著者
佐藤 芳彦 SATO Yoshihiko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.83, pp.29-53, 2008-12

1 問題の所在2 仮議会[第1会期](1689年2月18日〜8月20日):1689年度予算審議3 仮議会第2会期(1689年10月19日〜1690年1月27日)及び第2議会第1会期(1690年3月21日〜5月23日):1690年度予算審議(以上,82号)4 第2議会第2会期(1690年10月2日〜1691年1月5日):1691年度予算審議(以下,本号)5 第2議会第3会期(1691年10月22日〜1692年2月24日):1692年度予算審議6 第2議会第4会期(1692年11月4日〜1693年3月14日):1693年度予算審議7 総活:名誉革命後における予算審議の歴史的位置
著者
佐藤 芳彦 SATO Yoshihiko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.82, pp.43-67, 2008-06

1 問題の所在2 仮議会[第1会期](1689年2月18日〜8月20日):1689年度予算審議3 仮議会第2会期(1689年10月19日〜1690年1月27日)及び第2議会第1会期(1690年3月21日〜5月23日):1690年度予算審議(以上,本号)4 第2議会第2会期(1690年10月2日〜1691年1月5日):1691年度予算審議(以下,次号)5 第2議会第3会期(1691年10月22日〜1692年2月24日):1692年度予算審議6 第2議会第4会期(1692年11月4日〜1693年3月14日):1693年度予算審議7 総活:名誉革命後における予算審議の歴史的位置
著者
小林 葉子 KOBAYASHI Yoko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.86, pp.95-105, 2010-06

本稿1)では,外国語教育の目的である基礎的な外国語運用力(4技能)習得を長い間達成できずにいる日本の英語教育を見つめなおし,このような状況にも関わらず,新たに議論されている目標3つを整理し,そうした目標を必要だとする声の背景と,目標設定の問題点を明らかにする.具体的には,日本人に欠けている・磨かなくてはいけない能力として最近盛んに議論されている,異文化への寛容な態度,グローバル社会に対応できる英語力,そして自己表現力としてのコミュニケーション能力を取り上げ,そうした態度・能力を英語教育という授業の中で育成しようとする動きとその限界を議論していく.理論的枠組みとして,留学生教育,国際ビジネス,第二言語教育を含めた応用言語学,コミュニケーション学,文化心理学などの学問領域にその知見をもとめる.
著者
佐藤 正恵 植田 映美 小川 香織 SATO Masae UETA Emi OGAWA Kaori
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.86, pp.27-40, 2010-06

2005年の発達障害者支援法制定や2006年の学校教育法一部改正に伴う通常学級での特別支援教育開始等に伴い,医療や教育,福祉,司法など多くの領域で注意欠陥・多動性障害(以下ADHD)や広汎性発達障害など発達障害への関心が広がっている。近年,こうした障害への気づきが早くなる一方,わが子に発達障害があると知らされた保護者のほとんどは戸惑い,対応に悩んでいるのが現状である。中でもADHDをもつ子どもは発達段階に不相応な多動性や衝動性,不注意ゆえに幼少期より社会適応や学業が妨げられやすい。そのため,保護者の中には子どもの生活上の困難に強い不安を抱いたり,ささいなつまずきを甚大に捉え自責感を強める,あるいは逆に子どもの行動を厳しくコントロールしようとする者もいる(田中,2007)。こうした場合,より良い親子関係が築かれにくく,親子ともども抑うつ症状をきたしたり,虐待などに至ったりする危惧がある。
著者
大床 太郎 笹尾 俊明 柘植 隆宏 OHDOKO Taro SASAO Toshiaki TSUGE Takahiro
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.82, pp.79-91, 2008-06

