著者
田口 真二
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
pp.689, (Released:2015-02-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

We selected a group of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls based on the Sexual Desire Scale for Males (SDS-M). Subjects were members of the general population aged 18 years and above who were not in prison (N=573). The relationship between acknowledging sexual interest in prepubescent girls and factors such as their experience of sexual offence, personality traits, cognition towards women and use of pornography were examined. It was estimated that 10% of survey subjects had acknowledged sexual interest in prepubescent girls. Statistical analysis showed that acknowledging sexual interest in prepubescent girls was significantly related to experience of sexual offence against women, some of sexual desire, some of personality traits and acceptance of sexual violence. A significantly higher proportion of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls had experience of sexual offence against women and of using child pornography compared to those who did not. The results of this study suggest that an understanding of sexual interest in prepubescent girls requires the perspectives of cultural and social learning.
著者
田口 真二
出版者
日本法科学技術学会
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.175-183, 2015 (Released:2015-07-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 2

We selected a group of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls based on the Sexual Desire Scale for Males (SDS-M). Subjects were members of the general population aged 18 years and above who were not in prison (N=573). The relationship between acknowledging sexual interest in prepubescent girls and factors such as their experience of sexual offence, personality traits, cognition towards women and use of pornography were examined. It was estimated that 10% of survey subjects had acknowledged sexual interest in prepubescent girls. Statistical analysis showed that acknowledging sexual interest in prepubescent girls was significantly related to experience of sexual offence against women, some of sexual desire, some of personality traits and acceptance of sexual violence. A significantly higher proportion of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls had experience of sexual offence against women and of using child pornography compared to those who did not. The results of this study suggest that an understanding of sexual interest in prepubescent girls requires the perspectives of cultural and social learning.
著者
田口 真奈 後藤 崇志 毛利 隆夫
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.255-269, 2019-01-20 (Released:2019-02-02)
参考文献数
22

本研究では,京都大学において我が国で初めてグローバルMOOC を全面的に用いて反転授業を行った実践を2年間にわたって調査した.教員へのインタビュー調査と参与観察により,日本人学生を対象として実践された反転授業の授業デザインの特徴を明らかにした.さらに学習者へのインタビュー調査に基づく定性的手法による仮説生成と,MOOC の受講データと質問紙調査を組み合わせた定量的手法による仮説検証により,グローバルMOOC を活用した反転授業に学生がどのように取り組んだかを明らかにした.その結果,授業者が意図しなければ,学生は自発的には掲示板を利用しないこと,英語への抵抗感は反転授業やMOOC の成績と関連しないこと,講義ビデオ視聴や,課題への取り組みについては学生の個人差があることが明らかとなった.反転授業の成績との関連から「わかっているから内容をスキップする」というような視聴態度の学生は,そういった態度を持たない学生に比べて成績が低いという傾向が見られた.
著者
中村 晃 神藤 貴昭 田口 真奈 西森 年寿 中原 淳
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.491-500, 2007-12-30
被引用文献数
3

本研究では,大学教員初任者がもつ教育に対する不安について検討し,さらにこのような不安と同時に周囲からのサポートについても考慮し,これらがどのように仕事に対する満足感と関係するかを検討することを目的とした。そのため,まず教育不安尺度を作成し,次に教育不安が周囲からのサポート,および職務満足感とどのような関係にあるかを質問紙により検討した。その結果,教育不安尺度では因子分析により「教育方法に関する不安」「学生に関する不安」「教育システムに関する不安」の3因子が見出された。また教育不安と職場におけるサポート,および職務内容満足感との関係を検討した結果,教育に関する不安が高い場合,先輩教員のサポートが満足感を上げる要因になること,および教育システムに関する不安が高い場合,同世代教員によるサポートが少ないと満足感が低くなることが示唆された。これらのことから,特に不安の高い教員に対しては,職場のサポートが仕事の満足感を上げるうえで重要であると考えられる。
著者
梁 琳娟 田口 真奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S42093, (Released:2018-10-12)
参考文献数
7

近年,中国ではICTを活用した日本語教育が盛んになっている.中でも「沪江(Hujiang,フージャン)」(https://www.hujiang.com/)は,2015年時点で,登録者数8000万人を突破し,有料サービスの利用者数も300万人を超えるなど,現在,中国におけるもっとも大規模な語学教育プラットフォームであるといえる.しかし,本プラットフォームがどのような教授機能を有するかなど,日本語教育環境としての本プラットフォームについて明らかにされたものはほとんどみられない.そのため,本研究では文献調査ならびにユーザーインタビューによりその教授機能を明らかにするとともに,沪江のオンライン日本語教育のプラットフォームとしての可能性について論じた.
著者
大山 牧子 田口 真奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.129-143, 2013
被引用文献数
3

