著者
高久 元
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.119-127, 2000 (Released:2004-12-28)
参考文献数
26
被引用文献数
2 2

奄美大島産コブスジコガネTrox sugayaiの体表から2種のハエダニ類が得られた. これらのダニのうちの1種を新種アマミハエダニMacrocheles amamiensisとして記載した. 本新種は, コブスジコガネ類から記録されている同属のハエダニ類とよく似ているが, 背板と胸板の表面構造と毛の形状により識別できる.
著者
柁原 宏 高久 元 藤田 喜久 角井 敬知
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-2, 2019-02-28 (Released:2019-03-23)

Although the 2018 symposium of the Japanese Society of Systematic Zoology, entitled ‘Recent progress and future potential in faunal studies of the submarine caves in the Ryukyu Islands’ was scheduled to be held on the occasion of the 89th annual meeting of the Zoological Society of Japan in Hokkaido, it was unfortunately canceled due to the earthquake ‘2018 Hokkaido Eastern Iburi Earthquake’. However, the five interesting articles were given by the special invited authors: 1) Yoshihisa Fujita ‘The fauna of decapod crustaceans in submarine caves of the Ryukyu Islands, with special reference to environmental factors in the caves’, 2) Yuji Ise ‘Preliminary report of submarine cave sponges in Shimoji Island, Miyako Islands, Okinawa’, 3) Mitchitaka Shimomura ‘Review of recent taxonomic studies of peracarid crustaceans in submarine and anchialine caves of the Ryukyu Islands’, 4) Masanori Okanishi and Yoshihisa Fujita ‘Ophiuroids from submarine caves of the Ryukyu Islands, Japan’, and 5) Akira Iguchi, Masaru Mizuyama, Takefumi Yorisue and Yoshihisa Fujita ‘Current situation and future issues of DNA studies of submarine caves of the Ryukyu Islands’. In this paper, we introduce the purpose and the contents of this special issue.
著者
高久 元
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.29-38, 1998-05-25
被引用文献数
7

インドネシア共和国スマトラ島西スマトラ州に生息する食糞性甲虫体表上よりハエダニ科ハエダニ属Macrocheles kraepelini種複合体の1種であるM. hallidayi Walter and Krantz, 1986雌個体を採集し飼育を行った.その結果, 第1若虫, 第2若虫及び雄が得られ, それらの詳細な記載を行った.kraepelini種複合体に属する種の多くは成体及び第2若虫の第4脚膝節に7本の毛を有するという特徴をもつ.ハエダニ科のNeopodocinum属でも同様の特徴が見られるが, Neopodocinum属では第1若虫の第4脚膝節上の毛は5本のみであるのに対し, 今回得られたM. hallidayiでは6本であり, M. hallidayiが属する種複合体の特徴的な形質状態であると考えられる.また, M. aestivus Halliday, 1986は, 背板毛の形態, 胸板の模様, 第4脚膝節の毛数などにおいてkraepelini種複合体の種と共通の特徴をもつことから, 新たにkraepelini種複合体の構成種とした.
著者
岡崎 隆 平野 雅宣 高柳 滋 田口 哲 高久 元
出版者
北海道教育大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

金星の太陽面通過周期の「規則性」を考える-数理融合教材の試み;ハレーは金星の太陽面通過を観測することによって地球-太陽間距離の決定が可能であることを示した。この現象は8年の短周期と百年を超す長周期を繰り返すという特異な周期性をもっておりこの現象観測の科学史上の意義とともに、理科教育の題材として興味深い内容を持つ。金星と地球の公転周期が近似的に整数比(8対13)になっていることおよびこの整数比からの僅かなずれが特異な周期性の要因である。コンピューターシミュレーションを活用しながら、周期運動の合成、惑星現象の立体幾何学的考察、有理数がもつ意味を自然現象の中で明らかにする数理融合教材として検討した。電子天秤による液体の表面張力の測定-表面張力の分子論的理解のための実験教材;「表面張力」は日常の様々な場面で見かける液体表面の振る舞いを説明する言葉として用いられる。「液体(水)=引力で引き合う分子集団」として表面張力の正体を明らかにすることを目標とした測定実験を考案しその指導法を検討した。表面張力測定法として「ジョリーのバネばかり」が知られているが、この原理に従い電子天秤を利用することによって微小な表面張力を容易に測定することができる。水の表面張力の温度依存、エタノール、オリーブ油の表面張力との比較を測定結果から考察し、液体の物性(融点、沸点、比熱)を考え合わせて物質の分子論的理解を促す教材実験とした。教材実験の解説・演示映像の編集;これまでに検討、作成した以下の理科実験教材の解説・演示映像の編集を行った。創造性を育む理科実験教材として、教育現場での活用・普及を図っている。1)ブラウン運動の観察とアボガドロ数の導出-分子運動を見る、2)電子天秤による磁気力の測定-遠隔力の規則性を測る、3)ブランコの運動とパラメーター励振、4)断熱蒸発による液体の温度低下の観察・計測-分子が運ぶエネルギー、5)金星の太陽面通過周期の「規則性」を考える-数理融合教材の試み、6)電子天秤による液体の表面張力の測定-表面張力の分子論的理解のための実験教材