著者
Shrestha Suresh Das Karmacharya Roshani Rao G.K.
出版者
地下水学会誌
雑誌
地下水学会誌 (ISSN:09134182)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.29-40, 1996-02-08
参考文献数
6
被引用文献数
9

ネパール国カトマンズ盆地には礫層を主体とした鮮新・更新統が広く発達している.この礫層は.盆地北部では不圧地下水の帯水層で.南部では被圧地下水の帯水層を形成し.その中間の中央部では半被圧帯水層となっている.これらの帯水層には15m程度の井戸が掘削され.主として飲雑用水として利用されている.盆地全体の地下水流動量は1,380m<SUP>3</SUP>/dayであるが.雨期にはほぼその2倍に増大する.しかしながら.カトマンズ盆地の水利用量の40%をしめる地下水使用量の増加によって.水位低下などの障害が心配されてきた.そこで.特に北部についてはマルチパーパス計画を行うべきである.
著者
三田村 宗樹 中川 康一 升本 眞二 塩野 清治 吉川 周作 古山 勝彦 佐野 正人 橋本 定樹 領木 邦浩 北田 奈緒子 井上 直人 内山 高 小西 省吾 宮川 ちひろ 中村 正和 野口 和晃 Shrestha Suresh 谷 保孝 山口 貴行 山本 裕雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.179-188, 1996-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1

1995年兵庫県南部地震は,阪神地域に甚大な被害を生じさせた.阪神地域は都市化の進んだ場所で,人工的な地形改変が多くの場所で行われている.しかし,現在の地形図上では,その箇所が不明確であるため,過去の地形図との比較から人工改変地形の抽出を行ったうえで被害分布との関連を西宮・大阪地域について検討した.大阪地域では,基盤断層の落下側に被害が集中する傾向があり,基盤構造との関連性が存在することを指摘した.これについては,既存地下地質資料をもとにした地震波線トレースのシミュレーションの結果から,地震波のフォーカシング現象がかかわっているとみている.結論として,日本の大都市の立地する地盤環境は類似し,地震災害に関して堆積盆地内の厚い第四紀層での地震動増幅,伏在断層付近でのフォーカシング,盆地内の表面波の重複反射よる長時間震動継続,表層の人工地盤や緩い未固結層の液状化など共通した特性を有していることを指摘した.