著者
荒井 秀樹
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.20-30, 2018-01-01 (Released:2019-01-15)

日本におけるパラノルディックスキーの歴史や世界の情勢,日本選手の活躍を紹介し,パラノルディックスキーの競技の特性とシットスキーの特徴を解説する.日本における本格的な競技の始まりは1998年長野パラリンピックからであり,知的障がい者のクロスカントリースキーを正式種目とした.このことが冬季パラスポーツの飛躍的な発展につながった.同時に,クロスカントリースキー,シットスキーは北海道,東北など雪国における障がい者の冬季レクリエーション,生涯スポーツとしても普及·発展している.
著者
中村 隆
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.40-45, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
21

皮膚トラブルは,義肢装具の使用における大きな阻害因子の1つである.皮膚トラブルの原因には,力学的要因と生物学的要因の2つがある.力学的要因は圧力とせん断力によるもので,装着時には効率的な力の分散がなされなければならない.ライナーは圧力分散に優れているが,適合が十分でない場合には,たとえライナーを装着していても傷はできる.生物学的要因は感染によるもので,装着時の温湿状態が感染のリスクを高めるため,衛生管理は極めて重要である.皮膚トラブルを防ぐには,自己管理に向けた教育を入院訓練中に行うことが重要であり,退院後も義肢装具使用者に対し皮膚トラブルを早期に発見し,対処できる体制が必要である.
著者
田澤 英二
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.9-22, 2007-01-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
3
被引用文献数
1
著者
木村 和樹
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.45-49, 2016

<p>下肢の感覚障害によって歩行時のクリアランスが消失するなどの異常歩行が生じる.そこで感覚を代償をするために,フットスイッチを使用した聴覚フィードバック装置を作製した.この装置は,足底接地時に日階名(音階)「ド」「レ」「ミ」と発生する設定が可能である.足底接地時の音の発生によりフィードバックが可能.さらに,フットスイッチの信頼性の検討を行った.検者内信頼性は健常者27名54肢(男性13名,女性14名),年齢21.3±0.4歳,検者間信頼性は14名28肢(男性7名,女性7名),年齢21.2±0.4歳を対象とした.フットスイッチを踵と母趾球に貼付して,快適速度にて6歩行周期分の1歩行時間と足底接地時間を測定した.検者内信頼性と検者間信頼性ともに級内相関係数は0.800以上と,高い信頼性があった.</p>
著者
中村 隆 山﨑 伸也 中川 雅樹 田中 亮造 高橋 剛治 飛松 好子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.194-197, 2016-07-01 (Released:2017-07-15)
参考文献数
7

四肢切断者のリハビリテーションと義肢の適応に関する症例報告である.57歳,男性.電撃性紫斑病による四肢末梢の虚血性壊死により,両前腕,両下腿の切断に至る.リハビリテーションでは移動の確保や義肢の自己装脱着といった課題が顕在化し,義肢の改良とデバイスの活用が必要であった.本症例は我々が経験した同疾病による3例目の症例であったが,過去2例と比較して訓練の遂行に問題はなく,両側能動義手(手先具 : フック)とライナーを使用した下腿義足の適応となった.皮膚状態に問題がなかったこと,両前腕切断と両下腿切断であったこと,先行2症例の経験を踏まえた適切な義肢を選択したことが,順調な結果に至った理由と考えられた.

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著者
山鹿 眞紀夫 大串 幹 田中 智香 高木 克公
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.174-178, 2000-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
5
著者
佐藤 政博
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.30-32, 2004-01-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
3
著者
河島 則天 太田 裕治 谷崎 雅志 中澤 公孝 赤居 正美
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.222-227, 2003-07-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
11

