著者
高木 聖
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.215-223, 1972-12-25 (Released:2012-12-11)
参考文献数
10
被引用文献数
1

1970年,気象測器工場に,強震計検定用の振動台が出来たので,この上に,人間を乗せて,震度の人体実験をおこなった。震度は人体感覚によって判定する以外に方法がないので,この実験が意味を持つことになる。実験の結果は第1図に示してある。測定値は表になっている。震度は記号で表現した心これらの震度が,第1図の破線(従来の加速度level)で区分出来ないのは,震度は加速度で規定出来ないことを示している。これらの震度は,第1図の実線で区分され,震度は energy に関係があることを示している。それゆえ,震度は,単位時間に単位面積を通る地震波の energy の対数に比例する,と考えられる。
著者
高木 聖
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.111-123, 1974-09-25 (Released:2012-12-11)
参考文献数
7

地震は断層の生成によって起こると仮定して,多くの学説が組み立てられているが,はたして,地震は断層の生成によって起こっているであろうか.地震が断層の生成によって起こっているとするならば,地震現象としては,初動分布が4象限型になっていなければならない.初動分布は,震源の最初の動きを表示しているものであるから,すべての地震学説に対して生殺与奪権を握っている.ところが,筆者が,たびたび報告しているように,初動分布は4象限型でないと考える方が,現象に忠実である.本文に,その,はっきりした例を示している.