著者
廣瀬 信己
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.47, no.11, pp.721-732, 2005 (Released:2005-02-01)
参考文献数
21
被引用文献数
2

国立国会図書館では,平成14年6月より「国立国会図書館インターネット資源選択的蓄積実験事業(WARP: Web Archiving Project)」を実施している。Webアーカイビングには,ホール・ドメイン,選択的,納入型,組み合わせ型など,さまざまなアプローチがある。IIPC (International Internet Preservation Consortium),e-Japan重点計画2004,国立国会図書館電子図書館中期計画2004,納本制度審議会などの内外の動向を交えながら,Webアーカイビングの実務と課題について,その概要を報告する。

1 0 0 0 OA 数学と発想

著者
秋山 仁
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.283-298, 1997 (Released:2001-04-01)
被引用文献数
1 1

演者は,幼いころ,数学が苦手でありながら数学者になったという自らの体験をもとに,いかに日本の数学教育が子供の発想力を歪め,理数嫌いを増やしているかについて述べ,知識を詰め込むよりも日常の中で不思議を感じ問題を提起する力,ひいては独創性を養うことこそ今後の科学技術発展のためにも不可欠であると説いた。そして発想力が問題を解く鍵となるいくつかの定理や問題を披瀝し,その重要性を例証した。
著者
佐久間 真紀
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.91-97, 2008 (Released:2008-05-01)
被引用文献数
2

「企業図書館」では,会社から求められるニーズの変化,情報社会の多様化に対応した変化が常に求められる。このため,富士通(株)川崎技術情報センターでは,「企業図書館」として,改めてミッションを明確にし,活動の指針とする「運営要綱」を2004年に策定した。本稿では,運営要綱で掲げたコンセプトおよび実際に行っている利用者対応,情報発信,資料管理業務の改善・向上,および顧客満足度向上,利用促進活動等について紹介する。
著者
中居 隆
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.194-206, 2008 (Released:2008-06-01)
参考文献数
2
被引用文献数
2 2

知的財産に関する自社・他社の状況を的確に把握することは,知財経営に向けた第一歩であり,知財ポートフォリオ分析が注目されている。テキストマイニング技術の活用により,従来,多くの労力と時間を要した,大量の文献群の内容まで切り込んだ分析が可能になるとともに,言葉をベースにしたマッピングやネットワーク分析,文中に出現する単語・係り受けに基づくグルーピングなど,分析・可視化手法も高度化している。今後は,単なるツールにとどまらず,企業・研究機関の知財業務を支えるインフラへの昇華が期待される。そして同時に,これを活用する,調査・企画部門や知財部門のスタッフには,新たなスキルが求められるようになる。
著者
成子 由則
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.439-448, 2006 (Released:2006-11-01)
参考文献数
8
被引用文献数
2 1

熟練技術者の有する知識・ノウハウを獲得し,デジタル化して体系的に蓄積し,逐次実行できる知識ベースシステムを開発した。ノウハウを含む「仕事の進め方」を知識としてとらえ,ワークフローと制約・根拠情報のフレームワークにより,これを再現性のある知識として表現することができた。実装したシステム「指南車」は,設計,製造の実務に適用され,モノづくりの知識伝承ならびに品質レベルの高位平準化,リードタイムの短縮に有効であることが確認できた。
著者
時実 象一 和田 光俊
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.745-751, 2008 (Released:2008-02-01)
参考文献数
16

電子ジャーナルの普及,Google Scholarの出現などの環境変化に対し,世界の二次情報データベースは変革を迫られている。付加価値の高いコンテンツを提供するCASやWeb of Scienceは従来路線をさらに強化する方向である。Web of Scienceを追うScopusは,研究者個人の評価に力を入れており,Citation Tracker, Author Identifierやh-indexを導入している。他のデータベースも付加価値を高めようとしており,Inspecは各種索引に力を入れ,CSA Illuminaは論文中の図表の索引を始めた。電子ジャーナル系では,雑誌取次業者Swetsは図書館に密着したデータベース提供に力を入れている。さらに学会出版社独自のScitopia検索サービスも試みられている。
著者
根岸 正光
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.51, no.11, pp.799-805, 2009 (Released:2009-02-01)
参考文献数
1

