著者
駒田 致和 高雄 啓三 中西 和男 宮川 剛
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.69-76, 2009 (Released:2009-05-01)
参考文献数
6
被引用文献数
1 4

近年の分子生物学などの飛躍的な発展の一因として,複雑な実験手技についての明確なプロトコルが確立されていることが挙げられる。しかし,テキスト形式のプロトコルでは伝達できる情報量が限られており,実験系の確立に手間や時間がかかることが多い。そこで注目を集めているのがオンラインビデオジャーナルのJoVE(Journal of Visualized Experiments)である。実験プロトコルや実験の結果についてのより多くの情報を,動画を用いて科学コミュニティー全体で共有するというJoVEの取り組みや今後の展開を紹介する。
著者
今井 浩三 中村 卓郎 井上 純一郎 高田 昌彦 山田 泰広 高橋 智 伊川 正人 﨑村 建司 荒木 喜美 八尾 良司 真下 知士 小林 和人 豊國 伸哉 鰐渕 英機 今井田 克己 二口 充 上野 正樹 宮崎 龍彦 神田 浩明 尾藤 晴彦 宮川 剛 高雄 啓三 池田 和隆 虫明 元 清宮 啓之 長田 裕之 旦 慎吾 井本 正哉 川田 学 田原 栄俊 吉田 稔 松浦 正明 牛嶋 大 吉田 進昭
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)『学術研究支援基盤形成』
巻号頁・発行日
2016

①総括支援活動 : 前年度立ち上げたホームページ(HP)に改良を加えて公募の円滑化を進めた。モデル動物作製解析の講習や若手研究者の交流促進を推進する技術講習会を開催した。成果ワークショップを開催し本活動の支援成果をアピールした。②モデル動物作製支援活動 : 相同組換えやゲノム編集など支援課題に応じた最適な胚操作技術を用いて、様々な遺伝子改変マウスおよびラットを的確かつ迅速に作製し、学術性の高い個体レベルの研究推進に資する研究リソースとして提供した。件数は昨年度より大幅に増加した。③病理形態解析支援活動 : 昨年より多い35件の病理形態解析支援を7名の班員で実施した。研究の方向性を決定づける多くの成果が得られた。論文の図の作成にもかかわり、論文が受理されるまで支援を行った。その結果、より高いレベルの科学誌にも受理された。④生理機能解析支援活動 : 疾患モデルマウスの行動解析支援を実施するとともに、諸動物モデルでの規制薬物感受性解析、光遺伝学的in vivo細胞操作、意志決定に関与する脳深部機能解析、等の支援を展開した。⑤分子プロファイリング支援活動 : 依頼化合物の分子プロファイリング316件、阻害剤キット配付86枚、RNA干渉キット配付・siRNAデザイン合成83件、バーコードshRNAライブラリーによる化合物の標的経路探索15件、を実施し、より多くの研究者の利便性を図った。
著者
萩原 英雄 高雄 啓三 宮川 剛
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.633-640, 2015 (Released:2015-12-15)
参考文献数
8

要約:マウスはヒト疾患のモデル動物として広く使われているが,ヒトで重篤な炎症が起きた時に発現が変化する遺伝子群はマウスでは全く異なるふるまいをしており,この観点からヒトとマウスはほとんど似ていないという報告が2013 年に出された.この報告はマウスをヒト疾患のモデル動物として使うことの有効性や妥当性などについて大きな議論を巻き起こした.しかし筆者らは,この報告で解析されたのと同じ遺伝子発現データを用いて,解析手法の改善を加えて再解析をした結果,マウスはヒトの炎症性疾患のモデルになり得ることを改めて確認することができた.この結論は,炎症性の疾患に限らず,ヒト疾患のモデルとしてマウスを用いて病態・病因の解明や治療法の開発を行う際に,ヒトとマウスの共通している部分に注目して研究を進めることが有効であることを示唆するものと考えられる.
著者
高雄 啓三 吉田 知之
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は脳発達期における RNA 編集異常がシナプス結合選択の異常をもたらし、それが高次脳機能異常を伴う発達障害の原因であるという仮説に基づき、どのような因子がRNA 編集異常とシナプス結合選択の異常をもたらすのか同定し、その制御機構を明らかにする。シナプスをオーガナイズする因子の遺伝子はこれまで20種類程度知られているがその多くが脳で発現、RNA に転写される際に編集され、多様なタンパク質が作り出されることでシナプスは多様となる。本研究では、精神疾患モデルマウスの RNA 編集を調べ、その制御機構と精神疾患との関係を明らかにする。