズミは720msであった。しかし、両種とも超音波コールが発生する始まりは周波数が高く、終わりは低くなる傾向があった。超音波コールの時間軸を伸ばして可聴音としたものでは、ドブネズミは「ピー・ピー」という平坦な音であり、クマネズミは「ピロ・ピロ」と変化のある音に聞き取れ、両種に相違があることが認められた。
著者
木田 光広 長谷川 力也 松本 高明 三島 孝仁 金子 亨 徳永 周子 山内 浩史 奥脇 興介 宮澤 志朗 岩井 知久 竹澤 三代子 菊地 秀彦 渡辺 摩也 今泉 弘 小泉 和三郎
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.3, pp.456-463, 2015-03-05 (Released:2015-03-05)
参考文献数
26
被引用文献数
1

胆嚢腺筋症は,1960年にJutrasによりRASの増殖とそれにともなう胆嚢壁の肥厚を引きおこす病態として報告され,武藤らにより胆嚢壁1 cm以内にRASが5個以上存在し,壁が3 mm以上に肥厚したものと定義された.病変の広がりにより胆嚢全体に瀰漫性に存在するびまん型(G型)diffuse type,胆嚢頸部や体部あるいは両方にまたがり輪状に存在し,胆嚢を2つに分節する分節型(S型)segmental type,胆嚢底部に限局的に存在する底部型(F型)fundal typeの3つに分類される.画像診断では胆嚢癌との鑑別が重要で,胆嚢腺筋症は胆嚢壁の肥厚と,拡張したRASが診断の決め手であり,簡便な腹部超音波検査でスクリーニングされ,診断能の高い検査は超音波内視鏡(EUS)とMRIである.胆嚢腺筋症は,40~60歳代の男性に多く診断される.胆嚢癌との関係は疑われているがコンセンサスは得られていない現状では,定期的な経過観察が必要と思われる.
著者
谷川 力 沢辺 京子 山内 雅充 石原 新市 富岡 康浩 木村 悟朗 田中 和之 鈴木 悟 駒形 修 津田 良夫
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.31-33, 2015
被引用文献数
5

国内で感染したと推定されるデング熱患者が千葉市で2014年9月8日に確認された.翌日,患者宅周辺を対象としてヒトスジシマカの成虫防除を実施した.防除対策の対象範囲は,航空写真を利用して住宅地周囲の植栽や蚊成虫の潜伏場所を検討し,患者の家を中心とする半径100メートルの円内および近隣の公園とした.殺虫剤の散布前に6カ所で8分間の人を囮にしたスイーピング法によってヒトスジシマカ成虫の密度を調べたところ平均2.8頭であった.密に茂った藪や生け垣など大きな成虫潜伏場所に対する殺虫剤散布には動力噴霧機を使用し,7%エトフェンプロックス水性乳剤を50倍希釈し,500 ml/m<sup>2</sup>で散布した.狭い空間や物陰,小さい植栽への散布にはハンドスプレイヤーを利用し,フェノトリンを50倍希釈し,50 ml/m<sup>2</sup>で散布した.さらに,公園周辺の排水溝にはフェノトリン含有の液化炭酸ガス製剤を1 g/m<sup>2</sup>で散布した.その結果,散布直後にはヒトスジシマカの密度は平均1.2頭に減少していた.
著者
坂西 梓里 谷川 力 木村 悟朗 佐々木 健 川上 泰
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.171-176, 2018-12-25 (Released:2019-01-25)
参考文献数
37
被引用文献数
1 6

