著者
中村 正人 松田 佳久 高木 征弘 今村 剛 はしもと じょーじ 山本 勝 大月 祥子 小郷原 一智 林 祥介
出版者
独立行政法人宇宙航空研究開発機構
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

欧州の金星探査機Venus Expressにより得られた観測データを金星探査機「あかつき」のデータ解析システムで分析するとともに、大気大循環・放射輸送・雲物理・大気化学の数値シミュレーションを行い、大規模風系の維持と大気物質の循環のメカニズムを探った。これらの成果をもとに、残された問題点を洗い出し、2015年に改めて周回軌道投入を目指す「あかつき」の観測計画の最適化を進めた。
著者
林 祥介 高木 征弘 榎本 剛 はしもと じょーじ 杉本 憲彦 今村 剛 堀之内 武 三好 建正 石渡 正樹
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

世界初の本格金星気象撮像探査機「あかつき」の軌道投入以前、金星大気の観測は断片的であり、数値モデルには仮定が多く、スーパーローテーション(四日循環)の存在に象徴される金星大気の循環構造はほとんど未知であった。本研究では、我々が開発を進めてきた地球シミュレータ上の金星大気大循環モデル(AFES-Venus)を元に金星大気データ同化システム(ALEDAS-V)を構成し、「あかつき」観測と矛盾せず力学的に辻褄のあった金星大気循環場の生成を試みる。金星大気中の未知な擾乱を同定し、その分布と角運動量輸送、物質輸送と雲構造などを明らかにしスーパーローテーションにいたる金星大気大循環の構造を解明する。
著者
はしもと じょーじ
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

多様な条件下にある惑星大気について鉛直1次元の放射対流平衡の大気構造を計算するコードを新規開発した.また放射輸送計算に必要とされる大気成分の吸収線パラメタ、断熱温度勾配の計算に必要な熱力学データ、雲その他の粒子による散乱特性を計算するのに必要な凝結成分の複素屈折率など、大気構造計算に必要なデータの収集をおこなってデータベースを構築した.
著者
山中 大学 荻野 慎也 森 修一 はしもと じょーじ 岩山 隆寛
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

インドネシア「海大陸」域における観測的研究から,既知の海陸風など局地的な循環とも全球規模の大気潮汐とも異なる1000kmスケールの大規模な組織的日変化を見出した.類似のものは,チベット・ヒマラヤ域や北米大陸上にもほぼ同時に見つかっている.また,地球型惑星(金星・地球・火星)における日変化の出現の様相は様々である.このような大気中の日周期変動の形成メカニズムを大気力学・雲物理学の一般理論に基いて検討・解明するとともに,季節内・季節(年周期)・経年変動に及ぼす影響や,一般に地球型惑星大気の振舞を決めるにおいて自転や公転などが果たす役割を考えるため,観測データ解析と理論・モデリングの双方から研究を進めた.海大陸域においては,これまでの海陸風理論で取り扱われた晴天日あるいは乾季におけるものよりもむしろ顕著な,雨季における日変化について新たな仮説が得られた.日変化により午後〜夜間に発生する活発な対流性降水雲と降水により,翌朝までに大気はリセットされ(熱的不安定成層は解消して大気透明度も上がり),翌日正午前に最大限の(太陽定数に近い)日射陸面加熱が直後の午後に再び活発な対流雲を発生させる.日変化の生じ方の季節内・季節・経年変動に伴う差異,数1000kmにわたる組織的な日周期強制や領域により異なる日周期の強制があるときの全球大気のレスポンス,海大陸域とその東西の大洋(太平洋・印度洋)上とでの日変化の違いによる季節内変動の励起や変質・減衰,さらに他の地球型惑星(金星・火星)まで含めた日射不均一が起こす大気運動(水平対流)の一般論とその物質輸送や気候維持・変動への意義,太陽系内には存在しないが他の惑星系でなら存在する可能性があるようなケース,などについても考察を行なった.