著者
井上 直人 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.161-168, 2023 (Released:2023-06-15)
参考文献数
18

〔目的〕立ち上がり動作の殿部離床相における体幹と骨盤に関係する運動を明らかにすることを本研究の目的とした.〔対象と方法〕健常男性15名に立ち上がりを実施させ,画像解析ソフトを用いて各角度の変化を測定した.〔結果〕殿部離床相初期および後期で骨盤前傾,膝関節伸展,下腿前傾が増加した.加えて,初期では体幹前傾,胸腰椎移行部屈曲が増加し,後期では体幹後傾,股関節伸展が増加した.運動パターンは,16パターンに分かれた.〔結語〕殿部離床相初期の体幹前傾には胸腰椎移行部屈曲の関与が大きく,後期の体幹後傾には股関節伸展の関与が大きいことが示唆された.さらに,骨盤前傾には足関節背屈位での膝関節伸展の関与が大きいことが示唆された.
著者
門田 美咲 井上 直人 北原 拓 黒川 拓馬 渕野 航平 柳川 洸輔 福本 悠樹 谷 万喜子 鈴木 俊明
出版者
関西理学療法学会
雑誌
関西理学療法 (ISSN:13469606)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.60-63, 2018 (Released:2018-12-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

This study aimed to clarify the effect of physical therapy using acupuncture stimulation at the Shangdu point on spinal neural function. This study examined the F-wave excitability of the spinal neural function in 15 healthy subjects using pressure stimulation at the Shangdu point. F-wave persistence significantly decreased at 5, 10, and 15 minutes after treatment, compared with the resting state. F-wave persistence significantly decreased at 0, 5, 10, and 15 minutes after treatment, compared with that during application of pressure. F-wave persistence significantly decreased at 5, 10, and 15 minutes after treatment, compared with that at the 0 time point. Pressure at the Shangdu point inhibits the excitability of the spinal neural function.
著者
渡邉 真一 井上 直人 今井 公江 末丸 克矢 荒木 博陽 相本 太刀夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.221-226, 2006-03-10 (Released:2007-11-09)
参考文献数
21
被引用文献数
9 11

Interest in dietary fiber has been growing due to the many benefits it has for health. It is well known that dietary fiber reduces the risk of developing health problems such as obesity, hypertension, constipation, type 2 diabetics and hyperlipidemia. However, dietary fiber is also known to reduce the bioavailability of minerals, nutrients and certain drugs, though the interaction between dietary fiber and drugs is still poorly understood. In this study, we examined the adsorption of drugs (theophylline, acetaminophen, metoprolol, chlorpromazine, imipramine, amitriptyline and diclofenac sodium) onto several types of dietary fiber (cellulose, chitosan, pectin, sodium alginate and glucomannan) at pH 3 and pH 7 in order to determine the in vitro adsorption characteristics of dietary fiber. Our findings indicated that adsorption of drugs onto dietary fiber ranged from 0 to 96%, varying with the types of dietary fiber and drugs, and pH. Chlorpromazine, imipramine and amitriptyline showed particularly marked adsorption onto sodium alginate and glucomannan. We considered that ionic bonding was one of the reasons for adsorption.These findings indicate the possibility of the bioavailability of drugs being reduced when they are taken with dietary fiber due their adsorption onto dietary fiber.
著者
石束 友輝 橋本 雅至 井上 直人 古川 博章 山崎 岳志 河野 詩織 吉川 晋矢 木下 和昭
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.CbPI2220, 2011