A survey of the helminth infection in brown rats (Rattus norvegicus) captured in 2017 at Chuo Ward, Tokyo, was carried out. Of the 20 rats examined, 13 (65%) were infected with helminths. The prevalence of helminths was as follows: Capillaria hepatica (35%), cysticerci of Taenia taeniaeformis (20%), Nippostrongylus brasiliensis (20%), Orientostrongylus ezoensis (20%), Heterakis spumosa (20%), Dioctophyma renale (15%), Vampirolepis nana (5%). The helminths were identified based on morphological features, and molecular analyses of the nuclear 18S ribosomal DNA, ITS region, and mitochondrial 12S ribosomal DNA sequences. From the standpoint of public health, it should be noted that 4 helminth species, namely C. hepatica, T. taeniaeformis, D. renale, V. nana were capable of infecting humans. In addition, C. hepatica and V. nana can be accidentally transmitted to humans by direct ingestion of embryonated eggs from rat feces. This is the third confirmed report of D. renale from R. norvegicus in Japan. A total of 11 worms were recovered from the abdominal cavities of 3 brown rats. In this rare case, we describe the morphological features of the adult worms and eggs and determined the 18S ribosomal DNA sequence of D. renale.
著者
神戸 嘉一 鈴木 莊介 矢部 辰男 中田 勝士 前園 泰徳 阿部 愼太郎 石田 健 谷川 力 橋本 琢磨 武田 美加子 土屋 公幸 吉松 組子 鈴木 仁
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.289-299, 2013 (Released:2014-01-31)
参考文献数
44

クマネズミはthe Rattus rattus species complexとも称され,複数の種からなる種複合体である.日本には古くに移入した東アジア地域起源のRattus tanezumi(2n=42)に加え,新規に移入したインド地域が起源のR. rattus(2n=38)の2系統が存在する.本研究ではこれらクマネズミ系統の日本列島における分布および移入の歴史を把握することを試みた.毛色関連遺伝子Mc1r(954 bp)をマーカーとし,奄美大島産を含む36個体の塩基配列データを新規に収集し,既存の配列データと合わせ,日本列島の17地点,さらに比較対象として用いたパキスタン産を含め,総計133個体のデータを基に系統学的解析を行った.その結果,小樽,小笠原諸島および東京の3地域でR. rattus型が認められ,これらの地点ではR. tanezumi型とのヘテロ接合体も存在した.これらの結果から,既存系統への浸透交雑が一部の市街部,港湾部および離島で進行している実態が明示された.一方,琉球列島の自然林では,R. rattus型のMc1rハプロタイプは認められなかった.これは,新たな外来系統R. rattusの定着や浸透交雑を起こさない何らかの要因が存在する可能性を示唆する.琉球列島には独自のMc1r配列の存在も認められ,他地域とは遺伝的に分化した集団として位置づけられる可能性も示唆された.
著者
谷川 力
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.29-30, 2010-05-31
著者
谷川 力
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.129-132, 1994
被引用文献数
3

ワルファリンのRR因子50%を含む抵抗性クマネズミのコロニー〔RR〕・F_1に対して, さまざまな濃度のワルファリンあるいはダイファシノンを与えてネズミの死亡を観察した結果, 次の知見が得られた。1)ワルファリン0.025%を含有する毒餌に対して抵抗性を示すコロニーは, 0.25%あるいは0.5%含有の高濃度毒餌の投与によって短期間に致死効果が得られる。2)ワルファリン抵抗性のこのコロニーは, ダイファシノンに対して交差抵抗性を示す。3)ダイファシノンを0.005%含有する毒餌を与えた場合, その死亡率-経日曲線は一つのプラトーをもつ曲線を形成し, このプラトーからダイファシノンに対するRR構成比はおよそ25%と推定された。この値はワルファリンに対するRR構成比50%より低い。4)ダイファシノンを高濃度に含有する毒餌(0.015%, 0.025%)を投与した場合には, 短期間にすべてのネズミが死亡し, 抵抗性は認められなかった。5)ワルファリン0.025%含有毒餌は, クマネズミに対してダイファシノン0.005%含有毒餌とほぼ同等の効力をもつものと考えられる。
著者
谷川 力
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
都市有害生物管理 (ISSN:21861498)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.199-201, 2011-12-20
著者
谷川 力
出版者
都市有害生物管理学会
雑誌
都市有害生物管理 (ISSN:21861498)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.51-53, 2011-06-20
被引用文献数
1