著者
若森 和彦 カザウラ カムギシャ 鈴木 敏司 大前 和憲 松本 充司 高橋 浩一 松本 秀樹 村上 匡亮 有本 好徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.91, no.1, pp.28-37, 2008-01-01
被引用文献数
16

無線システムにとって,光ファイバ網との間でインタフェースを意識させない相互接続環境の実現は究極の目標の一つである.本論文では,光無線方式によるファイバ-空間-ファイバの間を一貫して光信号のまま伝送するフル光接続を提案し,その実現に向けた実験的検討,特に大気揺らぎの影響及び装置設計について述べる.ファイバと無線区間を意識させず,伝送する光信号に何ら変更を加えない,フル光接続を実現する次世代光無線システムを実現するためには,空間光をシングルモードファイバヘ安定して導光する技術を確立する必要がある.そのためには,大気揺らぎによる受光強度変動の制御が必須である.そこで,我々は大気揺らぎの特性を長期の実験により評価し,次世代光無線システムの設計に有効な性質や指標を明らかにした.そして,大気揺らぎによる到来角度変動を制御し,空間とシングルモードファイバを効率的に結合する受光光学系を導入した光無線装置を開発した.この装置を使い,10Gbit/s 伝送やDWDM伝送というこれまで実用化されている光無線システムでは実現できなかった大容量通信を安定的に実現できることを示した.この結果は,次世代光無線システムが,ビットレートや伝送プロトコルに依存しないファイバと等価な伝送路を提供できる可能性があること,更に光と無線システムの融合をファイバ中のみならず無線区間においても実現できる可能性を示唆している.
著者
マルハン ラジェシュクマール 原 邦彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.979-989, 2000-11-25
被引用文献数
1

ワイドギャップ半導体であるSiCは, 高速のスイッチング用途における低損失パワー素子として性能向上がなされてきている.SiCのスイッチ素子が実現されれば, モータドライブシステムや高電圧直流送電において, 大きな変革をもたらすであろう.本論文では, 最近のSiCーMOSFETの構造とプロセス技術の進展を述べ, 蓄積層の大きなチャネル移動度を利用するノーマリオフ型エピチャネルトランジスタ設計の考え方を述べる.更にSiC結晶の高品質化からキーデバイスプロセスまで, パワーデバイス開発の取組みについても議論する.
著者
辻 健一郎 クンチョロ ドゥイ チャヒョ 渡邊 拓也 小野寺 紀明 猿渡 正俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.87, no.9, pp.686-695, 2004-09-01
被引用文献数
6

半導体光増幅器(SOA)の相互利得変調(XGM)を用いた全光波長変換法において,応答速度の改善やパターン効果の低減方法として,CWのアシスト光を用いたSOAの利得回復時間を早める方法が検討されている.アシスト光はSOAの利得曲線上の透明波長に入力することで,SOAの利得低下を抑えつつ効果的にキャリヤの回復を早めることができる.しかしながら,SOAの透明波長はSOA内部のキャリヤ密度とその分布によって変化するため,最適な条件は,入射光の波長,強度,伝搬方向等,SOAの動作条件に大きく影響されると思われる.本論文ではアシスト光の波長や伝搬方向がSOAの応答速度にどのような影響を与えるかを,理論的及び実験的に調べ,最適なアシスト光の条件を検討した.
著者
松田 静男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.1, pp.79-82, 2003-01-01
被引用文献数
1

筆者は[1]で結合線路形3極真空管の電極間部分静電容量を等角写像法により求めたが,[1]では電極導体間を均質誘電体と考えてその誘電率は電極間空間の場所にかかわらず真空の誘電率とした.一方高密度の結合線路形3電極プラズマ管では[2]で述べたようにプラズマの等価誘電率は陰極導体からの距離によって異なるような不均質誘電体と考えねばならない.本論文では[1]の理論を電極導体間プラズマが[2]で述べたような不均質誘電体である場合に拡張して単位長当りの電極間部分静電容量を求めている.
著者
井上 七穂
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.618-620, 2001-07-01

周波数の異なる音響波を液中の球面レンズで液面に集東させ, 噴射実験を行った。バースト周波数ごとに異なる焦点距離や噴射エネルギーを液面としンズ間の距離及びバースト波の駆動パラメータで補正し, 安定した大小のドロップを交互に噴射することができた。これにより, 高画質を維持し, 高速プリントを図る可能性を見出した。
著者
今野 海航 園田 潤 金澤 靖 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J98-C, no.5, pp.87-95, 2015-05-01