本研究では,大学のアクティブ・ラーニング型のコースにおいて教員が自らのコースの中で,グループ学習をデザインするための手がかりとなる枠組みをグループ学習の類型化とプロセス分析を通して提示することを目的とする.まず,大学における32のグループ学習実践事例を「事前作業」の有無と「事後作業」の在り方に着目して整理したところ(A)交流型,(B)意見獲得型,(C)課題解決型,(D)主張交換型,(E)理解深化型,(F)集約型という6類型が抽出された.さらに本類型が学生の学習プロセスに与える影響を検討した.具体的には(C)課題解決型と(F)集約型に関して,異なるグループ学習課題を遂行した同一グループを対象に,1コースの授業観察を行い,学生の学習プロセスを分析した.その結果,グループ学習の「事前作業」の有無は学生の既有知識,「事後作業」の在り方はコースの学習能力目標の設定と関連することが明らかになった.
著者
岩崎 直哉 小林 江梨子 田口 真穂 山田 博章 佐藤 信範
出版者
一般社団法人 レギュラトリーサイエンス学会
雑誌
レギュラトリーサイエンス学会誌 (ISSN:21857113)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.247-257, 2022 (Released:2022-09-30)
参考文献数
10

地域連携薬局と専門医療機関連携薬局の知事認定制度は2021(令和3)年8月に開始した.そこで,薬局機能情報提供制度の情報を活用して,各薬局の機能を分析し,千葉県の各医療圏の薬局が地域連携薬局の認定基準をどの程度満たしているのかの実態を明らかにすることを目的とした.解析には千葉県内の薬局の薬局機能情報を用い,2019年は2,405件,2020年は2,430件の薬局を対象とした.解析項目は地域連携薬局の認定基準から一部を抜粋した.全項目のうち,最も達成率が低い認定基準は “地域における医療機関に勤務する薬剤師などに対して報告および連絡した実績” であり,達成していたのは,2020年で千葉県全体の2.3%(57薬局)だけであった.無菌製剤の調剤応需体制を有する薬局も少なく,自らの薬局の無菌調剤室を利用している薬局は,千葉県全体で2020年は87薬局(3.6%)しかなかった.在宅業務の実施に関連する要因を調べるために2項ロジスティック解析を行った.結果として “麻薬の調剤応需体制を有する”,“無菌製剤の調剤応需体制を有する”,“健康サポート薬局である”,“お薬手帳(電子版)に対応している” の4項目が在宅業務の実施に関連する要因であると判明した.

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著者
田口 真
出版者
一般社団法人 軽金属学会
雑誌
軽金属 (ISSN:04515994)
巻号頁・発行日
vol.67, no.9, pp.460-469, 2017-09-30 (Released:2017-12-30)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2
著者
田口 真二 桐生 正幸 伊藤 可奈子 池田 稔 平 伸二
出版者
日本犯罪心理学会
雑誌
犯罪心理学研究 (ISSN:00177547)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-13, 2007 (Released:2018-06-30)
参考文献数
27

A projective questionnaire for measuring male sexual desire was developed. In Study 1, the original Sexual Desire Scale for Males (SDS-M) was developed by referring to information on sexual activities on the Internet, as well as to prior studies on sexual offenders and their victims. The original SDS-M requested participants to judge whether they agreed or disagreed with sentences regarding various sexual behaviors and objects of sexual desire. SDS-M did not inquire about the frequency of sexual activities or the strength of sexual desire. The original SDS-M was administered to 140 males. The factor analysis of their responses revealed that the SDS-M had a 5-factor structure: daily sexual desire, h omo-hetero sexual desire, penis oriented sexual desire, intercourse oriented sexual desire and abnormal sexual desire. Cronback's alpha indicated satisfactory internal consistency and reliability. Study 2, investigated the stability and the validity of the SDS-M. It was administrated to 274 males, and based on the results of confirmatory factor analysis using Structural Equation Modeling, the SDS-M was divided into two subscales: a general sexual desire subscale consisting of the four factors with the exception of the Abnormal factor, and an Abnormal sexual desire subscale. The goodness of fit index of each subscale indicated satisfactory factor validity. Moreover, the SDS-M had reasonable test-retest reliability and satisfactory correlations with the Sexual Attitudes Scale and the Beck Depression Inventory.
著者
田口 真二
出版者
Japanese Association of Forensic Science and Technology
雑誌
日本法科学技術学会誌 (ISSN:18801323)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.175-183, 2015
被引用文献数
2