【目的】<BR> 我々は、高校サッカー選手における運動時腰痛の軽減を目的にメディカルチェックと体幹筋トレーニング指導を行っている。体幹筋機能検査として、Kraus-Weber test 変法大阪市大方式(以下、KW)と Side Bridge test(以下、SB)を用いている。KWは体幹筋機能検査として有用性が数多く報告されている。また、我々はSBの体幹筋機能と運動時腰痛との関連性を報告した。先行研究において体幹筋トレーニングを継続した結果、SBやKWの点数の向上に伴い運動時腰痛が軽減したことを報告した。しかし、腰痛が残存する選手も認められた。本研究では初回メディカルチェック時のKW 、SBの点数から低値である選手、高値である選手に分類しトレーニングを継続したことによるそれぞれの点数の変化と運動時腰痛の関連を調査した。<BR>【方法】<BR> 対象は某高校男子サッカー部員で、平成19年度の1年生10名(身長169.0±4.2cm、体重56.9±5.7kg)と、平成20年度の1年生14名 (身長167.6±6.4cm、体重56.8±5.6kg)の計24名。メディカルチェックにおいてKW 、SBの測定と腰痛に関する問診を実施した。KWは大阪市大方式に準じた。SBは姿勢保持の時間を最大60秒とし片側6点満点、左右で12点満点とした。KW、SB共に負荷量は体重の10%の重錘負荷とした。メディカルチェックは初回、中間時(以下、2回目)と約1年後(以下、3回目)に実施し、体幹筋トレーニングは初回メディカルチェック終了後より開始した。<BR> 平成19年度、平成20年度の初回のKWの点数を合計し、平均点を算出した。平均点が中間群に含まれるよう上位群、中間群、下位群の3群に分類した。SBも同様に3群に分類した。今回は上位群、下位群におけるKW、 SBの点数と運動時腰痛の保有者の変化を調査した。<BR> 統計処理は、多重比較検定にTukey-Kramer法を用い、有意水準を5%未満とした。<BR><BR>【説明と同意】<BR> ヘルシンキ宣言及び、個人情報保護法の趣旨に則り、被験者に研究の趣旨や内容、データの取り扱い方法について十分に説明し、研究への参加の同意を得た。<BR>【結果】<BR> KWは下位群9名、上位群8名であり、SBは下位群8名、上位群8名であった。<BR> KW下位群は初回15.1±2.4点、2回目18.0±6.8点、3回目22.3±7.4点であり、初回と3回目(p<0.05)において有意な増加が認められた。運動時腰痛の保有者は初回5名、2回目3名、3回目4名であった。KW上位群は初回24.6±2.4点、2回目26.8±5.3点、3回目27.0±5.4点であり有意な変化は認められなかった。運動時腰痛の保有者は初回7名、2回目5名、3回目4名であった。<BR> SB下位群は初回3.8±1.7点、2回目7.5±2.4点、3回目8.9±3.3点であり、初回と2回目(p<0.05)、初回と3回目 (p<0.01)において有意な増加が認められた。運動時腰痛の保有者は初回7名、2回目4名、3回目5名であった。SB上位群は初回11.3±0.9点、2回目8.9±3.0点、3回目10.9±2.1点であり有意な変化は認められなかった。運動時腰痛の保有者は初回4名、2回目2名、3回目4名であった。<BR><BR>【考察】<BR> 今回の結果からKW、SB下位群では点数向上に伴い運動時腰痛の保有者が減少した。初回メディカルチェック時の体幹筋機能検査において点数が低値である選手は、体幹筋機能の向上に伴い運動時腰痛の保有者が軽減したと考えられる。<BR> 一方KW、SB上位群では点数に有意な変化は認められなかった。KW上位群では運動時腰痛の保有者は減少したが、SB上位群では運動時腰痛の保有者に変化はなかった。我々は先行研究においてKW 、SB共に点数が高値でかつその点数を一定の期間維持することが、運動時腰痛改善の一要因となる可能性があると報告した。今回の結果からも、KW上位群では点数を一定の期間維持できたことで運動時腰痛の保有者が減少したと考えられる。しかしSB上位群では有意差が認められなかったものの点数を一定の期間維持できていないため運動時腰痛の保有者に変化はなかったと考えられる。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 腰痛に対する体幹筋トレーニングの効果と体幹筋機能の客観的な評価や腰痛改善との関連性についての報告は少ない。そこで、我々は体幹筋機能を客観的に評価し、運動時腰痛との関連性について経時的に調査することで運動時腰痛発生の要因を検討してきた。本研究では初回メディカルチェック時の体幹筋機能の評価結果から、運動時腰痛の予防や改善のための具体的な方針を決定しうることが示唆された。
著者
笠島 真也 井上 直人 藤田 かおり 加藤 昌和
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.77-79, 2006-03-31 (Released:2017-02-13)
参考文献数
9

コムギの発育に及ぼす光質の影響を明らかにするために,播性の異なるコムギ2品種を用いて出穂期の変異を検討した.実験は,白・紫赤・青・UVAの蛍光灯を組み合わせて8処理区を設け,連続照射・20℃恒温条件下で行った.その結果,全波長域(250〜1000nm)に対する500〜550nm(緑色)と600〜700nm(赤色)のエネルギー比と出穂まで日数の間に2品種とも有意な正の相関関係が認められ,光質がコムギの発育速度に重要な役割を果たすことが示された.
著者
三田村 宗樹 中川 康一 升本 眞二 塩野 清治 吉川 周作 古山 勝彦 佐野 正人 橋本 定樹 領木 邦浩 北田 奈緒子 井上 直人 内山 高 小西 省吾 宮川 ちひろ 中村 正和 野口 和晃 Shrestha Suresh 谷 保孝 山口 貴行 山本 裕雄
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.179-188, 1996-07-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
19
被引用文献数
1

