著者
浦野 正樹 松薗 祐子 長谷川 公一 宍戸 邦章 野坂 真 室井 研二 黒田 由彦 高木 竜輔 浅川 達人 田中 重好 川副 早央里 池田 恵子 大矢根 淳 岩井 紀子 吉野 英岐
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、東日本大震災を対象として発災以来社会学が蓄積してきた社会調査の成果に基づき、災害復興には地域的最適解があるという仮説命題を実証的な調査研究によって検証し、また地域的最適解の科学的解明に基づいて得られた知見に基づいて、南海トラフ巨大地震、首都直下地震など次に予想される大規模災害に備えて、大規模災害からの復興をどのように進めるべきか、どのような制度設計を行うべきかなど、復興の制度設計、復興の具体的政策および復興手法、被災地側での復興への取り組みの支援の3つの次元での、災害復興に関する政策提言を行う。また、研究の遂行と並行して、研究成果の社会への還元とグローバルな発信を重視する。
著者
貝沼 洵 牧田 実 河村 則行 黒田 由彦 山崎 仁朗 米田 公則
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本調査研究は、グローバリゼーションが進展し、地域が直接的にグローバルな影響にさらされ、かつ新自由主義的な国家政策との関連で、成長第一主義的な地域振興、すなわち、「中央依存型」「公共投資依存型」の地域振興から、あたらしい「まちづくり」の方法と主体形成に向けて苦悶している三つの地域、北海道北見市、愛知県瀬戸市、沖縄県宜野湾市の実状を分析し明らかにした。北見市においては、「資源供給型」「公共投資依存型」「中央主導型」経済からの脱却と、自立的な地域産業の確立を目指す「産業クラスター」運動と、新自由主義的な手法を取る神田市政が、地域の多様な利害を調整していけるのかどうかが、今後の課題であることを明らかにした。瀬戸市においては、愛知万国博覧会の主会場予定地が長久手町に移った現在、ビッグ・プロジェクト依存の中央主導型のまちづくりではなく、瀬戸市の地元政・財界がどのように「政治的に」自己革新して、幅広い住民諸階層の利害や運動に対応するのかが、瀬戸市の課題であることを明らかにした。これに対して、宜野湾市においては、普天間飛行場跡地利用も含めた中央政府への依存と、米軍基地に依存する経済からの脱却と自立したまちづくりとのジレンマに直面していることを明らかにした。