We selected a group of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls based on the Sexual Desire Scale for Males (SDS-M). Subjects were members of the general population aged 18 years and above who were not in prison (N=573). The relationship between acknowledging sexual interest in prepubescent girls and factors such as their experience of sexual offence, personality traits, cognition towards women and use of pornography were examined. It was estimated that 10% of survey subjects had acknowledged sexual interest in prepubescent girls. Statistical analysis showed that acknowledging sexual interest in prepubescent girls was significantly related to experience of sexual offence against women, some of sexual desire, some of personality traits and acceptance of sexual violence. A significantly higher proportion of men who acknowledged sexual interest in prepubescent girls had experience of sexual offence against women and of using child pornography compared to those who did not. The results of this study suggest that an understanding of sexual interest in prepubescent girls requires the perspectives of cultural and social learning.<br>
著者
後藤 崇志 田口 真奈
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.17-23, 2018 (Released:2018-07-02)

近年、インターネット上で学びを進めることが可能な大規模公開オンライン講義(MOOC)と呼ばれる形態の講義が広まっている。本研究では受講者の社会経済的背景と内発的動機づけ・外発的動機づけの高さとの関連を検討した。研究1では1つのコースの受講者1,633名から得られた質問紙データを分析し、国民1人あたりの国内総生産(GDP)が低い国からの受講者は外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。研究2では、研究1で扱ったコースを含めた7つのコースのデータについてメタ分析的手法を用いて検討を行った。その結果、国民1人あたりの国内総生産(GDP)が低い国からの受講者は内発的動機づけが低く、外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。また、ジニ係数が高く、経済格差の大きい国からの受講者は外発的動機づけが高い傾向にあることも示された。以上より、社会経済的にあまり富んでいない国からの受講者は、MOOCを通じてキャリアを向上させようとするような外発的動機づけが高い傾向にあることが示された。これらの結果を踏まえ、MOOCに期待される役割のひとつである、教育機会の格差是正の実現可能性について論じる。
著者
田口 真二
出版者
熊本県警察本部科学捜査研究所
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

目的刑務所等に収容されていない一般の男性に対して,未遂を含む性暴力の加害経験について自己報告研究を行い,性暴力の加害経験を持つ者の要因構造が,加害経験がない群と等質であるか異質であるか,あるいは連続性があるかについて実証的に検討した。方法(1)質問紙の内容■性暴力加害経験についてのスクリーニング質問■男性用性的欲求尺度(田口ら,2007)■新性格検査(柳井ら,1987)■性犯罪神話尺度(湯川・泊,1999),平等主義的性役割態度スケール短縮版(鈴木,1994),女性に対する敵意(大渕ら,1985)■性行動やメディア興奮度など。(2)調査対象者18歳以上の男性785名(東北地方から九州地方に居住する会社員319名,公務員205名,学生213名,その他48名)のデータを収集した。平均年齢34.1歳(SD=13.09,18-69歳)。(3)手続き平成18年7月下旬から8月上旬および平成19年7月下旬に調査協力者を介して個別に配布する宿題調査並びに大学での集合調査を行った。調査票は無記名。回収率は40.4%であった。結果と考察加害経験を持つ者151人(以下、加害群)の要因構造を検討し、「性的欲求」「性格」「女性認知」「性行動」の4因子からなる因子分析モデルが構築された。加害群から得られた因子分析モデルを使い,加害群と非加害群の2母集団同時分析を行った。群間に等値制約を置かないモデルで十分な適合度が得られたので,確認的因子分析モデルが非加害群にも適用できることが示された。両群のモデルにおいて因子不変が成立しているので,加害群と非加害群は質的な構造が同じといえる。以上から,加害群と非加害群は,質的構造は同じであるが因子の推定値が異なる,すなわち連続性があるということができる。性暴力行為すなわち広義の性犯罪を加害者として経験した群とそうでない群が異質ではなく連続性があることが確認されたことは,大学生や一般人を対象とした性犯罪研究の正当性を裏付けるものである。今後,性犯罪研究の分野における一般人を対象としたアナログ研究の進展が期待される。
著者
稲葉 利江子 高比良 美詠子 田口 真奈 辻 靖彦
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.45085, (Released:2022-01-12)
参考文献数
16

