著者
梁瀬 和男
出版者
日本広告学会
雑誌
広告科学 (ISSN:13436597)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.1, 2017 (Released:2017-07-24)

平成24 年10 月25 日の知財高裁判決「テレビCM 原版事件」はCM 業界の四半世紀にわたる懸案事項「テレビCM の著作権問題」に明確な結論を出した。その結果、一般的に、広告作品の著作権者が「グラフィック制作物の場合は制作者又は制作会社」、「テレビCM の場合は広告主」となり、広告関係者はこの異常な「ねじれ現象」に直面することになった。この機会に、広告作品と著作権の関係を概観し、この知財高裁の判決を分析して、「ねじれ現象」解決への提言をしたい。