著者
村井 貞彰
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 農学 = Bulletin of the Yamagata University. Agricultural science (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.179-187, 1957-02-25

In .the previous report,the author recorded on the emergence of adults of the egg parasites,the seasonal prevalence,the rate of the appearance and the sex ratio. In that paper, the author considered that, both species seem to indicate the possibility of the rare parthenogenesis because of the fact that the females have a great number of them,and the percentage of the parasitism may be also increased by that. In the present paper, the results of the ecological studies of adults of the egg parasites are shown. A special study was made on the activity of copulation,oviposition and the percentage of the parasitism.
著者
苫名 孝
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要 農学 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, 1956-03

【緒言】 大根のすいり現象については,従来多くの業績があり生態的,組織解剖的な面で得る所多大であるが,体内成分の点では定量的な成績を見出し難いうらみがあった.著者はさきに,根菜類に及ぼす肥料三要素の影響について報ずる所があったが,その一端として体内含量とす発現との関係を調査し,更に窒素含量の消長についてはようやく詳細に検討を試みた.なお,地上部茎葉との関係を明らかにする必要から,その手がかりとして浸透圧に就いても若干の測定を行った.
著者
前田 直己
出版者
山形大学
雑誌
山形大学紀要. 農学 = Bulletin of Yamagata University. 山形大学農学部 編 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.365-372, 2017-02

本研究では,はじめにブロッケン現象のメカニズムについて紹介した後,日本の古典に記された「来迎」を時系列的に整理することで先人たちがこの自然現象をどのように把握していたのか明らかにすることとしたい。2016年10月時点で,Web of Scienceで、Brocken spectreを検索するとBeaton, A. et al.(1996),Houston, D(1999),Mitchell, S.(2007)の3件が選択されるのみであるが,ブロッケン現象を起こすMie散乱(Mie Scattering)(後術)に関する論文は5,000件を超える数がある。古典に記載された文章から,中世の人たちが自然現象をどのように把握していたのか明らかにしようとする研究事例はほとんどないので,本論ではこの点を明らかにすることを目的とした。
著者
飯塚 一郎
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.795-801, 1969-03-20

冬季の温州みかんの落葉防止として葉面散水を行なうため,先ず葉の吸水について水温および界面活性剤添加との関係を調査した.実験結果の要約されたものは次のようである.1.温州みかんの切葉は乾湿いずれも浸水後10分間では急激に吸水を行ない,乾いた葉は湿った葉より急速に吸水を行なった.2.葉の上下面にワゼリンが塗布されたとき,葉の全面よりの吸水が最も高く,下面よりの吸水量は全面よりの吸水量と上面よりのそれの中間に位した.3.O℃~5℃の水温に浸された葉の吸水は殆んど行なわれなかったが,10℃~20℃の水温の吸水はかなり行なわれ,25℃で最高に達し,30℃ではかえって低下した.界面活性剤を添加された水は添加しない水より著しく吸収され,また温度上昇に伴って増加の傾向を示した.4.界面活性剤を添加された水は0.1%の濃度で最も早く吸収され,その吸水量は20℃で浸水後1時間で添加されない水の吸水量の約5倍であった.
著者
尾河 和夫 阿部 幸吉
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.169-180, 1952-01-30

本報告は昭和25年8月、山形県東田川郡常万村に於て、昭和24年度に於ける酪農経営及び豚飼育及び鶏飼育経営の実態を調査しそれをまとめたものである。この調査は昭和25年度科学研究費による。かつ石川農学部長及び山形県知事室調査課の御厚意によることも多く謝意を表する。
著者
後藤 岩三郎
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.55-74, 1950-12-25

前報では主として気泡についての諸観察,研究,被害の発生地域に関する気象上の考察が報告されている。此では浮き上りと苗代の管理方法との関係,気象の影響,及び山形県庄内地方について行はれた調査等を述べるものである。此の研究の大半は,石川農学部長及び山形県知事室調査課の御厚意によって実施出来たものである。研究中懇切な御指導を戴いた佐藤正己教授に深く感謝する。気象学上の諸点については本校羽根田教官に負う所が多い。猶実験は加藤清子,桜田豊両氏の助力によって為された。
著者
上林 美保子 綱島 不二雄
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.465-470, 1997-01-31

【緒言】各種の半矮性遺伝子を有する短稈水稲品種を用いた多肥・密植栽培によって水稲の収量は,飛躍的に増加した.しかし,多肥・密植栽培は各種病害の多発を随伴し,また農薬多用による環境汚染が指摘されてきた.このような趨勢に対して,低投入・環境保全型農業(Low Input Sustainable Agriclulture=LISA)の生産体系の構築の必要性が指摘されている.しかし,このような観点からの農業生産体系の構築に関する実証的研究は極めて少ない.本研究では,LISAの観点からの農業生産体系の構築のための基礎資料を得るため,現在の良質品種の一つササニシキを用い,栽植密度と肥量水準を慣行よりも減少させることによって,水稲個体群の病気,倒伏に対する耐性を高め,しかも収量を慣行より減少させない栽培法の確立ができるかを検討した.
著者
黒田 昭
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.311-343, 1987-01-20