2020年度新型コロナウィルス感染拡大防止のため,大学教員は否応なくオンライン授業に取り組むことになった.オンライン授業において授業効力感を得られた場合,多くの授業が対面授業に戻った後も,部分的にオンライン授業やICTツールを継続的に利用していく可能性がある.そこで,本研究では,大学教員のオンライン授業における授業効力感に着目し,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT利用量」の3要因からの効果を明らかにすることを目的とした.具体的には,2020年7月〜8月に大学教員向けに実施したアンケート調査を基に,オンライン授業における授業効力感が,「指導方略」,「学生の状況把握」,「学生の活動促進」の3因子からなることを明らかにした.その上で,「ソーシャルサポート」,「学生の受講態度」,「授業内のICT利用量」の影響を検証するため,階層的重回帰分析を行った.その結果,講義,演習・実習,ゼミ・セミナーという授業形式に依らず,「学生の受講態度」が教員のオンライン授業における授業効力感の向上に全般的に影響を及ぼすことが明らかとなった.
著者
出雲 信夫 重山 昌人 田口 真穂 長嶋 大地 長野 将大 菊池 絵里 橋口 宏司 藤澤 順 村田 実希郎 礒部 隆史 梶原 康宏 五十鈴川 和人 埴岡 伸光 渡邉 泰雄 寺町 ひとみ
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.4, pp.246-254, 2016-04-10 (Released:2017-04-10)
参考文献数
10
被引用文献数
4 3

Massive bleeding induced by disintegration of breast cancer tumors for 4 yrs (88 yrs-old lady) was treated by applying Mohs' paste (75g/45mL of Zinc complex). This huge site healed quickly and the healing effects were sustained for 48 days. Based on this clinical evidence, the hemostatic mechanism of Mohs' paste was evaluated using the hind limb ischemia model in mice. Unilateral hind limb ischemia was induced in 6 week-old male C57BL/6JJmsSlc mice by resecting the right femoral and saphenous arteries. Mice were painted once a day with Mohs' paste containing 0, 37.5, 50 and 62.5g/45mL of zinc after the surgery. Hind limb blood perfusion was measured by using a laser Doppler perfusion imaging system (moorLDI2-Ⅱλ : S/N 5489). To identify capillaries, the thigh muscles were harvested on Day 1 to make a tissue section and immunostained for CD31. One day after painting of Mohs' paste, blood flow suppression to the ischemic leg was significantly enhanced in a dose dependent manner. Furthermore, anti-CD31 immunostaining revealed that Mohs' paste decreased capillary density in the ischemic muscle. The results of both the clinical and animal studies suggest that Mohs' paste suppressed angiogenesis due to the acute effects of aggregated protein and the sustained effects of decreases of CD31.
著者
中村 晃 神藤 貴昭 田口 真奈 西森 年寿 中原 淳
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.491-500, 2007-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
1

本研究では, 大学教員初任者がもつ教育に対する不安について検討し, さらにこのような不安と同時に周囲からのサポートについても考慮し, これらがどのように仕事に対する満足感と関係するかを検討することを目的とした。そのため, まず教育不安尺度を作成し, 次に教育不安が周囲からのサポート, および職務満足感とどのような関係にあるかを質問紙により検討した。その結果, 教育不安尺度では因子分析により「教育方法に関する不安」「学生に関する不安」「教育システムに関する不安」の3因子が見出された。また教育不安と職場におけるサポート, および職務内容満足感との関係を検討した結果, 教育に関する不安が高い場合, 先輩教員のサポートが満足感を上げる要因になること, および教育システムに関する不安が高い場合, 同世代教員によるサポートが少ないと満足感が低くなることが示唆された。これらのことから, 特に不安の高い教員に対しては, 職場のサポートが仕事の満足感を上げるうえで重要であると考えられる。
著者
田口 真奈 松下 佳代 半澤 礼之
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.269-277, 2011-12-20 (Released:2016-08-08)
参考文献数
8

2009年度から開始された京都大学文学研究科プレFDプロジェクトのために,ENGESTROM(1994)の「教授の計画と分析のためのフォーム」を改変し,個別作業で利用可能な,教授のデザインとリフレクションのためのワークシートを開発した.授業実施後の研修会で運用した結果,当初想定した本ワークシートの特徴((1)〜(3))のうち,(1)学生の学習の観点から教授をリフレクションし,個々の教授機能をとらえなおすこと,(2)「一斉講義形式」の授業を相対化し,他に多様な選択肢が存在することを理解すること,にとって有効であるとの結論を得た.しかしながら,(1)の今後の教授デザインを検討すること,(2)の多様な選択肢から根拠をもって選択すること,(3)授業を学習サイクルを実現する一連の教授プロセスとしてとらえることには至らず,より体系的なプログラムの開発とコーディネーター教員を巻き込む組織化が課題として残った.