著者
高橋 邦明 石井 正光 浅井 芳江 濱田 稔夫 山本 巌
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.1166-1173, 1984 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

種々の西洋医学的治療に抵抗した, 比較的病歴の長い難治性の乾癬患者33例 (尋常性乾癬26例, 乾癬性紅皮症2例, 関節症性乾癬2例) に対し, 乾癬の病態を, 表皮turn overの亢進に基づく慢性増殖性炎症, すなわち於血を基本とした慢性炎症と考え, 駆於血剤である桂枝茯苓丸 (便秘傾向の強い場合には大黄牡丹皮湯) に慢性炎症を抑制する温清飲を合方して長期間投与した結果, 著効16例 (49%), 有効10例 (30%), 無効7例 (21%), 悪化0で, 有効率79%と非常に優れた効果を認めた。副作用もみられず, 今後乾癬の治療法の1つとして極めて有用性が高いと考えられる。
著者
高橋 邦明
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.1-23, 1997 (Released:2010-08-25)
参考文献数
126

皮膚疾患に対する漢方治療法の総論として, 著者が山本巌博士より直接ご指導賜り, 日常診療において実践している実証主義的な体系を紹介した。これに先立って, 漢方医学理論の全般的な理解が必要なため, 漢方医学の中でとりわけ理論体系が確立されている中医学を取り上げて, 基礎理論と弁証論治の概略を述べることにした。漢方医学では, 西洋医学が分析的に疾患を解明しようとするのに対して, 全体の均衡を基本として考える特徴がある。皮膚疾患においても, 皮疹という局所所見を全身所見の背景の中で捉えることが重要であり, 西洋医学とうまく組み合わせることによって, さらに治療の幅を広げることができるものと期待される。
著者
有井 一伸 戸井 恵子 高橋 邦明
出版者
一般社団法人エレクトロニクス実装学会
雑誌
エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集 第26回エレクトロニクス実装学術講演大会
巻号頁・発行日
pp.140-141, 2012 (Released:2014-07-17)

本研究では、チップ抵抗のSn-3Ag-0.5Cuはんだ接合部の温度変化率による影響について調べるため、温度変化率の異なる熱サイクル試験を実施した。試験条件は125℃ / -40℃とし、高温および低温の保持時間が15分以上となるように設定した。試料は実装した5025サイズのチップ抵抗で評価した。試験中の電気抵抗測定および、試験後のトルクせん断強度試験と断面観察を行った結果から、チップ抵抗はんだ接合部の温度変化率に伴う、故障状態の比較・検討を行う。
著者
細木 俊宏 高橋 邦明 村山 賢一 細木 俊宏
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

高齢化社会のモデルとして豪雪・過疎地である中郷村を選び、松之山町で成功した自殺予防介入方法を異なる地域で用いることによって、有効な自殺予防介入を検証した。平成13年(平成12年度)から3回にわたって、対象者である60歳以上の中郷村村民全員(1684〜1688人)に新潟大学方式自己記入式うつ病尺度(SDS)を配布し、SDSを回収した。回収されたSDS点数をもとに、うつ状態や自殺の危険性を評価するためにDCRによる診断面接を行なった。2年目からは積極的な介入を行なうため、自責感、焦躁感、希死念慮の有無が自殺の危険性と関連している質問項目として5つを選び、診察対象者を絞り込んだ。対象者を精神科医師が診断面接し、うつ状態や自殺の危険性を評価し、自殺予防介入方法としてその妥当性を検討した。また啓蒙活動としてうつ病について講演をおこなった。平成12年度〜14年度の3年間で8名が自殺したが、7名のSDS点数は60点未満であり、診断対象から外れていた。また1名は絞込み項目で点数が低いことから診察対象から除外された。そのためSDSの総得点、絞り込むための項日は自殺既遂者を特徴づけるものとはいえなかった。しかし自殺既遂者によるアンケート結果から、自分が社会や家族にとって必要とされるか、仕事を気楽にできるか、充実した人生であるか、頭はすっきりしているか、息苦しいか、動悸がないか、などへの回答が自殺既遂者と非既遂者で異なる傾向があった。現時点まで介入前後における中郷村の自殺率の変化は認められない。啓蒙活動の継続や地元スタッフ参加協力による共同活動を通して、地域における自殺予防介入の重要性とその必要性についてある程度の理解が得られた。しかしうつ病の早期発見、早期治療から自殺を予防していくためには今回用いた手法の限界、絞込みや訪問診察などの介入方法、評価方法に改善すべき点があると考えられた。