脊髄損傷者用の交互歩行装具 (Advanced Reciprocating Gait Orthosis: ARGO) に膝関節屈曲-伸展動作を実現するための動力機構を装備した. 第12胸髄完全損傷者による試歩を行ったところ, 通常のARGO使用時の歩行速度, 股関節運動を減ずることなく歩行遊脚期における膝関節動作が実現され, この動作に伴って膝関節の動作に関与する下肢麻痺筋の活動電位の振幅・位相に変化が認められた. 本研究の結果は, 脊髄損傷者の装具歩行における膝関節動作の実現が, 麻痺筋およびそれを支配する脊髄運動ニューロンの活動励起による神経生理学的な効果を生ずる可能性を示唆するものであった.
著者
根本 明宜
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.180-185, 2005-10-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
14
著者
豊永 敏宏
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.22-27, 2000-01-01

労働者災害補償保険法 (労災保険) による補装具支給の手続きは, 他の支給体制と比較して少し異なった部分がある. すなわち支給対象者が業務上や通勤災害の被災労働者であり, 義肢の支給にたとえれば, 仮義肢は療養中に訓練用義肢 (装具は治療材料) として保険給付で支給され, 本義肢は創治癒の後障害認定を受けてから, 社会復帰援護事業の一環として労働福祉事業から支給 (出資は労災保険) される. さらに外科後処置という独自の制度があり, 本義肢装着後, 断端に問題が生ずれば労災保険適用で治療が行えるものである. しかしながら採型指導医の処方による義肢等の支給が, 労働基準監督官の検収制度で行われており, この時十分適合しているか否かをもっと検討すべきであり今後の課題と思う.
著者
長沢 雅子 川手 信行 水間 正澄
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.156-159, 2014

広大な海という自然の中で行うサーフィン,健常者であっても多くのリスクを伴うアウトドアスポーツであるが,日本において障がい児者が楽しめる機会は徐々に広がっている.サーフィンに参加することにより精神的・身体的な向上を期待でき,また医療・リハビリテーション関係者が介入することで疾患や障がいの特性に合わせたリスク管理と,チームとしてのリハビリテーションアプローチが可能となるのではないか.アダプテッド・スポーツとしてのサーフィンにつき,既存の3団体を紹介しながら説明する.
著者
東原 孝典
出版者
Japanese Society of Prosthetics and Orthotics
雑誌
日本義肢装具学会誌 = Bulletin of the Japanese Society of Prosthetic and Orthotic Education, Research and Development (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.6-7, 2009-01-01