FDTD (Finite-Difference Time-Domain)法を用いた実環境における電波環境解析を実現するために,撮影した対象環境中の物体までの距離情報が直接得られる深度センサと,三次元点群処理のライブラリであるPCL (Point Cloud Library)による三次元復元技術を応用した実環境FDTD数値モデル構築システムを開発する.本システムは,(1)深度センサで測定された距離情報からPCLにより深度センサを基準にした相対座標を取得し,(2)得られた相対座標と対象環境中の基準平面から深度センサの傾き角を算出することで対象環境中の水平垂直面を基準にした絶対座標を計算し,(3)ポイントクラウドデータが存在する三次元セル上に電気定数を与えることでFDTD数値モデルを構築するものである.本論文では,実際に室内二つの対象環境でFDTD数値モデルを構築し,三次元座標の精度や処理時間を評価している.
著者
児玉 充弘 多田 和也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.96, no.10, pp.284-289, 2013-10

可溶性をもつ導電性高分子は比較的低い融点をもつが,溶融状態の導電性高分子を電子素子に利用しようという試みはほとんどなされていない.本論文では溶融状態の導電性高分子を電子素子に利用するための予備的な検討として,2枚のITO電極付ガラス基板間に溶融状態の導電性高分子を挟んだ構造の素子(ITO/ITOセル)と,高分子上に真空蒸着法によりAu電極を形成した素子を試作し,特性評価を行った.後者では高分子層の液化に伴い,素子構造を保てなくなることが予想されたが,高分子層とその上に形成する金属電極層が一定の厚さ以上であれば素子構造を保ち,ITO/ITOセルと同様の結果が得られることが分かった.
著者
佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.520-530, 2002-07-01
被引用文献数
42

地中レーダを用いた地下計測について現状とイメージングのための技術について解説する.地中レーダ計測が実用的に利用されている分野を紹介し,弾性波計測に対する地中レーダの特徴をまとめる.次にイメージングのために現在用いられている逆散乱問題としてのアプローチとマイグレーションによるアプローチを紹介する.現状では地中レーダについてはマイグレーションによるイメージングが多く利用されており,本論文ではKirchhoffマイグレーション,f-κマイグレーション,リバースタイムマイグレーションについて具体的なデータを用いて説明する.
著者
前田 佳均
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.12, pp.1053-1059, 2000-12-25
参考文献数
14
被引用文献数
2

イオンビーム合成法によって作製した多結晶β-FeSi_2膜の光学特性を格子ひずみの関係で調べた.X線回折法によって決定した格子定数はバルクとは異なり, 著しいα軸の伸展, bとc軸の圧縮及び格子体積の膨張が観察された.アニール温度や時間の違いによって, 格子体積は収縮から膨張に変化し, 光学吸収端は, 収縮したβ-FeSi_2格子では間接遷移を, そして膨張した格子では直接遷移を示した.これらの実験結果を踏まえて, 格子変形したβ-FeSi_2のエネルギーバンドの第1原理計算を行い, 計算結果によって, 格子ひずみによるバンドギャップへの影響を考察した.
著者
古神 義則 松村 和仁
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.83, no.6, pp.553-558, 2000-06-25
被引用文献数
29

ミリ波帯における低誘電率誘電体材料の複素誘電率測定法として, ウィスパリングギャラリモード誘電体円板共振器を用いる方法を提案する.遮へい導体を測定用共振器の構成に用いない本方法では, ミリ波帯における導体表面抵抗の増加の影響を受けることがなく, 高い測定分解能で誘電正接を評価することが可能である.また, 測定に使用できる共振モードが一定の周波数間隔をおいて現れるので, ある周期数範囲にわたって複素誘電率を測定できる.本論文中では, 複素誘電率を簡便に求めることのできる測定公式, 測定用試料の設計法, 及び測定手順等を示し, 50〜75GHzにおける低誘電率誘電体材料に対する測定結果より, その妥当性を実証する.
著者
生岩 量久 竹内 安弘 鳥羽 良和 鳥畑 成典 谷沢 亨 尾崎 泰巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.666-672, 2001-08-01
被引用文献数
23

