著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Sociology, Kansai University (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.61-74, 2018-10

海外では先行する事象がありながらも(注1)、日本で、主として公的な施設の「名前」が、契約によって使用権として対価を伴って売買される、いわゆる「ネーミングライツ(命名権)」として認識され実践が伴ったのは、2002年以降ときわめて近年の事象である(水野、2017)。行政学、私法商法実務などでこれに対する整理も試みられているが、本稿は広告研究としてその価値の泉源を確認し、断片的ながらも、その基底的な認識に向かう議論を試みる続編である。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Sociology, Kansai University (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.205-217, 2017-10

海外では先行する事象がありながらも、日本で、主として公的な施設の「名前」が、契約によって使用権として対価を伴って売買される、いわゆる「ネーミングライツ(命名権)」として認識され実践が伴ったのは、2002年ときわめて近年の事象である。行政学、私法商法実務などでこれに対する整理も試みられているが、本稿では広告研究としてその価値の泉源を確認し、断片的ながらも、その基底的な認識に向かう議論を試みる。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.87-111, 2017-10-31

In the latter half of 20th Century, Environmental Rights were studied in general terms. Until recently, there was little specific discussion about the Right to Informational Environment. The author approaches this topic from a variety of sociological and psychological viewpoints, including advertising web technology, environmental studies, and noise pollution studies.
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.47-72, 2022-09-30

近年、コミュニケーションのデジタル化、その一般化にともなって、20世紀に、主としてマスメディアに依拠していた広告というコミュニケーションが混乱に陥っている。混乱とは、個人情報の広告利用についての常識の未生成であり、スマホの中のデジタル広告の横溢であり、好きな動画がいつでも見られる情報環境であり、何より人々の広告一般に対する態度の悪化である。筆者は日本社会において、哲学者が広告についていかなる言及を行ったのかというオリジナル資料を収集し、もって、今世紀にも移ろわない広告原理、つまり外形的ではない「広告の社会的役割の原型」についての考察の端緒を探ろうとする。
著者
水野 由多加
出版者
日本商業学会
雑誌
流通研究 (ISSN:13459015)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.39-57, 2000 (Released:2011-08-16)
参考文献数
53
被引用文献数
1

もともと広告倫理はその広告の実施がなされた地域の文化や時代によってその判断基準が変化する。したがって、文化に密着し、様々な新たな実践がなされる分野で、理論的なアプローチだけではこの研究課題は解題しにくい、と考えられる。倫理の研究は、価値から離れた客観的実証的なアプローチには馴染まない規範的な面もある。しかしながら、この30年程の間にかつては倫理的に認識されなかった問題 (例えば、人権と差別の関係イシュー、など広告された商品・サービスの購入が前提となっていない倫理問題) が次々と立ち現れてきていることを、倫理課題の地平が拡大した、と認識し考察を深めることは可能である。具体的には、広告倫理性は広告物レベルで表現された内容の公正さ (虚偽、誤導など) に関する領域のこととして論じられることが多かったが、昨今の倫理の論点は、社会的ステレオタイプの助長等広告の社会的結果という社会レベル、領域に論点が広がる。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.157-179, 2012-03-31

新しい社会情報環境とマス・メディアの変化によって、広告を可能とさせる社会条件に関わる今日的な社会現象が生起してきた。本研究ノートは、今後の議論のために準備・編集された調査資料である。\nSome contemporary social phenomena have been occurred concerning allowance and conditions that can be advertising done, according to the changing new socio-technological environments and mass media. These are some investigative documents edited by the author to prepare the further discussions.
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.93-128, 2010-11

This article researches advertising by studying specific cases in American advertising history from the 20th century from the viewpoint macro socio-psychology. The author tries to show that successful advertising relies on a combination the product and its social value rather than effective advertising appeal itself,and can be called an institutional (social)innovation. This notion has rarely been studied. Many researches treat advertising as an exit medium for innovation; however,this paper provides a supplemental view point of innovation research,and tries to bridge the gap between macro socio-psychological or cultural consumption studies and economic or management research. 本稿の目的は、20世紀アメリカ広告の歴史的事例分析をマクロ社会心理的に行う広告研究である。その帰納的に見出される観察知見は、社会的(制度的)イノベーション(innovation) と呼び得るものであり、従来隠されていた「広告の社会価値結合」という特質を明確にした。広範に経済学・経営学の中で扱われるイノベーション研究に対して、この知見は、補完的なイノベーション論の視点を詳細化し、また従来無視されがちであったマクロ社会心理研究、あるいは消費文化研究と経済・経営学研究の架橋の可能性も併せて示すものである。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学
巻号頁・発行日
2006

