- 著者
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幸野 健
石井 正光
濱田 稔夫
谷井 司
- 出版者
- Meeting of Osaka Dermatological Association
- 雑誌
- 皮膚 (ISSN:00181390)
- 巻号頁・発行日
- vol.33, no.6, pp.699-707, 1991 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 33
自律神経失調症を合併する皮膚科疾患患者12図に対して, 自律神経調整剤トフィンバム (グランダキシンR) の有効性を検討した。トフィンバムは1日150mgを2週間以上投与した。蕁麻疹では, 著効2例, 有効1例, 皮膚癌痒症では有効と無効各1例, 多汗症では, 著効2例, やや有効と無効が各1例, 円形脱毛症では, 著効とやや有効が各1例, ヘルペス後神経痛1例では, やや有効であった。すなわち, 12例中7例に有効以上 (58.3%), 10例にやや有効以上 (83.3%) の効果を認めた。皮膚科的症状に伴い, 種々の身体的・精神的症状も軽快が見られた。副作用は1例にのみ軽度の眠気が見られた。以上の如く, 症例を選べば, トフィソパムは皮膚科領域においても有用な薬剤と考えられた。