1986年に創刊された「データベース白書」は,2008年5月刊行の「電子情報サービス2008」をもって23年目となった。本稿では,この間の白書各年版の内容を振り返りつつ,わが国におけるデータベース関連諸分野の変動を跡づけ,今後の展望に資するものとしたい。
著者
国司 洋介
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.591-599, 2011 (Released:2011-02-01)
参考文献数
1
被引用文献数
1 1

テキストマイニングを応用した特許の可視化ツールを利用すると,大量の特許の概要を容易に把握することができる。これは研究開発テーマの探索など研究開発の開始以前の段階で,特許情報を利用する際の大きなメリットである。本稿はテーマ探索や既存のプレイヤーの解析など,研究企画段階での特許解析の観点で,可視化ツールやマクロ解析といった特許解析の支援ツールの使い方について考える。
著者
岡村 久道
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.501-509, 1997

近時,インターネットは飛躍的な発展を経験してきた。現在,サイバースペースにおける最も重大かつ有名な問題の一つは,ドメイン名と登録された商標との対立である。ドメインネームは,申請順に割り当てられることになっているので,しばしば無関係な第三者が著名な商標を勝手にドメイン名として登録してしまう。この問題に対処するため,NSIは,1995年7月28日,ドメインネームの紛争に関する指針を公表した。しかし,この試みも失敗に終わっている。NSIの意に反して,それは単にNSIを多くの訴訟に引きずり込んだというだけであった。今日,IAHCとWIPOとは,gTLD(generic top-level domain name)という新たな試みを行っている。
著者
田辺 則明
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.93-100, 2002

著者が属する社会科学系の調査研究図書館である銀行図書館からみた専門図書館におけるインターネットの利用を述べた:1) 出版状況や事実調査のためのツール 2) 該当資料をインターネットからダウンロードという資料入手ツール,および 3) 自図書館の情報発信ツール。次にインターネットの問題点を述べた:1) 検索エンジンの機能は該当情報にアクセスするには適合性,関連性に関してあらく,情報を探し出す取っかかりにすぎない 2) インターネットから収集,活用できる資料はきわめて少ない。更に問題点として,インターネットで提供される情報の著作権の問題,インターネットから入手した電子資料を電子媒体で保存する場合の経年的な問題も論じた。最後に,インターネットは便利な手段であるがために便利に使えばよい,そしてインターネットは巨大なフリーマーケットであり,巨大なデータ群から有益なデータや有意義な情報を掘り出すことができる手段でもあると述べた。
著者
時実 象一
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.43, no.7, pp.615-624, 2000
被引用文献数
3 1

1999年11月に,欧米主要12出版社が引用文献から電子ジャーナルへの相互リンクシステムを実現することで合意した。これに基づきCrossRefプロジェクトが発足し,2000年6月には米国化学会など主要学会も含め36出版社が参加し,すでに10出版社2,700雑誌へのリンクが可能となった。CrossRefはDOI (Digital Object Identifier) をリンク先のURLに用いている。そのメカニズム,料金,影響,問題点について解説した。
著者
白木澤 佳子 高木 利久
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.144-151, 2011 (Released:2011-06-01)
参考文献数
8
被引用文献数
7 4

(独)科学技術振興機構(JST)はライフサイエンス分野のデータベース統合を推進するため,平成23年4月1日にバイオサイエンスデータベースセンター(National Bioscience Database Center: NBDC)を設置した。NBDCは,「データベース統合化のための戦略の立案」「ポータルサイトの構築・運用」「データベース統合化基盤技術の研究開発」「バイオ関連データベースの統合化の推進」の4つを活動の柱とし,ライフサイエンス分野のデータベースを統合してデータの価値を最大化することにより,日本の利用者,さらには世界の利用者に貢献できるデータベースセンターとなることを目指す。