このたび,日本義肢装具学会において栄えある飯田賞奨励賞を賜り心よりお礼申し上げます.受賞にあたり,ご推薦いただいた広島県立保健福祉大学理学療法学科の大塚 彰先生ならびに数多くの先生方,義肢装具学会役員の皆様,患者様のお力添えに心から感謝いたしております.<BR>東京電機大学の斎藤之男教授のもとで,マイクロコンピュータで制御された全腕電動義手の研究開発を中心に,1980年代の終わり頃から約10年にわたり,全腕,上腕,前腕電動義手の研究開発に取り組ませていただきました.その後,義肢装具士の資格を取り,高松義肢製作所において,実用化を目指した電動義手の開発研究を継続しております.上肢を切断された方に対し,電動義手を装着する機会を提供し,日常生活において電動義手を体験していただいて,少しでも多くの方に電動義手を使ってもらいたいと願っております.<BR>私が初めて電動義手を知ったのは中学生の時で,当時徳島大学の教授であられた野島元雄先生から,2冊の動力義手に関する本を頂いたことが今の道に進むきっかけになりました.1冊は,徳島大学工学部で開発された動力義手の報告書,もう1冊は,野島先生がドイツに留学され,ドイツにおけるサリドマイド児のために開発された空圧動力義手の視察に関する報告書でした.2冊とも何度も何度も読み返しました.1980年代の初め,東京大学の舟久保先生のグループが両肩離断の障害者のための全腕式電動義手を開発され,愛媛大学医学部にて装着訓練を行うことになりました.どうしても見学したくて,首藤 貴先生と大塚 彰先生にお願いして立ち会うことができました.また,被験者である吉森こずえさんと知り合いになることができました.この義手は,サリドマイドによって両手を失った人たちが大学に進学あるいは就職する時期にあたり,厚生省の科研費によって開発が進められたマイクロコンピュータ制御の11自由度をもつ電動義手でした.義手の操作はハミングのような音声信号により,あらかじめプログラムされた数十パターンの動作軌道を呼び出すものでした.しかし,故障が多く,まだ実用に耐えうるものではありませんでした.訓練終了後,義手なしの生活でほとんどのADLが自立している吉森さんが電動義手をはずして,ほっとしている姿が印象的でした.その後,この義手の開発グループの1人であった斎藤之男先生がおられる東京電機大学に進学しました.そして,斎藤研究室で,機械工学,電子工学,マイクロコンピュータのハードとソフト等を学び,研究者,エンジニアの立場として多くの切断者に会うことができました.大学院時代,斎藤先生の電動義手をテレビで知ったカナダ(モントリオール)の両肩離断の切断者のお姉さんからの連絡を受け,ジャンさんとジルさんのための全腕電動義手の開発を行いました.その義手は,肩(3自由度),肘,前腕の回内外,ターミナルデバイスの独立した関節モジュールから構成され,手先具は,ハンド型とフック型を取り替えることができました.当時のLSIの技術革新により,マイコンの制御回路の小型化が進みました.カナダでの試装着の時,床に落ちた小箱を拾ったり,コップをつかんで口元までもっていったり,タバコをくわえたり,食事をしたりと,電動義手で何ができるか,いろいろな日常生活動作を試行しました.吉森さんと違い,食事や着替えなど自分1人ではできないことがたくさんある2人にとって,電動義手は必要なものだったのです.これらの貴重な経験をもとに,モジュール化された肘,リスト,ハンドのユニットを組み合わせ,上腕切断,前腕切断者のためのコンピュータで制御されたハイブリッド電動義手を数多く製作しました.また,大学院に在籍しながら,田澤英二先生,大石暁一先生のお力添えで,平成2年,国立身体障害者リハビリテーションセンター学院義肢装具学科において聴講生として講義を受け,義肢装具士の資格を取得しました.学院では,年下の同級生と一緒に義肢装具学全般の講義を受け,実習をさせていただきました.当時指導教官であった,野坂先生,栗山先生,また製作部の高橋先生,東江先生,山崎先生ら,大勢の先生方に大変お世話になりました.<BR>高松義肢製作所に就職してからも,斎藤先生と一緒に電動義手を製作し,切断者の採型,ソケット製作,装着評価を行ってきました.それらについては,日本義肢装具学会学術大会において報告をしてきました.また,日本義肢装具学会研修委員に任命され,第19回日本義肢装具学会研修セミナー「筋電義手の処方・製作・訓練システム」では,講師として「筋電義手の原理と種類」について講演いたしました.第22回日本義肢装具学会研修セミナー「各地域における下肢装具処方の実際」では,日本聴能言語福祉学院義肢装具学科の中川先生らの協力により代表幹事をさせていただきました.また,2007年から開催されている「義手を語る会」では,世話人の1人にさせていただいております.<BR>近年,障害者自立支援法が施行され,筋電義手が特例補装具として認可されました.また,労災法においても筋電義手の試験給付が始まりました.しかし,高価で重い筋電義手は支給しても使用されない可能性があり,労働基準監督署または更生相談所での判定がきびしくなるのは当然です.多くの切断者に電動義手を使ってもらうためには,低価格で軽く,装飾性にすぐれた電動義手が必要です.そこで,私も切断者が装着したいと思う電動義手の開発をこれからも続けていきたいと思います.<BR>最後に,これまでの臨床と研究に携わらせていただくにあたり,東京電機大学の斎藤之男先生,愛媛十全医療学院 名誉学院長の野島元雄先生,済生会松山病院の首藤 貴先生,広島県立保健福祉大学の大塚 彰先生,愛媛大学運動器学教授の山本晴康先生,そして多くの知識と経験を与えてくださった切断者の方々に深く感謝しております.これからも義肢装具の研究・開発・発展のために寄与していきたいと考えております.義肢装具学会会員の方々のご指導,ご鞭撻を賜りますよう今後ともよろしくお願いします.
著者
飛松 好子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.60-68, 2000-01-01 (Released:2010-02-25)
参考文献数
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