著者
楠 繁雄 山本 勝也 初谷 匡長
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.270-282, 2003-03-01
被引用文献数
2

電力増幅器が発生する隣接チャネル漏れ電力(ACP)において,上下非対称な広がりが見られる場合がある.非対称なスペクトルの広がりは,包絡線に対する電源インピーダンスの値に影響を受けることが知られているが,Predistortionを用いたPredistortion PAにおいても観測される場合がある.本論文では.Predistortionとして,特にdual-gate FETを配置したPredistortionにおける非対称ACPの発生について,ボルテラ級数を用いて解析し,その発生の機構を解明するとともに,これを回避できる回路構成について報告する.
著者
竹上 栄治 樋口 幸治 中野 和司 富岡 聡 渡辺 一史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.9, pp.724-736, 2005-09-01
被引用文献数
6

情報通信ネットワーク機器や高速サーバにおいては, 広範囲な負荷変動及び入力電圧変動に対して過渡応答特性が劣化しないロバストなDC-DCコンバータが必要とされる. 筆者等は, DC-ACコンバータの近似的2自由度ディジタル積分形制御器の設計法を提案した. このディジタル制御器はスタートアップ特性として一次モデルを近似的に実現し, ロバストなものとなっている. DC-DCコンバータにこの近似的2自由度ディジタル制御器を適用するには, ロバスト性をより高める必要がある. そのためには十分な近似度を得る手法を確立しなければならない. 本論文では, 制御帯域幅をより広くし, 同時に出力電圧の変動を抵抗負荷や入力電圧の突然の変化に対して十分小さく抑える近似的2自由度ディジタル積分形制御器の新しい設計法を提案する. 本設計法では, スタートアップ特性の目標モデルに二次モデルを用いる. この二次モデルへの十分な近似と外乱から出力電圧への伝達特性の十分な近似を得るための制御器の設計法とそのパラメータの決定法を示す. 提案された方法によって得られたディジタル制御器は, DSPに実装され, 与えられた仕様を満たすことを実験によって検証する.
著者
堀 圭児 本川 善幸 多田 和也 小野田 光宣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1064-1069, 2002-12-01
被引用文献数
2

大気中においてITO及び金属の電極材料上に製膜する導電性高分子の膜厚を変えることによって接合界面の電子状態の変化を大気中光電子分光法及びケルビンプローブ法を用いて調べた.いずれの電極材料を用いた場合においても,大気中光電子分光法によって評価されたイオン化ポテンシャル(IP)の変化は界面から約10nmまでの領域で起きており,それ以降の膜が厚い領域では導電性高分子本来のIPに収束した.また,界面近傍でのIPの変化の度合は,電極材料の仕事関数に依存性を示した.一方,ケルビンプローブ法を利用して評価された基準電極と導電性高分子との間に生じる接触電位差と膜厚の関係は,電極材料によって顕著な違いが見られた.
著者
北原 直人 水本 哲弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.7, pp.700-706, 2003-07-01

高誘電率磁性体セラミックス材料の応用例として,その特長を生かした電磁波ノイズ対策用低域型EMIフィルタを設計・試作した結果,急しゅんな減衰係数と広帯域な減衰帯域の優れた特性を有するフィルタが可能であることが判明したので以下に報告する.
著者
高田 政明 飯田 幸雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J86-C, no.12, pp.1342-1349, 2003-12-01

FDTD法において表面インピーダンス境界条件を用いた実用的な導体境界処理法を提案している.本方法では,導体の表面インピーダンスを集中定数回路の入力インピーダンスで近似する.その近似は広帯域において高精度であることが示されており,本方法の有効性を数値的に確認している.
著者
岡上 久美 鈴木 光夫 富永 隼賢 染矢 和樹 加藤 孝弘 濱崎 勝義
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J90-C, no.6, pp.502-511, 2007-06-01

Bi2Sr2CaCu2Ox (Bi-2212)単結晶を用いた固有ジョセフソン接合の作製法として開発した自己平たん化法,及び固有ジョセフソン特性(臨界電流,リターン電流)の温度依存性について述べる.自己平たん化法では,ジョセフソン接合窓(スタック部)以外のBi-2212単結晶を希塩酸(0.20%, pH 1.40)に浸漬させ,絶縁体へ改質させた層を平たん化層として用いる.作製したBi-2212スタックの臨界電流及びリターン電流の温度依存性Ir(T)を測定した結果,臨界電流は高温(T>40 K)でAmbegaokar-Baratoff理論から上方にずれていた.一方,リターン電流は約40 Kから徐々に増加し始め,80 K程度で極大値をとった後,臨界電流の温度曲線と一致(ヒステリシスが消滅)した.このIr(T)特性を,Zappeモデルを用いて解析した.解析にはBi-2212のc-軸抵抗の温度特性(T>Tc)の現象論モデル(Heineモデル)から推定されるジョセフソンバリヤ層の抵抗の温度依存性を考慮した.このモデルでIr(T)特性の実験曲線の形を良く説明することができたが,パラメータの定量的な議論にはまだ課題が残されている.