1995年兵庫県南部地震は,阪神地域に甚大な被害を生じさせた.阪神地域は都市化の進んだ場所で,人工的な地形改変が多くの場所で行われている.しかし,現在の地形図上では,その箇所が不明確であるため,過去の地形図との比較から人工改変地形の抽出を行ったうえで被害分布との関連を西宮・大阪地域について検討した.大阪地域では,基盤断層の落下側に被害が集中する傾向があり,基盤構造との関連性が存在することを指摘した.これについては,既存地下地質資料をもとにした地震波線トレースのシミュレーションの結果から,地震波のフォーカシング現象がかかわっているとみている.結論として,日本の大都市の立地する地盤環境は類似し,地震災害に関して堆積盆地内の厚い第四紀層での地震動増幅,伏在断層付近でのフォーカシング,盆地内の表面波の重複反射よる長時間震動継続,表層の人工地盤や緩い未固結層の液状化など共通した特性を有していることを指摘した.
著者
関谷 恒久 井上 直人
出版者
北陸作物・育種学会
雑誌
北陸作物学会報 (ISSN:03888061)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.50-52, 2001-03-31 (Released:2016-12-29)
参考文献数
6

低コストで入手可能であって, アレロパシー物質を含む可能性があり, 雑草害を抑制できる可能性のある, コメヌカ, モミガラ, ソバガラ, ふすま, アカマツチップ, カラマツチップが, イネや水田雑草にどのような影響をもたらすかについて, モデル水田において検討した.pH, EC, Ehにはあまり差は見られなかったが, コメヌカ, ふすまといった易分解性の有機物やソバガラでは, 他の有機物に比べて雑草の発生量が少なかった.また, 易分解性の有機物は肥効が現れ易いが, その反面イネの生育にも障害を与えることがわかった.
著者
高田 祐樹 井上 直人 山崎 俊彦 相澤 清晴
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.31, 2017

我々は,間取りをクエリとした新しい不動産物件検索の枠組みを提案している.これまでのシステムでは,間取りをグラフとして表現し,グラフ類似度を用いて検索を行っていたが,間取り画像からグラフ構造を抽出する部分は人手で行っていたため,手間やコストが問題になっていた.本論文では間取りタイプの認識と特定の部屋の有無の認識という2つのタスクを同時学習することで検索に適した深層特徴量を抽出することに成功した.
著者
山下 淳 葛岡 英明 井上 直人 山崎 敬一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.300-310, 2004-01-15
被引用文献数
17

人間同士のコミュニケーションはフィードバックによって支援されている.たとえば,問いかけに対する応答がそうである.遠隔地間コミュニケーションを実画像通信を用いて支援する場合でも,このフィードバックを適切に支援することが重要となる.また,適切なフィードバックを得るためには,応答だけではなく,問いかけといった行為も,その意図どおりに伝えることができるよう,システムが支援することも重要である.本論文では,身振りなどに表現される作業者の注目方向,すなわち志向の伝達支援と,遠隔地と共有した作業領域における直接的な指示支援の2点に着目し,指示を行う作業者の意図や,指示を受けた作業者の身体表現を,実画像通信メディアを通したあとでもその意図どおりに再現することを試みた.Interpersonal communication is comprised by feedback such as reply to the speaker. To support this kind of feedback is the system requirements for developing remote collaboration system based on video channel. In this paper, the authors focus on these two points; 1) to support communication of conducts such as gestures, and 2) to support communication of intuitive pointing between remote and local work spaces. Remote collaboration system called AgoraG is the system which complies with two points of the requirements. The authors demonstrate how the system complies with those two requirements through some experiments.
著者
相本 太刀夫 平田 巳円男 平木 優子 土手 千恵子 井上 直人 今井 公江
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.114, no.2, pp.89-93, 1994-02-25

The antioxidative effect of the mammalian liver hydrolyzate preparation (LH) was investigated mainly in the mouse liver homogenates. At lower concentrations, LH stimulated lipid peroxidation induced by Fe^<2+> and ascorbic acid in the homogenates, but inhibited completely the oxidation at higher concentrations. LH also inhibited the peroxidation of linolenic acid and linoleic acid. LH reduced 1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl, a free radical model, in a concentration-dependent manner, suggesting that the radical scavenging property of LH is involved in its antioxidative action. Fe^<2+> and glutathione, contained in LH, seem to act as a stimulator and an inhibitor of peroxidation, respectively.