博士論文
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.129-138, 2013-12

Although the new Media Studies Major at the Faculty of Sociology, Kansai University, began in 2013, this program can be traced back 65 years to its foundation, when it was originally called the Department of Journalism (and Media) Studies, at the Faculty of Letters, Kansai University, in 1949. A great many changes has occurred since then but might easily be forgotten. In this article, the author describes in detail the prehistory of the Media Studies Major at the Faculty of Sociology, Kansai University.関西大学社会学部マス・コミュニケーション学専攻は2013年からメディア専攻に改称・改編したが、その淵源は1949年の文学部新聞学科設置にあり、以来65年の経緯を持つ。この機会にメディア専攻の前史として専攻の忘れられがちな歴史を専攻に絞ってまとめた。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.129-138, 2013-12-20

Although the new Media Studies Major at the Faculty of Sociology, Kansai University, began in 2013, this program can be traced back 65 years to its foundation, when it was originally called the Department of Journalism (and Media) Studies, at the Faculty of Letters, Kansai University, in 1949. A great many changes has occurred since then but might easily be forgotten. In this article, the author describes in detail the prehistory of the Media Studies Major at the Faculty of Sociology, Kansai University.関西大学社会学部マス・コミュニケーション学専攻は2013年からメディア専攻に改称・改編したが、その淵源は1949年の文学部新聞学科設置にあり、以来65年の経緯を持つ。この機会にメディア専攻の前史として専攻の忘れられがちな歴史を専攻に絞ってまとめた。
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.157-179, 2012-03

新しい社会情報環境とマス・メディアの変化によって、広告を可能とさせる社会条件に関わる今日的な社会現象が生起してきた。本研究ノートは、今後の議論のために準備・編集された調査資料である。\nSome contemporary social phenomena have been occurred concerning allowance and conditions that can be advertising done, according to the changing new socio-technological environments and mass media. These are some investigative documents edited by the author to prepare the further discussions.
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.87-111, 2017-10-31

In the latter half of 20th Century, Environmental Rights were studied in general terms. Until recently, there was little specific discussion about the Right to Informational Environment. The author approaches this topic from a variety of sociological and psychological viewpoints, including advertising web technology, environmental studies, and noise pollution studies.
著者
水野 由多加
出版者
関西大学社会学部
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.91-111, 2017-03-31

Among recently developed advertising practices, so called advertising technology is key. Academic advertising knowledge does not exceed in that, besides industrial and business knowledge only exists. Knowledge of advertising among academics is seriously lacking compared to industrial and business knowledge. This paper describes some social problems among journalistic documents to provide a memorandum for future discussion.
著者
黒田 勇 水野 由多加 森津 千尋
出版者
関西大学
雑誌
関西大学社会学部紀要 (ISSN:02876817)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.159-174, 2006-10

スポーツイベントにおいて、近年、公式スポンサーに対抗する「アンブッシュ・マーケティング」という新しい手法が広がっている。本稿では、これまでのアンブッシュ・マーケティングをめぐる議論を紹介し、その大規模な具体的事例として、2002年W杯の際の、韓国SKテレコムのマーケティング、および2006年W杯における日本のテレビCMを中心としたアンブッシュ・マーケティングの、いわゆる「グレーゾーン」展開について明らかにする。そして、企業のスポンサーシップの論理を超えたスポーツイベントの社会的・文化的価値という視点から、スポンサーシップの歴史的展開と社会的意味について仮説的に論じる。
著者
水野 由多加
出版者
慶應義塾大学
雑誌
哲學 (ISSN:05632099)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.1-35, 2003-03

特集コミュニケーション課程の諸相論文はじめに1. 本稿の論点 : 創造,新しさへの論理探索2. 見出される「隠された広告効果」 : 新しい知識の結びつき3. 受け手の「能動性」 : 情報消費社会の基本認識4. 脱構築の記号論 : ズレが生成する新たな解釈コード5. フレームとメッセージの交錯 : 演出要素それ自体の役割6. ズレが引き込もうとするもの : 異人性・外部性としての広告7. 広告は誰のものか : 広告における公共性と倫理8. 脱構築の広告研究の深化に向けて : 広告研究展望への姿勢謝辞The author tried to make a bridge between research on advertising in marketing aspects and sociological (in its wide meanings) aspects in this paper, in order to make a deeper understanding beyond modern frameworks. He told that effective advertising would 'be shaped where new meaning cleaping into a gap from shared code of interpretation,' 'make new values unite,' as a consequence, and 'be also shaped favorable advertising by the society.' Shaped favorable advertising by the society might be a way of designing to advertising, affording a framework to the real world, and taking into considerations of public, ethics, and bounded resources.