- 著者
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村上 真也
岩山 隆寛
- 出版者
- 日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
- 雑誌
- 理論応用力学講演会 講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.59, pp.206-206, 2010
2次元乱流は多数の渦の運動とみなせるため, 個々の渦の動力学を調べることが2次元乱流のよりよい理解の助けになるだろう. そのような問題意識の下, Melander, et al.(1987)は非一様な渦度分布を持つ楕円渦の軸対称化過程を研究した. 楕円渦はその軸対称化過程において, フィラメントを放出することが知られている.Melanderらはフィラメントが誘起する速度場が楕円形をした等渦度線を軸対称化させるか否かについて, 定性的見積りを行った. 我々はこれを数値的に調べ, フィラメントが楕円渦の軸対称化に与える効果を議論した.その結果, フィラメントは初期には大きく軸対称化に寄与し, のちの時刻ではほとんど影響を与えないことが分かった. これはMelanderらの定性的議論と整合的である.一方, コアによって誘起される速度場は軸対称化と反軸対称化の両方に振動的に寄与することが分かった.