著者
久末 亮一
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.37-67, 2019-03-15 (Released:2019-03-27)
参考文献数
53

本稿は1920年に台北で創設され,おもに東南アジアで展開した日系倉庫会社「南洋倉庫」の経営を考察する。同社は,経済や国際関係の趨勢変化に翻弄されつつも,現地で一貫して倉庫業を営む一方,大正から昭和の南進の潮流と変容を投影した多様な主体が経営に介在し,その影響を受けた。本稿は,こうした背景をもつ南洋倉庫の経営を分析し,時代環境の変化のなかで考察しながら,当時の南洋にかかわった経済・企業活動の態様を明らかにする。
著者
久保 康之
出版者
アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.72-75, 2002-03
著者
片山 裕
出版者
アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.81-85, 1999-01
著者
足立 徹 阿部 真人
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 = Quarterly journal of Institute of Developing Economies Japan External Trade Organization (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-46, 2018-03

企業の発展・成長過程において,輸出による国外展開は地理的な売上範囲の自国内から国外への拡大と言える。一方,地理的な売上範囲の拡大という概念を考える際,輸出はあくまでその一部であり,企業が国外展開する以前の段階としては,所在郡内から州内他郡への展開,所在州内から他州への展開も含まれる。このことに関し,国外への展開に係る研究は多く存在するが,国内の地理的な売上範囲の拡大過程及びその中での売上額の増大とそれらの要因についての実証面からの研究はあまり見られない。本研究は,欧米諸国の経済制裁緩和により,ここ数年でビジネス環境が大幅に変動しているミャンマーの国内企業を対象に,ESCAP,OECD 及び UMFCCI が 2014 年に共同実施したアンケート調査を用いて実証的分析を行ったものである。そしてその結果,企業の生産性,企業規模,資金調達の多様性等が,輸出のみならず,企業の国内における売上範囲の拡大及び売上額の増大に対しても影響を与えることを明らかにし,これら諸要素を促進することが企業の国内レベルでの成長についても有効であることを示したものである。
著者
安冨 歩
出版者
アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.27-54, 2003-10
著者
丁 可 Ding Ke
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 = Quarterly journal of Institute of Developing Economies Japan External Trade Organization (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.10-33, 2015-03

本稿では,日本的生産システムの海外展開の視点から,日系中小サプライヤーの中国市場開拓の現状を検討した。現時点で,中小サプライヤーの大多数は依然として日系企業を中心に取引を展開している。しかし,非日系向けの販売に成功した中小企業も出現するようになり,日本的生産システムと他国の生産システムが徐々に融合し始めている。非日系企業と取引を展開する中小サプライヤーは「国際派」と「現状維持派」に分類されるが,「国際派」のほうは経営の現地化を積極的に進めているだけでなく,日本的取引慣行の強みも発揮している。その過程でさまざまな技術情報が顧客のほうへ流れるようになり,その成長に寄与している。