近年,適切な管理対策が講じられなかった結果として,長大な河川において,局所的な環境被害が発生している。本研究で対象とする,東北地方最大の河川である北上川では,その下流域において「濁流問題」と呼ばれる環境被害が生じている(塚本(2004))。1979年の北上大堰の設置以降,流域で大雨が降った際に,大量のゴミや流木,砂の混じった「濁水」が,上・中流域から下流域に流入し,河口域に広がるヨシ原や地域の特産品であるシジミなどの自然生態系に少なからぬ影響を与えている。 北上川で行うべき対策としては,1)ヨシを定期的に刈り入れ,あるいは火入れすることによって適切に管理し,2)河口域の塩分濃度の調整によってシジミを保護し,3)流木などのゴミを引き上げることが挙げられる。 塚本(2004)によれば,北上川河口域周辺地域の住民にアンケートを行った結果,7割以上の住民が,自然生態系や景観の保全に関心を抱いていることが確認されている。河川管理法が1997年に改正され,行政が住民の意図を適切に汲み取って河川を管理すべきであるという体制になっている現在では,北上川においても,住民の意図を反映した河川管理を行うべきである。そのためには,行政が住民の意図を把握する必要があり,社会科学的な研究が希求されてきた。 以上のような課題を踏まえて,笹尾(2003)と笹尾(2004)では,仮想評価法(ContingentValuation Method:CVM)と選択型実験を用いて,北上川河口域の自然環境とレクリエーション設置の対策に関する住民の選好分析を行っている。笹尾(2003)では,ヨシ原の保全やシジミの漁獲量については,河口域の住民よりも上流域の住民の方が高く評価し,流木などゴミの量やレクリエーション整備については,上流域の住民よりも河口域の住民の方が高く評価していることを明らかにしている。加えて,対策に関する住民の評価として,対策案への支払意志額(Willingness to Pay:WTP)を算出している。一方で,選択型実験において,河口域住民のヨシ原保全とシジミ漁獲量に関する評価について統計的に有意な結果が示されなかったこと,費用負担のあり方に関して選好構造の分析をすべきことなどの課題が残された。また,笹尾(2004)では,居住地域・職業・所得などの個人属性によって,対策への選好が分かれたことを確認している。それによって,多様な選好の存在可能性が示され,選好の多様性をより明確かつ適切に表現できる定式化をすべきことが課題として残された。 本研究では,それを拡張し,明示的に選好の多様性を表現できる混合ロジットモデル(Mixed Logit Model:ML)によって分析を試みる。本研究の基となっているデータは笹尾(2003)と笹尾(2004)のアンケート調査で得られたデータであり,そのうちの選択型実験のデータのみを用いる。得られたデータセットは,1)対策費用は上流と下流の双方が負担するという設定で上流の住民を対象に実施した調査(以下,上流),2) 対策費用は上流と下流の双方が負担するという設定で下流の住民を対象に実施した調査(以下,下流A)1) ,3) 対策費用は下流のみが負担するという設定で下流の住民を対象に実施した調査(以下,下流B)2) の3つに分かれている。それらを適切に組み合わせて分析することで,1)上流域と下流域とで,河口域環境対策はそれぞれどのように評価されるのか,2)費用負担に関する設定の違いによって,河口域環境対策に対する評価はどのように異なるのか,という課題を明らかにすることができる。 河川環境に関して,本研究と同様の環境評価手法を用いた近年の研究として,国内では田口ほか(2000)・山根ほか(2003)が挙げられる。しかし,それらにおいては,住民の多様性を考慮した選好構造分析や,費用負担制度に関する詳細な検討は行われていない。また,国外の近年の研究としては,Hanley et al.(2005,2006a, 2006b)・Colombo et al. (2007)が挙げられる。そこでは,河川環境の整備に対する選好構造分析において,本研究と同様にMLが用いられている。選好の多様性を考慮できるMLでの研究が,現在の研究の潮流となっていると言えよう。
著者
家井 美千子 IEI Michiko
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.44, pp.p173-190, 1989-06
著者
北村 一親 KITAMURA Kazuchika
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
アルテスリベラレス (ISSN:03854183)
巻号頁・発行日
no.83, pp.1-27, 2008-12

かつては言語学者が言語の起源を追究することは学界において世界的に忌避されており,50年ほど前の日本の言語学会においても同様で,鈴木孝夫が記号論的視点から「鳥類の音声活動」と題する講演を行った際,出席者から「たしか100年前にフランスの言語学会で,人類言語の起源は今後言語学では一切扱わないことを宣言したが,それを知っていますか」という旨の質疑を受けたという。2 bis) しかし,時は移り,幸いにも現在ではこのような軛から解放されて言語の原初の姿を模索する様々な試みがなされるようになってきており,例えば,手話言語3) やクレオール諸語4) に言語の原初形態を見出そうとする動きがある。筆者は将来的にクレオール諸語における注目すべき諸点を考察するために,さまざまなクレオール諸語,すなわち大航海時代および植民地主義時代の所産であるフランス語,英語,ポルトガル語やオランダ語(そしてこれらの諸言語に付け加えるならばスペイン語やその他の非印欧語)を基体とするクレオール諸語を言語の原初形態を探求しうるのかどうかも含めて研究することを企図している。しかし,研究を始めるにあたり「クレオール語」を定義する必要があり,またその前に統一的な理解が難しい「クレオール」という概念の検討が必要不可欠と考え本稿を起稿する次第である。なお,クレオール諸語の中でも特にカリブ海に浮かぶ大アンティル諸島イスパニョーラ島の西3分の1を占め,1804年にラテンアメリカで最初に独立したハイチ共和国の国語であるハイチ・クレオール語およびフランスの海外県である小アンティル諸島のマルチニーク,5) グワドループ等におけるフランス語を基体とするクレオール諸語(フランス語系クレオール語)を他のクレオール諸語と比較することを中心に据えたいので本稿の欧文標題をハイチ(・クレオール)語で表した。また,本稿標題が「クレオール語で」という表現で止めているのは今後の研究も想い描きながら,この言語,すなわち「クレオール語」であらゆる可能性を示したいという筆者の願望の故であることをここに明記しておく。