電源が不要な光変調器を用いて多数のディジタル放送波(OFDM変調信号)を離れた場所に光ファイバで伝送できるシステムを開発した. 本システムは, 電波の受信点側に電源線を引く必要がなく, 設置工事・保守が容易であるとともに, 伝送線として光ファイバを使用できるため, 長距離伝送(約6km)が可能である. このため, 送信点から受信点への電波の回り込みを低減でき, 地上波デイジタル放送で予定されているSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)の実現に有効である. 本文においては主に, ディジタル放送波伝送に特有な課題の解決方法と伝送実験, 特に多波伝送特性評価結果について記述する.
著者
高原 秀行 石橋 重喜 石沢 鈴子 平田 泰興 小勝負 信建 恒次 秀起
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.9, pp.800-806, 2001-09-01
被引用文献数
16 4

高速大容量光モジュールへの適用を目指した次世代フィルムキャリヤ実装技術として, 光導波路フィルム表面に電気配線を設けた光・電気複合フィルム(OEフィルム)上に, はんだバンプでLSIや光デバイスを実装するOE-COF(Optoelectronic Chip on Film)実装技術を提案し, その実現性を検討した.0.85μm帯, 250μmピッチの10チャネルVCSELを, OEフィルムに36個の40μm径80%Au-Snはんだバンプを用いてフリップチップ実装し, OEフィルムに形成した45度ミラーを介して光導波路と結合する基本構造を対象として, 機械的強度の高いVCSELとOEフィルム間のフリップチップ実装, 及びVCSELとOEフィルム間の低損失光結合構造について検討した.その結果, 低熱膨張材料と両面に積層した低熱膨張性OEフィルム(11×10^<-6>/℃)を開発し, 良好な光導波路特性のままで熱膨張係数を従来の1/6に低減させることにより, 機械的強度の高いフリップチップ実装を実現した.更に, VCSELとOEフィルムとの間げきをシリコーン樹脂で充てんして反射戻り光を抑制することにより, 結合損が0.4dBと小さいOE-COF実装を実現した.
著者
内海 要三 亀井 和久 内藤 亮
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.39-48, 2004-01-01
被引用文献数
4

マイクロ波・ミリ波帯における液晶の誘電率を, この周波数帯で可変遅延線等の多くのアダプティブデバイスの開発が進められているマイクロストリップライン構造で, 誘導結合型リング共振器を用いて直接測定した. 液晶層を誘電体基板としたリング共振器の共振周波数の実測値と電磁界シミュレーションの値を照合することにより, 液晶分子の長袖方向が高周波電界に平行であるときの比誘電率ε_<//>と垂直であるときの比誘電率ε'⊥, 及び誘電異方性△ε'を決定する測定法を示した. マイグストリップライン構造では, 液晶の粘性やマイクロストリップライン構進にもよるが, 液晶分子の配向を印加直流電界により完全には制御できない. そのためε_<//>が液晶材料そのものの誘電率より小さな値になる. 本論文ではその原因について考察しマイクロストリ7プ直下とそれ以外の領域の静電エネルギーの計算と液晶分子配向の不完全さを示す観察写真により実効配向係数恥の物理的意味を明確にした. 液晶を用いた7イクロストリップライン構造のデバイスでは, ε_<//>の実効的な値は材料自身の誘電率にη_αを掛けた値で回路設計を行うべきことを示した.
著者
井坂 史人 藤掛 英夫 村重 毅 佐藤 弘人 菊池 宏 栗田 泰市郎 池畑 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.8, pp.962-965, 2003-08-01
被引用文献数
4

大きなチルト角をもつ強誘電性液晶に,異方性化した微細なポリマを分散することにより,液晶分子を配向膜のラビング方向に単安定化させることができた.光重合相分離法により10wt%のポリマを液晶中に分散し,ポリマのアンカリング効果を発現させることにより,高コントラストな階調表示を可能とする単安定性の分子配向挙動が認められた.
著者
松本 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.552-562, 2001-07-01
被引用文献数
2

シリコンパワーMOSFETは90年代後半, 微細加工技術, 低抵抗ゲート電極材料, SOI構造等のLSI技術を導入して飛躍的に性能が向上し, 2GHz帯では化合物半導体デバイスと同等の性能を示すようになった。更に21世紀に入り5GHz帯での適用の見通しが得られた。本論文では, シリコンマイクロ波パワーMOSFETの研究開発の歴史, 構造的な特徴, 高周波特性改善のための研究開発動向について述べる。
著者
堀部 雅弘
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J97-C, no.2, pp.51-60, 2014-02-01