【あとがき】以上の研究によって,土地分級および地域計画の方法についていろいろな点を明らかにすることができた.そしてこの計画が採決され実施に移されることになると次のような問題の解決に当たらねばならないことになる.まず,今までに述べた分析に直接引きつづく課題として畜産物の集荷と資材供給のネット・ワ一ク,加工工場それらを計画管理する畜産基地,林業基地の建設の計画,道路網の計画,用水確保・排水処理などの関連投資計画の諸問題があり,また開発地への入植者の生活・文化・教育環境,集落形成の問題などがある.もう一つの論議を呼びそうな点は,このような開発計画の実現に際しての問題である.それは土地所有,地価上昇,先回り買占め,土地利用と交通輸送網の選定における観光との競合関係などの問題が潜在していることは当地域としても例外ではないからである.これらの問題の解決策としての地域計画方法については今後の課題として行なわなければならない.本研究は昭和54年,55年度文部省科学研究費助成(試験研究,研究代表 東京農工大学 穴瀬 真教授)によって行なわれた「土地分級体系における評価基準の実証的研究」の分担研究として,その一部を発表している.最後に本研究を遂行するに当って,東北農政局北上地域総合開発調査事務所,岩手県企画部,農林部からは各種報告書およびデータの提供を受けた.また,当研究室の鈴木隆技官および卒論専攻生菊池郁聡,下河辺浩弥,渡部靖雄の諸君の協力を得た.ここに記して謝意いたします.
著者
高樹 英明 青葉 高
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.565-572, 1985-01-21

【緒言】チューリップ'GoldenHarvest'は,Multiflowered系統のものを除く他の大多数の品種と同様に,通常1茎に1花しかつけないが,年によって大球では花茎が上部で2~5本に分枝して,それぞれの分校の頂端に花をつける個体がかなり生ずる.この分枝現象は枝咲きといわれ,オランダではみられないが,わが国では問題になっている.枝咲きの発生が夏の涼しいオランダでみられないこと,また,わが国でも発生率が年によりかなり変動することなどから,環境要因とくに夏の高温・多湿が枝咲き発生に大きな影響を及ぼしているのではないかと従来からいわれてきた.著者の1人青葉は,枝咲きの誘起には掘り上げ期までの地温・気温や掘り上げ直後の条件の影響が大きく,貯蔵初期の高温条件がこれらに相加されて枝咲きを誘起するらしいことを前報で示した.本報では,校咲き発生を助長する要因とされている球根の大きいことや球根の高温貯蔵に関して,それらの要因の影響がどのような場合にあらわれやすいのかについて検討した.また,植物生長調節物質と枝咲き発生との関係や球根生産栽培での施肥条件と生産球の枝咲き発生との関係などについても検討した.本報はこれらの検討により'GoldenHarvest'の枝咲き発生に影響を及ぼす要因の種類とそれらの作用様式とを明らかにしようとしたものである.
著者
堀口 健一 松田 朗海 高橋 敏能 萱場 猛夫 角田 憲一 安藤 豊 後藤 正和
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 農學 (ISSN:05134676)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.111-117, 2008-02-15

Summary : The objectives of this study were to investigate the fermentation quality characteristics of Chineria-Mama whole crop rice silage and to examine the effect of addition of fermented juice of silage extract (FJSE) and fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria (FJLB) on the fermentation quality. Rice plant (Oryza sativa L. line, Chineria-Mama) was cultivated by using conventional methods and was harvested on September 8 (Sept-cutting) and October 6 (Oct-cutting), 2006. The rice plants were cut with a cutter blower into 1-3 cm pieces and were crammed into plastic pouches without (control) or with 1 % of FJSE (FJSE treatment) or FJLB (FJLB treatment) in the fresh matter. All silages were maintained indoors and opened after 1 month. FJSE and FJLB were prepared according to the following method. 100 g of the cut fresh Chineria-Mama silage and Chineria-Mama rice plant were macerated with 500 mL of water and 10 g granulated sugar was added. The mixture was incubated anaerobically at room temperature for 2 days, and then filtered through quadruple layers of cheesecloth. The filtrate was collected in a plastic bucket and blended with 10 g granulated sugar. There was no remarkable difference in crude protein, ether extracts and neutral detergent fiber content between the Sept-cutting rice plant and the Oct-cutting rice plant. The non fibrous carbohydrates content of Chineria-Mama rice plant was 33.1% Sept-cutting and 33.6% Oct-cutting in the dry matter. The pH values for silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment were the range of 3.6-3.8. Moisture contents for all silages of Sept-cutting were higher than those of Oct-cutting (P<0.01). The lactic acid contents in the fresh matter of all silages were more than 1 %, and that of FJSE treatment silage was lowest (P<0.05) at Sept-cutting and Oct-cutting. Propionic acid was observed only in FLSE treatment silage (P<0.01). Butyric acid contents were low in the silage of control, FJSE treatment and FJLB treatment. There was no large difference in volatile basic nitrogen content among three treatment silages. The present results suggest that the fermentation quality of Chineria-Mama whole crop rice silage is good, and the addition of FJSE and FJLB prepared in this experiment can not improve on the lactic fermentation of silage. Key Words : Chineria-Mama, fermented juice of epiphytic lactic acid bacteria, fermented juice of silage extract, fermentation quality, whole crop rice silage キーワード:イネ「チネリア・ママ」,サイレージ抽出培養液,原材料由来乳酸菌培養液,発酵品質,イネホールクロップサイレージ