著者
高村 学人
出版者
中日本入会林野研究会
雑誌
入会林野研究 (ISSN:2186036X)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.5-20, 2020 (Released:2020-05-01)

所有者不明土地問題を解決する立法の一つとして表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化法が制定された。本稿では、この法が入会に由来する土地に与える影響を考察し、入会集団の力を活かす法実施のあり方を提唱する。所有者不明土地問題は、入会地の全面積を所有者不明土地にカウントし、入会集団のほとんどが既に消滅したとの事実認識に立っている。この認識は誤っているが、それに起因して入会地に対しても利用の実質を見ず、登記上の名義にのみ注目し、その変則をトップダウン的に解消することを法は目指している。今後、字名義の土地を市町村帰属と見做したり、ポツダム政令の効力を拡張する見解・運用が一般化した場合、入会地の多くが機械処理的に公有化される恐れがある。本稿は、このような法運用ではなく、入会地を利用してきた地縁的結合を法的に組織化し、他の政策も併せて動員することで土地の共同管理の担い手へ再生させる法実施を行うべきことを主張する。最後にそれに向けた既存の法制度の活用法と研究上の課題を提示する。
著者
高村 学人 安枝 英俊 齋藤 広子 秋山 靖浩
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

我が国の住宅市場でマンションに関しては、新築購入よりも中古購入が割合として上回るようになったが、マンションの居住環境を大きく左右するのは、マンション全体の管理の質である。しかし、この情報は、情報の非対称性の問題のため購入者に届きにくい。そこで本研究は、管理の質の情報が実際にどのように提供され、それを促進するにはどのような法制度が必要か、国内での購入者アンケート調査、米仏との比較法研究を通じて探求した。結論は、仲介業者の役割強化の立法が有効であるというものであるが、しかしこのような立法を持つ仏米でなお問題が残ることも同時に明らかとなった。
著者
渡辺 公三 高村 学人 真島 一郎 高島 淳 関 一敏 昼間 賢 溝口 大助 佐久間 寛
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

フランス人類学の定礎者マルセル・モース(1872-1950)はデュルケームの甥であり、フランス穏健社会主義の指導者ジョレスの盟友であり、ロシア共産主義の厳しい批判者であった。その人類学分野以外での活動もふくめて思考の変遷を、同時代の動向、学問の動向、学派(デュルケム学派社会学)の進展との関係を視野に入れて明らかにし、現代思想としての人類学の可能性を検討する。そのうえでモースの主要業績を明晰判明な日本語に翻訳する。