本論文では,近年利用が進むサブミリ波・テラヘルツ波領域のベクトルネットワークアナライザの(VNA)測定確度(不確かさ)を改善及び解析する手法を報告する.一般に,VNAの測定確度は,校正用標準器等の不完全な特性や接続部での反射等による偏差と,VNAの安定性や被測定物のテストポートへの接続の繰り返し性などのばらつきにより決まる.本論文では,サブミリ波・テラヘルツ波領域の測定における測定確度低下の要因を抽出・対策を行うことで,高精度化するとともに,VNAの測定確度(不確かさ)を決定する要因の紹介と解析方法を解説し,例として,測定周波数範囲750 GHz 〜 1.1 THzのWR-1.0導波管VNAについて,不確かさの解析結果を紹介する.
著者
呉 奕鋒 西澤 振一郎 橋本 修
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.1159-1166, 2005-12-01
被引用文献数
2

近年, 電子機器内部に発生する電磁ノイズは, 機器筐体から完全に遮へいされていないため, 外部に放射される漏洩電磁波となり, 電子機器の誤作動を引き起こす電磁妨害波として問題とされている.このような漏洩電磁波を抑制するためには, 電磁ノイズの発生源となる基板表面の電流分布の特定が有効とされている.本論文では基板表面の放射磁界を測定し, 測定された放射磁界から基板表面の放射源である電流分布をグリーン関数法に基づいて推定する手法を提案し, その有効性を確認した.このような逆問題の解析法として, 連立方程式の解法に共役こう配法を利用し, Hansenらが提案したL-curve法を適用することにより, 電流分布の最適値を推定した.そして, 本手法を用いて一例として解析磁界の位置変化によるマイクロストリップライン(MSL)表面の二次元の電流分布について検討した.この結果, 磁界の推定距離が離れるにつれてストリップ上の電流分布のレベルがほぼ等レベルになることが観察できた.また, 測定と解析による電流推定についても比較検討した結果, 推定した電流の傾向が良好に一致することにより, 本提案手法の有効性を確認できた.
著者
肖 鳳超 中田 洋平 村野 公俊 上 芳夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.89, no.11, pp.885-893, 2006-11-01
参考文献数
19
被引用文献数
16

回路基板において,グランド層に入ったスリットを十分な間隔をおいてまたぐ平行な2本のトレース線路が配置されているとき,この線路間には大きなレベルのクロストーク現象が発生する.この現象が磁界結合(誘導性結合)であることを実験的に明らかにし,これを根拠に等価回路モデルを提案し,実験結果と比較することによって検証している.更に,このモデルを用いてスリット間に挿入するステッチングキャパシタのクロストーク低減効果を評価している.
著者
中島 健介 末松 憲治 竹田 英次 辛坊 俊行 佐々木 善伸 高木 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.81-90, 2004-01-01
参考文献数
7

デイスクリートのチップ部品とGaAs-MMICのSW-BANKチップを実装したL帯5ビット移相器マルテチップモジュールを開発した. 移相器回路をチップ部品により構成する場合, 高い移相量精度及び振幅精度が要求されるため, チップ部品の特性ばらつきを考慮した設計が必要となる. 本論文では, チップコンデンサ, チップインダクタの特性ばらつきを考慮したモデリングを行い, 更に, GaAs-MMICをモジュール基板上にベアチップ実装する際のワイヤ長ばらつきも考慮し移相器モジュールの特性ばらつきを考慮した設計を行った. 市販のチップ部品を用いて試作した結果, モジュール全体として移相量誤差3.8°r.m.s.以下, 振幅誤差O.15dBr.m.s.以下の性能が得られた. 以上より, 5ビット移相器として十分な振幅・移相精度を実現していることが分かり, チップ部品の特性ばらつき及びMMICのワイヤ実装ばらつきを考慮した本ばらつき設計の有待性を確認した.
著者
小関 勇気 園田 潤 金澤 靖 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J96-C, no.6, pp.151-155, 2013-06-01

これまで,室内モデル等によるFDTD解析が行われているが,解析結果の現実的かつ三次元可視化の高速化に課題があった.本論文では,SfMシステムにより構築した実環境モデルと,データ転送量を削減したマルチGPUによるFDTD法を組み合わせ,実環境下における三次元ポインティングベクトル分布の高速可視化を実現する.