著者
小林 万喜男
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.261-264, 2012-06-01

今回はタイ特許庁Webサイト(http://www.ipthailand.go.th/ipthailand/index.php?lang=en)でのオンライン特許検索システムについて簡単に紹介する。このサイトは項目が英語で表示されるので,全くの非英語圏のサイトに比べ,その使用は楽である。ただし,表示されるAbstract,Claimはタイ語であり,コピーできないので機械翻訳が利用できない。非常に簡単な法的状況Last statusは幸いにもコピーできるが,審査・審判経過情報,分割,権利譲渡情報などは当サイトからは得られない。
著者
芳賀 恵
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.308-311, 2012-07-01

本稿では,サウジアラビア特許庁Webサイトの特許検索データベースについて,検索項目や検索方法を簡単に紹介する。サウジアラビア特許データベースのインターフェースはアラビア語と英語があるため,アラビア語がわからない場合でも検索可能である。検索結果は書誌情報と簡単なステータス情報が英語で得られるが,英語の抄録は収録されていないなど得られる情報はかなり限られている点に注意が必要である。その他はアラビア語のガゼット(書誌事項と抄録)が発行日毎に閲覧のみ可能である。
著者
熊谷 慎一郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.385-390, 2012-09-01

東日本大震災から1年余りが経過した。本稿では,まず,宮城県内の公共図書館を中心に被災状況について,地震とそれに伴う津波による図書館の被災状況を概観する。そして,地震発生直後の行動について,県内の公共図書館等の情報収集行動と図書館情報システムに係る行動の大きく二つの行動を振り返る。宮城県図書館が行った県内公共図書館の被災状況の情報収集には,普段公共図書館等とのコミュニケーションの場として利用しているグループウェアの活用があったことを指摘する。また,図書館情報システムの復旧過程における行動を宮城県情報システムに係る業務継続計画(i-BCP)に沿って振り返る。これら大きく二つの行動は,ICT(情報通信技術)が図書館活動になくてはならないことを確認し,ICTを活用した情報支援の取り組みと今後の災害に備えるための検討を行う。
著者
臼井 裕一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.391-394, 2012-09-01

ベトナム特許庁の検索システムIP-Libの特許検索について簡単に紹介する。ベトナム特許の調査については,商用データベースを使用しても充分な調査ができないIP-Libを利用しての検索は,キーワードとしてベトナム語しか使えないため書誌的事項を中心とした検索とならざるを得ない。また検索結果もベトナム語表示となるため,どうしても敷居が高く感じられるだろう。そのため,本稿では簡易的な翻訳の方法やオフィシャルガゼットの入手方法,統計資料の入手方法についても解説した
著者
近藤 友子
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.59, no.8, pp.385-390, 2009-08-01

日本の出版界においては,読者層に障害者を包摂するような視点がみられない。昨今の厳しい出版状況では,障害者向けの出版物に目を向けていくことは難しいのかもしれない。アメリカの場合はリハビリテーション法504条により,障害を持つ人に対する差別の禁止がうたわれている。電子書籍や録音図書などを墨字資料と同じように販売することで,障害による差別をなくして,出版の枠を広げる機会としている。最近の日本においても,バリアフリー出版などの動きが少し見られるようになってきた。本稿では,日本の出版物におけるユニバーサル・デザインへの取り組みを検討していく。
著者
杉田 善弘
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.218-223, 2010
参考文献数
8

データマイニングとは何か。本論文では,データマイニングと伝統的な統計分析の違いを考察することによって,データマイニングの特質を明らかにする。大量のデータが簡単に手に入る現代の環境では,従来の推測統計の考え方に捕われずに,リーズナブルな費用で多くのモデルを使用することが可能になり,実務での活用を意識したデータ分析を行うことができるようになった。データマイニングはこの環境の中で育った新しいデータ分析の方法論である。実際にデータマイニングを活用するためには,一連の流れであるデータマイニングプロセスを理解する必要があるが,本論文はこのプロセスを概観し,それぞれの段階を説明するとともに,重要な概念や手法を明らかにする。
著者
長谷川 寿一
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.138-144, 1995-04-01

「論文を執筆できる」ということは、大学教育における大きな到達目標のひとつであるに違いない。にもかかわらず,大学生にとって論文を書くことがどのような意味をもつのか,また大学人は学生に対して論文執筆をどのように教育したらよいのか,といった基本的な問いに対しては,従来,正面から答えられることが少なかった。本稿では,論文執筆の原点は,他者との交流を通じて自らの主張を節度をもって根拠づけることであるとの認識から出発し,レポートと論文の相違点,論ずるに足る主題とは何か,論拠の示し方などについて述べ,さらに,執筆上のトラブルや悩みの対処の仕方などを論じた。